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TOP > 記事一覧 > 総務・法務 > 【まずはここから】自由な働き方を目指して!オフィス課題を見つける分析手法【第2回ABW解説】
自由な働き方

【まずはここから】自由な働き方を目指して!オフィス課題を見つける分析手法【第2回ABW解説】

自由な働き方“ABW”について解説する連載の第2回です。今回は、ABWを導入する前に実施すべきオフィス分析について解説します。オフィス分析とは、現在の自社のオフィスの利用実態を分析することを言います。ABW導入前にこれを実施することにより、最適なオフィス環境の構築ができるのです。最初に、前回のおさらいから始めましょう。

ABWとは〜前回のおさらい〜

ABWとは「Activity Based Working」の略称で、その日の仕事の内容や気分に応じて自由に働く場所を選べる働き方です。自宅やサテライトオフィス、コワーキングオフィス、カフェなどの場所も含めて働く場所を自由に選べます。オフィス内に固定席がないフリーアドレスと似た概念で、ABWはオフィスに出社するかどうかも含め社員が選択できます。メリットは、生産性の向上、社員の自律性の向上、コスト削減、企業ブランド価値の向上などです。

【もっと詳しく】フリーアドレスだけじゃ不十分?場所にとらわれない「ABW」という働き方【第1回】

すぐに導入ではなく現状把握が必要

ABWの導入を推進していくためには、まずは目的を設定する必要があります。そのために、まずは現状を可視化し、自社のオフィスの課題点は何なのかを探りましょう。オフィスの課題点といってもいろいろと考えられます。例えば、以下のような例があります。

  • 社員の人数に比べて狭すぎる
  • 社員の人数に比べて広すぎる
  • 設備が古すぎる
  • 会議室がいつも埋まっている
  • 騒音のためにWEB会議ができない
  • コミュニケーションが希薄で風通しが悪い

主観的な判断とならないように、数値化した情報を集め、客観的に課題を捉えましょう。

オフィスデータ分析の手法

オフィスの課題をとらえるためのオフィスデータ分析には、対象によってさまざまな手法が存在します。各手法を有効に使ってオフィスの課題を可視化しましょう。

①一人当たりの面積

オフィスの効率性や快適性に直結するのが広さです。オフィスの広さが適正かどうか調べるには1人当たりの面積を算出しましょう。

オフィスの1人当たりの面積 = オフィスの面積 ÷ オフィスの利用社員数

300名以下のオフィスにおける一人当たりのオフィス面積は約10.5平方メートル(3坪強)と言われています。だいたい6畳間ぐらいの広さです。1人あたり4坪や5坪あるオフィスも存在し、そのようなオフィスはゆったりと余裕のあるスペースで仕事ができます。しかし、ただ広ければ良いのかは慎重に考える必要があるでしょう。広すぎて落ち着かないという事態も生じ得るからです。

また、1人当たりの面積が増えると、1人当たりのコストも増えるということは、念頭に置かなければなりません。

②出社率と在席率

オフィスの1人当たり面積や最適な座席数を算出する際に、会社に在籍している全社員の数を前提に考えてもあまり実態は把握できません。なぜなら、全ての社員が常にオフィスに居るとは限らないからです。実態を正確に把握するには、出社率と在席率を計測する必要があります。

出社率とは全社員のうち、オフィスに出社している人の割合です。また、在席率とは、オフィスにある座席のうち、専有されている座席の割合です。社員が多いからとたくさんの座席が用意された広いオフィスでも、出社率が50%しか無かったら半分近くのスペースは無駄になっていると考えられます。また、出社している社員が多くても、職種上外回りが多かったり、会議室に居ることが多かったりして、執務スペースの在席率は低い場合があるかもしれません。

出社率は社員の勤怠状況を調べればすぐに算出できます。在席率は、調べるのに観測をする必要があります。具体的には、観測係を1人決め、1日のうち数時間おきにオフィス内を巡回し、空いている座席の数を数えます。それを2週間〜1ヶ月程度繰り返すと、時間帯ごとの在席率の変化や曜日ごとの変化の傾向もだいたい把握できるでしょう。

③会議室使用率

会議室の使用率は、オフィスの生産性に直結する指標です。会議室の予約が取りにくい場合は、会議を先延ばしにしなければならず、意思決定がそのぶん遅れていくからです。会議室使用率の計算は、利用記録を調べることで可能となります。例えば、1日に会議室の利用時間帯が10コマあったとして以下の計算式で算出できます。

会議室使用率 = 利用されたコマ数 ÷ 全てのコマ数

会議室使用率は一見100%に近い方が良いような気がすると思いますが、そういうわけでもありません。30%程度の余裕を常に確保していないと、使いたいときにはいつも埋まっている状態になるからです。

【こちらの記事も】レイアウトを変えるだけ!コミュニケーション活発化を目指すオフィスづくりのポイント(PR)

従業員にヒアリングすべき項目

ここまで述べてきたのは、数値化できる分析です。しかし、数値にできない人間の気持ちや考え方などは、もっと定性的な分析をする必要があります。従業員へのアンケートによって現在のオフィスの使い心地を調べましょう。アンケートで調べるべき項目はいろいろと考えられますが、例えば以下のような項目が挙げられます。

  • オフィスの広さをどう思うか
  • オフィスの設備についてどう思うか
  • 普段の働き方(外回りか内勤か)
  • 現在のオフィスでオンとオフは切り替えやすいか
  • 現在のオフィスでコミュニケーションは取りやすいと感じるか
  • その他、自由記述でオフィスの課題点を書いてもらう

まとめ

オフィス改革を行うためには、まず自社のオフィスの分析が必要です。オフィスに対する社員の不満が溜まる背景には、必ずボトルネックとなっている課題が存在します。まずは課題を洗い出し自社にとって適切な働き方を探っていきましょう。

【もっと詳しく】はじめてのオフィス移転お役立ちマニュアル

*kikuo、horiphoto、マツ、takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)

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