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上申書(じょうしんしょ)

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    わかっちゃう! 知的財産用語    No.173

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こんにちは!  わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。


 ☆ 本日の知的財産用語


 [ 上申書(じょうしんしょ)]


 役所などに意見を申し述べたり、説明をしたりする際に提出する
書類のことです。


(1)
 裁判所,検察官,大臣,警察などに提出する上申書をイメージさ
れる方も多いと思いますが、ここでは特許庁に提出する上申書につ
いて 簡単に説明します。


 もともとは「手続に必要な書類」というよりも、手続書類とは別
に「何か特許庁に知らせたいことがあれば提出できる書類」という
程度に認識されていました。


 特許庁も「必要があれば参考にする(かもしれない)」程度に扱
っていたと思います。


 しかしながら、近年では、事実上「手続に必要な書類」に近い使
い方をされることも多くなってきました。


 特許庁上申書を提出する場合について いくつか紹介します。



(2)
 出願人は特許出願を分割することができます。その場合に、上申
書を提出します。


 分割出願が認められるためには条件(分割要件)がありますので、
その条件を満たした適当な分割出願であることなどを上申書で説明
して、審査に役立ててもらうためです。


 この場合の上申書の提出は、特許庁が出願人に「要請」していま
す。

 詳しくは特許庁のホームページをご覧下さい。
  http://tinyurl.com/2z87j7 

(今回は「分割出願」の解説ではないので、詳しい説明は
 省略します。)



(3)
 出願人は手続補正書を提出して出願内容を補正することができま
すが、その際に上申書を提出することがあります。


 補正が認められるためには条件があります。もとの出願に書いて
いなかった新しいこと(新規事項)を付け加えるような補正は認め
られません。


 そこで、そのような不適切な補正ではない根拠を説明するために
上申書を提出することができます。



(4)
 商標登録出願において、出願した商標を実際に使っていること(
又は具体的な使用予定)を説明するために上申書を提出することが
あります。


 同じ商品区分内で類似しない多数の商品を指定した場合や、いわ
ゆる「小売り商標」において類似しない複数の小売りを指定したよ
うな場合は、審査で「商標を本当に使用する意思があるのか疑わし
い」と判断され、拒絶理由通知を受けることがあります。

 参照:「商標の使用意思」 http://www.jpat.net/Y164.htm


 そこで、拒絶理由通知を受けそうな指定をした場合は、審査前に
自主的に「商標を使用している証拠」又は「事業計画書」などを添付
した「上申書」を提出しておくことをお勧めします。


 拒絶理由通知を受けてから意見書として提出しても良いのですが、
あまり気持ちの良いものではないですし、審査を円滑に進めてもら
うためにも上申書を有効利用すると良いと思います。



(5)
 上記以外にも、いろいろな場面で上申書を提出することがあります。

      ☆              ☆

[関連事項と経験談]


(1)
 出願について拒絶理由通知書を受けて、それに反論する場合は「
上申書」ではなく、「意見書」を提出して反論します。


 拒絶理由通知書に対応して手続補正する場合、「手続補正書」と
共に提出する「意見書」において、補正についての説明をすること
ができます。



(2)
 他人の出願について、登録させないように情報提供をする場合は
「刊行物提出書」という書類を提出することができます。

 参照:「情報提供」 http://www.jpat.net/Y89.htm



(3)
 上申書は 色々な場面で使える便利な書類ですが、個人的には 
上申書に手続書類に近い役割をさせるのは 違和感があります。


 例えば上記の分割出願の際に提出する上申書などは、かなり手続
書類に近い使い方なので、上申書とは別の手続書類、例えば「分割
出願説明書」のような書類があった方が良いような気もします。



(4) 余談

 「上申書」という名前は、「お上に申し上げる」という感じの名
前で、なんとなく昔っぽいイメージがありますね。

 時代劇で家来が殿様に「おそれながら申し上げます」などと言う
シーンがありますが、上申書を書いていると たまにそんなシーン
を連想してしまいます(^^;)。


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 「わかっちゃう! 知的財産用語」

  発行   西川特許事務所 ( http://www.jpat.net/
       兵庫県西宮市東山台3丁目9-17  
       電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821 
  発行人  弁理士 西川 幸慶  pat@jpat.net
   
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  (C) 2007 Nishikawa Yukiyoshi 
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[編集後記]

(1)
 息子が 「ダースって何?」

と聞いてきました。

 算数のプリントに

「半ダース入りの鉛筆が5箱あります。鉛筆は全部で何本でしょう?」

という問題があり、意味が わからなかったようです。

 そういえば 最近「ダース」って ほとんど使わないですね。


 昔は ビールや鉛筆をダース単位で買ったりしてましたが、今で
はビールは20本又は24本入りのケース単位で買いますし、鉛筆
も適当に必要数を買います。


 日常生活で「ダース」という単位を使わないので、息子がわから
ないのもしかたないように思いました。


 「ダース」とか「グロス」とかの12進法の単位って、どの程度
利用されているのか 興味があります。

(欧米との取引が多い業界では多用されているのかなー?)



(2)
 このメルマガは 毎月5日、15日、25日(当日が土、日、祝
日の場合は翌日)に発行していますが、毎年お正月とお盆の2回だ
け、お休みをいただいております。

 1月5日は お正月休みとさせていただき、次号は1月15日に
発行予定です。


 今年も あと1週間となりました。皆様、良いお年をお迎え下さ
い。

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