レイアウトを変えるだけ!コミュニケーション活発化を目指すオフィスづくりのポイント
働き方改革の推進や新型コロナウィルス感染対策の一環により、テレワークや在宅勤務といったワークスタイルの多様化が進んでいます。毎日オフィスに行かずとも業務が進められるようになった一方で、コミュニケーションの課題が出てきてはいませんか。社員同士が円滑なコミュニケーションが取れないと、情報が正しく伝わらずミスを招いたり、プロジェクトが滞ったり、今までより部署間の連携が取りづらくなることもあるでしょう。環境や働き方の変化によって毎日オフィスで顔を合わす機会が減少している今こそ、オフィスでのコミュニケーションの在り方を検討することが大切です。
しかし、社内でイベントを開催したり、「コミュニケーション取ってください」と口頭で言うだけでは、一時的な効果しか見込めません。中長期的に社内コミュニケーション促進を図るのであれば、社員が集まる場であるオフィスのレイアウトを見直してみましょう。今回は、社員同士のコミュニケーションとオフィスレイアウトの関係について解説します。
目次
社員同士のコミュニケーションが活発でない原因一覧
社員同士のコミュニケーションが活発でないオフィスはいくつかの原因に分かれます。
課題点1:部署間のコミュニケーションが乏しい
部署間のコミュニケーションが希薄で溝がある場合、物理的に顔を合わせる機会が限られている場合が多いです。例えば部署ごとに部屋自体が異なる。あるいは、部屋が同じでもブースで区切られている。このようなレイアウトでは必然的に内と外の概念が産まれ、他の部署に対する関心も薄くなります。
直接顔を合わせる機会が無ければ溝は埋まりません。部署間コミュニケーション促進のためのイベントを開く方法もありますが、それは一時的な対策に過ぎません。根本的に対策するには、やはり普段から顔を合わせるようなオフィスレイアウトが必要です。
課題点2:コミュニケーションの頻度自体が少ない
部署間のみならず、部署内のコミュニケーションも希薄で、オフィス全体のコミュニケーションの頻度が不足している場合があります。そのような場合は、オフィスの雰囲気が堅苦しかったり、話しかけづらい雰囲気である場合が多いです。もちろん人事評価や組織の体制が原因で心理的安全性が失われている場合もあります。しかし、オフィスのレイアウトが機能性ばかりを追求し、遊び心やリラックスできるスペースが無い場合も心理的安全性が失われる原因となり得るのです。
課題点3:打ち合わせ開始までに時間がかかる
ミーティングや会議の調整、会議室の確保に時間がかかってしまうと、ちょっとした打ち合わせや話し合いを行うハードルが高くなってしまいます。そうすると業務上の相談事や気軽な情報共有が行われにくくなり、業務効率が低下したり、プロジェクトの進行が滞ったりと業務に支障をきたしかねません。
打ち合わせの調整に時間がかかってしまうのは、会議室利用のハードルが高いのが原因の一つです。例えば、以下の原因が考えられます。
- 会議室の数が少なく、いつも使用中である
- 会議室を予約するための手続きが煩雑である
- 会議室までの距離が遠い
会議室を効率よく利用するために予約のルールを作るのは良いですが、数分で終わるようなちょっとした打ち合わせや話し合いにもそのようなルールを適用していると効率が悪くなります。このような場合は会議室を利用するハードルを下げる必要があります。
課題点4:活発なグループと活発でないグループがある
社員のグループによってコミュニケーションの密度に濃淡がある場合は、特定の社員が仲良しグループで固まっているのが原因です。このような現象は座席が固定化している場合に起こりやすいです。特定の人とばかり話しているため、コミュニケーションに濃淡が生じてしまうのです。
排他的な仲良しグループが形成され、そのグループがオフィスの中心になってしまうのは、あまりポジティブな兆候ではありません。その仲良しグループに所属することが“権威”と化してしまい、グループに入れていない人の心理的安全性にまで影響を及ぼします。コミュニケーション密度が特定のグループに偏るのは是正したほうがよいでしょう。
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課題別!今からでもできるオフィスレイアウト変更案
①部署間コミュニケーションは回遊を促すフリーアドレスで促進
部署間のコミュニケーションに乏しい場合は、部署ごとに部屋やブースに分けたりせず大部屋に全部署を入れましょう。そして座席をフリーアドレスにします。ただし、フリーアドレスでも、レイアウトを工夫しなければいけません。できるだけ歩き回ったり、他の社員とすれ違ったりするようなレイアウトが理想です。
そのためには以下のようなレイアウトが考えられます。
- 回遊型レイアウト・・・パーソナルロッカーやコピー機、資料置き場などを周りにまんべんなく分散して配置し、ぐるりと回遊しないと行けないようにする
- ジグザグ型レイアウト・・・デスクを縦向きと横向き交互に配置して、導線をジグザグにする。導線が固定化されるのを防ぐ。
【もっと詳しく】オフィスの有効活用に!失敗しないフリーアドレスの進め方とレイアウト
②オフィスの雰囲気改善にはリフレッシュスペースを
ビジネスライクで殺風景すぎるオフィスは息が詰まりやすく、コミュニケーションの頻度が落ちる原因となります。堅苦しい雰囲気ではたわいもない雑談すらしてはいけないかのように感じ、事務的な会話以外しなくなるからです。そこでオフィスの雰囲気を改善するため、リラックスできる雰囲気のリフレッシュスペースを作りましょう。
カフェのように暖かい雰囲気の家具やソファーを配置したり、サーバーを置いてコーヒーなどの飲み物を楽しめたりするようにすると、社員がリラックスできるでしょう。気持ちがリラックスすると必然的に会話もしやすくなります。
③ミーティングの効率化にはフリーのミーティングスペースを設置
ミーティングがしづらい原因を解消するには、オフィス内にフリーのミーティングスペースを設置するのがおすすめです。フリーのミーティングスペースは以下のように作ります。できるだけシームレスにし、気軽に使えるようにするのがコツです。
- オフィス内(個人のデスクと同じ空間)にシームレスに作る
- できるだけたくさん作る
- あまり大人数用にはしない(6人程度まで)
- 予約不要で使えるようにする
④グループによってコミュニケーションに濃淡がある場合はシャッフルデーの導入
特定の人ばかりが活発にコミュニケーションを取ってしまう場合に、フリーアドレスにして対策しようとする企業があります。しかしフリーアドレスにしてもこの現象は解消されるとは限りません。なぜなら、フリーアドレスにしたのに結局いつも仲良しグループで固まって座る現象が起こるからです。
このような場合は“シャッフルデー”を導入しましょう。シャッフルデーとはランダムに座席を指定する日です。定期的に日時を決めて、ランダムに座席を指定すると、同じ人と固まって座ることがないため、多様性のあるコミュニケーションを促進できるでしょう。
まとめ:上手くいかない場合はオフィス移転も選択肢に入れよう
上記のような原因はわかっていても、今のオフィスの設備やスペースの面でなかなか対策が難しい場合もあるでしょう。その場合は思い切ってオフィスを移転するのも1つの選択肢です。コクヨマーケティングの「コクヨのオフィスづくり」なら、オフィス移転からレイアウトまで、機能面や運用面、社員の理想の働き方を踏まえて総合的にサポートしてもらえます。予算が限られている場合でも、予算に合わせたオフィス作りを提案してもらえるので、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
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