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労働実務事例

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といし破損し災害発生?粉じんの発散防ぎたい

「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、研削といしを使用して金属の加工作業を行うこととなりました。研削といしは、破損等による危険を予防するため、労働安全衛生関係法令ではいろいろの規定があるようですが、どのようなことが規定されているのかご教示ください。

【大阪・L社】

[ お答え ]

 安衛則では、事業者は、回転中の研削といしが破裂し、といしの破片が作業者に当たるなどの災害を防止するために、①直径が50ミリメートル未満の研削といしを除き、回転中の研削といしが労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆いを設けなければならないこと(安衛則第117条)、②その日の作業を開始する前には1分間以上、研削といしを取り替えたときには3分間以上運転をしなければならないこと(同則第118条)、③その最高使用周速度を超えて使用してはならないこと(同則第119条)、④側面を使用することを目的とする研削といし以外の側面を使用してはならないと(同則第120条)規定しています。
 なお、通達では、「研削といしをその最高使用周速度をこえて使用しないためには、…回転数を適時測定することが必要であり、とくに、圧縮空気により駆動する可搬式のグラインダで直径が65ミリメートル以上の研削といしを使用する場合は、1月に1回以上および異常を認めたつど研削といしの回転数を測定するよう指導すること」(昭45・10・16基発第753号)としています。
 また、安衛法では、一定の機械等については、厚生労働大臣が定める規格または安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、または設置してはならないとしています(同法第42条)。この一定の政令で定める機械等として、研削盤、研削といしおよび研削といしの覆いが定められており(安衛令第13条第3項)、研削盤等構造規格に研削といしの最高使用周速度、覆いの材料、構造等について規定されています。
 一定の危険または有害な業務に労働者を就かせるときは、事業者は、特別の教育を行わなければならないこととされ(安衛法第59条第3項)、その対象業務として、研削といしの取替えまたは取替え時の試運転の業務が定められています(同則第36条)。この特別の教育については、安全衛生特別教育規程により、学科教育および実技教育により行うものとされています。
(1)研削といしによる金属の研磨により金属粉じんが発生します。研削といしによる金属の研磨に関しては、粉じん則では、研ま材を用いて動力により、岩石、鉱物もしくは金属を研まし、もしくはばり取りし、または金属を裁断する場所における作業を粉じん作業としています。この粉じん発生源のうち、屋内の、研ま材を用いて動力(手持ち式または可搬式動力工具によるものを除く)により、岩石、鉱物もしくは金属を研まし、もしくはばり取りし、または金属を裁断する箇所を特定粉じん発生源とし、特定粉じん作業となります。
(2)この特定粉じん発生源については、局所排気装置の設置、プッシュプル型換気装置の設置または湿潤な状態に保つための設備の設置(研削盤等の回転体を有する機械を用いて岩石、鉱物もしくは金属を研まし、もしくはばり取りし、または金属を裁断する箇所にあっては、局所排気装置の設置または湿潤な状態に保つための設備の設置)を事業者に義務づけています。この局所排気装置は、一定の要件を満たすことが必要であり、一定の場合は、除じん装置を設けることとされており、1年以内ごとに1回、定期にフード等の損傷の有無等について自主検査を行わなければなりません。
(3)常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場については、6カ月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度を測定し、測定の結果の評価を行わなければなりません。また、屋内、タンク、車両等の内部において、手持ち式または可搬式動力工具を用いて、岩石、鉱物もしくは金属を研まし、もしくはばり取りし、または金属を裁断する作業には、粉じんの発散を防止するために有効な局所排気装置等を設置する場合を除き、有効な保護具を使用させなければなりません。さらに、特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場には、全体換気装置等による換気を義務づけています。
(4)常時特定粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、①粉じんの発散防止および作業場の換気の方法、②作業場の管理、③呼吸用保護具の使用の方法、④粉じんに係る疾病および健康管理、⑤関係法令について、特別の教育を行わなければなりません。
 その他、休憩設備の設置、清掃の実施等について規定しています。また、常時粉じん作業に従事する者に対しては、じん肺法によるじん肺健康診断を行わなければなりません。



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