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コラムの泉

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登録第6082288号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       1月15日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6082288号:

 「Balmy Hanger」の欧文字と「バルミーハンガー」
の片仮名とを上下二段に横書きした構成

 指定商品は、第20類の「衣服用ハンガー」です。


 ところが、この商標は、

(1)登録第5943519号:

 図形と「BallooMe」とを組み合わせた構成

(2)登録第5943520号:「バルーミー」


 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2017-018230)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標は、

「「バルミーハンガー」の片仮名は,「Balmy Hanger」
の欧文字の読みを表したものであるから,本願商標からは
「バルミーハンガー」との称呼を生じる。」

 また、

「「Hanger」及び「ハンガー」の文字部分は,本願商標
指定商品である「衣服ハンガー」それ自体を指称する語であるから,
同部分から出所識別標識としての称呼,観念は生じないと認められる。」

 一方、

「「Balmy」及び「バルミー」の文字部分は,辞書等には記載が
見当たらないことから,特定の意味合いを想起させることのない
一種の造語として認識されるものである。」

 そうすると、

「取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な
印象を与える部分は,「Balmy」ないし「バルミー」の文字
部分であるということができ,これらを要部として抽出し,引用
商標と比較して商標の類否を判断することも許される。」

 したがって、

「構成全体から生じる「バルミーハンガー」の称呼のほかに,要部
である「Balmy」ないし「バルミー」の文字部分に相応した
「バルミー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 一方、引用商標1は、

「外観上,図形部分と文字部分とは明確に分離していること,また,
図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じるものとは認められ
ないから,同図形部分は,文字部分である「BallooMe」の
欧文字とは,観念的に密接な関連性を有しているとはいえず,一連
一体の称呼が生じるともいえないことからすると,図形部分と文字
部分とは,分離して観察することが取引上不自然であると思われる
ほど不可分的に結合しているものと認めることはできない。」

「「BallooMe」の欧文字部分は,辞書等には記載が見当たら
ないことから,特定の意味合いを想起させることのない一種の
造語として認識されるものである。」

 よって、

「図形部分と文字部分は,それぞれが独立して出所識別標識としての
機能を果たす要部であるといえる。」

 したがって、

「「バルーミー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。」

 また、引用商標2は、

「これより「バルーミー」の称呼を生じるが,辞書等には記載が
見当たらない語であることから,特定の意味合いを想起させること
のない一種の造語として認識されるものであって,特定の観念は
生じない。」


 そこで、「Balmy」の文字部分と「BallooMe」の
文字部分とを対比すると、

「両者は,語頭部分において「Bal」の文字を共通にするとしても,
語尾の「my」の文字と「looMe」の文字という明らかな
差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものと
いえる。」

 また、「バルミー」の文字部分と,「バルーミー」とを対比すると、

「両者は,「バ」,「ル」及び「ミ」の文字並びに語尾における
長音記号を共通にするとしても,比較的短い文字構成で第3文字目
において長音記号の有無という明らかな差異を有することからすれば,
外観上,容易に区別し得るものといえる。」

「その他,本願商標の要部である「バルミー」の文字部分と引用
商標1の要部である「BallooMe」の文字部分及び本願商標
の要部である「Balmy」の文字部分と引用商標2とは,構成
文字及び文字種の相違により,外観上,明らかに相違する。」

 次に称呼を比較すると

「両者は,第2音における「ル」の後の長音の有無に差異を有し,
他の4音を共通にする。」

 しかし、

本願商標の称呼は,4音構成であって,各音が平坦に発音される
のに対し,引用商標の称呼は,5音構成であって,長音の前に位置
する「ル」の母音[u]が強調されるように発音されるものである
から,比較的短い音構成である両称呼において,上記の差異が称呼
全体の語調,語感に与える影響は決して小さいものとはいえず,
それぞれを称呼するときは,互いに聴き誤るおそれはないという
べきである。」

 そして、観念については、

本願商標の要部と引用商標1の文字部分及び引用商標2とは,
それぞれ特定の観念を生じるとはいえないから,観念上,比較する
ことはできない。」

 よって、

「観念において比較し得ないとしても,外観及び称呼において異なる
ものであるから,」

 両者は相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。


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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が近い商標の類似が問題となりました。

 称呼が近くても、短い場合には一つの違いが大きく影響します。

 一文字でも違いを作ることが真似とは言わせないツボになり
ます。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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名無し

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