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経営者

コミュニケーションの課題を解決する!メディアリンク株式会社代表取締役・松本 淳志氏が語る「組織づくりで重要なポイント」

時代の最先端をひた走る経営者に“5つの問い”をぶつけて、成功の秘訣を紐解く連載「成功を掴んだターニングポイント」。今回は、メディアリンク株式会社の代表取締役・松本 淳志氏にお話を伺いました。


同社は、コミュニケーションに特化したITベンチャー。2009年設立以来、14期増収増益かつ黒字経営を継続しています。これを支えているのが同社のコアである“ミッション・ビジョン・バリュー”。今では全社員に深く浸透しているとのことですが、創業当初は社員との意見の相違があったといいます。そのギャップをどのように埋めつつ、事業を展開させてきたのでしょうか。松本氏に“5つの問い”を投げかけてみました。

・ミッション「関わるすべての人に感動とHAPPYを!」
・ビジョン「コミュニケーションの課題を解決し、思いやりあふれる社会を創る」
・バリュー「誠実さと思いやりを持ち、前向きに行動する」

【参考】ミッション・ビジョン・バリュー / メディアリンク株式会社

<プロフィール>
メディアリンク株式会社
代表取締役
松本 淳志

2002年日本大学理工学部を卒業し、大手SI企業に入社。コールセンターなどの電話関連分野のシステム開発やサービスを提供する部署に勤務したのち、2009年7月にメディアリンク株式会社を設立し代表取締役社長に就任。自社プロダクトのソフトウェア“Media Office”“Media Voice”“Media Calls”など革新的なサービスを開発し多くの企業に採用されている。

Q1.貴社の事業について教えてください

社会のコミュニケーションの課題を解決するソリューションを提供しています。具体的な事業としては、オフィスやコンタクトセンターで必要なテレフォニーシステムや、ウェブ接客・チャットボットツールなどの導入支援です。システムのコンサルティングからツールの設計・製造・運用・保守までワンストップでサポートしています。

自社ソフトである“Media Office”“Media Voice”“Media Calls”は、コールセンターのコミュニケーションに特化したウェブシステムで、ソフトバンクグループやGMOグループにも採用されており、多数の企業をサポートしています。

Q2.創業から「組織づくり」における苦労はありましたか?

会社として大切にしたい“誠実さ”というバリューを浸透させるのは、創業時は苦労しました。メディアリンクを設立したのは2009年の7月ですが、現在と比べて、その頃は“誠実さ”の定義が曖昧な部分がありました。そのため、月1回全社会議で、私の言葉で“誠実さ”についてきちんと説明するようにしたのです。これにより、全社員が同じ認識を持って誠実に業務をできるようになったと感じています。

また、オンボーディング研修においては、私からミッション・ビジョン・バリューについて詳しく説明します。とくに重要なのは“嘘をつかない・約束は守る・間違えたら素直に謝る”こと。社員にはこれを徹底してもらっているので、解約率も他社と比べるとかなり低く、高い顧客満足度をキープできています。

組織づくりで苦労した経験としては、創業5年目のときのことです。その頃、会社のルールを守らないマネジメント層の社員がいまして……。その社員がまとめている事業は好調でしたので、事業の成長が滞ることを懸念して、厳しく注意することができませんでした。その結果、会社の規律が少しゆるんでしまったことがあり、その反省から、ルールを守らない人には誰であれしっかり注意するようにしています。

Q3.組織づくりの工夫はありますか?

月1回の全社会議は、組織づくりの観点からとくに力を入れています。先ほど申し上げましたミッション・ビジョン・バリューの再認識とともに、“自慢大会”という取り組みをしていて、仕事に関する自慢を3分間語ってもらいます。成功したことや褒められたことでも、なんでも自慢をしてOKです。自分の成果を称賛してもらえる場となっていますし、そこで1位になった人には報奨も提供しており社員から好評です。

あとは、若手社員に対しても、裁量をできるだけ与えて伸ばすようにしています。給料水準は同業他社より高い水準なので、若手でも結果を出していれば、それに見合った給料がもらえます。成長できる環境と結果に見合った給料は、社員のモチベーションアップに繋がっています。

Q4.オフィス移転のきっかけとその後の変化は?

社員が増えてきたこともありまして、オフィスを拡張するために5年前に現在のオフィスに移転しました。

オフィスの内装にはこだわりました。とくにエントランスは会社の印象を決める役割も果たしますので、ハイグレードな雰囲気に仕上げています。こういった面は、採用においても効力を発揮していると思います。

また、近いうちに拡張移転を考えていますが、「たとえリモートワークOKでもオフィスに来たい」と社員に思ってもらうようなオフィスにしたいと考えています。従来のオフィスではなく、空港のラウンジやカフェのような特別感のある空間です。たとえばですが、仕事に集中できるブースがあったり、立って仕事ができるスタンド席、落ち着いた雰囲気のソファ席などがあるイメージ。家よりも作業環境が整っていてリラックスできるオフィスにしたいと思っています。

Q5.今後の展望について教えてください

組織自体が常に変化していき新しい時代に対応し、今後も「関わるすべての人に感動とHAPPYを!」という価値を提供していきます。最先端のAIを学んだ人材やテック人材を積極的に育成・採用し、AIを駆使してBtoCでのコミュニケーションの課題を解決していくつもりです。たとえばですが、AIを使って思いやりのある言い回しができるようになれば、スムーズに意思疎通ができます。このように、私たちが開発するコミュニケーションソフトによって“思いやりあふれる社会”を作っていきます。

“誠実さ”を徹底した顧客対応や、若手に裁量権を与えること、月1回の全社会議など社員のモチベーションをあげる組織づくりの結果、メディアリンクは「ベストベンチャー100」に選ばれ続けています。洗練された印象のオフィスは採用力を高める一助となり、組織規模も拡大しています。そして今後も、ビジョンを追求するべく、コミュニケーションの課題解決に取り組んでいくようです。成長する組織を作るためのヒントとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

Interview&Photo/Takanobu Sasaki

【エクセル版チェックシートも】はじめてのオフィス移転お役立ちマニュアル