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企業の炎上

どこから対処すればいい?ネット炎上から企業を守る方法

2022.05.06

スマートフォンの普及により、いまや誰でも簡単に利用できるSNS。1人の社員の投稿でも、炎上トラブルに巻き込まれれば企業への影響は計りしれません。

そこで今回は、炎上を未然に防ぐために企業がとるべき対策と、実際に炎上してしまった場合の対応をご紹介いたします。

ネット炎上に対する企業の備え

一般的に炎上とは、インターネットで批判や誹謗中傷などを含む否定的な意見が集まることを指します。情報発信が容易になった現代において、企業規模にかかわらず社員のSNSや企業の公式SNSが炎上することも珍しくありません。そのような状況を未然に防ぐため、企業ではどのような対策に取り組む必要があるのでしょうか。

(1)監視体制の重要性

どのような企業であっても炎上に巻き込まれる可能性があります。炎上による被害を少なくするためには、いち早く炎上の“火種”に気づける状態にしておく必要があります。

インターネット上の動きを監視するもっとも簡単なツールが『Googleアラート』です。『Googleアラート』は、設定したキーワードに関する新しい検索結果が見つかった場合、メールで通知を受けることができます。

『アラート作成』という検索窓にキーワードを設定していきます。この際、できる限り会社に関するキーワードを幅広く登録することで常時監視体制を実現できます。

(2)規程・誓約書類の作成

会社の業務内容や業務に係ることを外部に公開したり、業務時間中や休憩時間中に悪ノリした写真をSNSに掲載したりした結果、炎上につながるケースがあるようです。

このような行動をなくすために、守秘義務契約や秘密保持に関する誓約を締結しましょう。規定はより具体的にしておくことがポイントになります。就業規則も、インターネットやSNSを意識した規程作成が必要です。就業規則に定める内容は、1)貸与品等の私的利用の禁止、2)貸与した機器等の調査、3)就業時間中の私的行為の禁止、4)秘密保持義務の明示、5)削除を求める場合があることの明示、6)懲戒処分の明示です。就業規則は、目標ではなく、企業のルールであると認識してもらいましょう。

(3)ソーシャルメディアポリシー・ガイドライン

とはいえ、SNSはもっぱら就業時間外に使用されることが多く、その間の行動を就業規則により規制するのは難しいのも事実です。そこで、インターネット上で情報発信する際のルールや心構えを“ソーシャルメディアポリシー”や“ガイドライン”などの形で示し、不適切な投稿の抑制を目指しましょう。企業として従業員にインターネットやSNSとの付き合い方の教育を行う姿勢が大切です。

ネット炎上が起きたときの対応

では実際に、社員や企業アカウントが炎上してしまったとき、どのような対応を取ればよいのでしょうか。

(1)正確な事実の把握

不祥事が発生したとき、できる限り大事にしたくないとの思いから、正確な事実把握に努めず、被害の詳細や危険性を過少評価してしまうことがあります。

まずは落ち着いて、炎上の原因を5W2Hで把握することが必要です。

・いつ(When)
・だれが(Who)
・どこで(どのSNSで)(Where)
・何について(What)
・どのような行動、言動をとったか(How)
・言動、行動の理由は何か(Why)
・批判に対してどのような行動をとったか(However)

社内の関係各所へのヒアリング、状況確認も必要になります。

(2)無視・反論はしない

炎上に対して思いつく対応は、大別すると以下の3つではでないでしょうか。

・反論する
・放置する、無視する
・謝罪する

しかし、ネット上には、“自分の意見が正しいと見せつけたい人”や“勝利宣言をしたい人”がいることも事実です。対話や議論を目的していないため、事実に基づく説明をしても無視して攻撃を続けていく可能性があります。議論や反論は、基本的に炎上を拡大する結果になることが多く、実践的でありません。また、無視・放置も、企業側の不誠実な対応として、騒動をスルーするつもりなのかと批判が高まる可能性があります。迅速に、正確な事実関係を十分に調査し、その後の対応の準備を整えた上で、謝罪などの公表を行うことをおすすめします。

(3)謝罪など対応の方法

ではどうしたらいいのでしょうか。考えられるのは、下記の3つになります。

・個別謝罪(迷惑をかけた人に直接謝罪を行う)
・ニュースリリースをHPなどに公表する
・記者会見を行う

炎上しているということは、理由はともかく企業に不快感を抱いている人が多数いるという状況です。炎上の内容によっては企業に法的責任が発生することも当然ありますが、あくまでも世間を騒がせたことについては企業の社会的責任を認める謝罪が必要です。このとき、「遺憾に思う」「誤解を招いた」「結果として」「不快にさせたなら謝る」などはNGワードです。謝罪の真意を伝えるポイントは、

・謝罪
・事実関係の説明
・原因、再発防止対策
・処分

この4点を明確に入れることになります。

まとめ

誰もが全世界に向けて気軽に発信できる時代、企業の対策すべきリスクはあらゆるところに潜んでいます。まずはソーシャルポリシーを作成することから始めてみてはいかがでしょうか。

*kai、taa / PIXTA(ピクスタ)