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フリーアドレス

オフィスの有効活用に!失敗しないフリーアドレスの進め方とレイアウト

テレワークなど、場所に縛られない働き方が広まる中、オフィスのフリーアドレスが注目されています。出社する社員数が減ったことから、オフィスに全員分の席を確保しておく必要がなくなったためです。

フリーアドレスには、オフィススペースを有効活用できたり、部門を超えた社員同士のコミュニケーションを促進するというメリットがあります。

その一方、フリーアドレスは失敗してしまうと、社員のストレスになることも忘れてはいけません。フリーアドレスが失敗する原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

本記事ではフリーアドレスが失敗する原因と対策について解説します。オフィスのフリーアドレス化を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

【こちらの記事も】テレワークで残業が減り個人の時間が増える!企業にもメリットがある理由

フリーアドレスの失敗の原因5つ

フリーアドレスはなぜ失敗してしまうのでしょうか。主に5つの原因が考えられます。

社内の居場所が特定できない

フリーアドレスにすると、業務上で関わらない社員同士のコミュニケーションが活発化する一方、業務で必要な相手の居場所がすぐに特定できないということがあります。

固定座席ならいつも同じ場所に座るので、何か用事があればその人の座席に行けば良いですよね。しかし、フリーアドレスにすると席が自由に移動できるので、どこにその人がいるのかわかりません。

例えば、会社にお客様からの電話がかかってきたとき、固定座席であれば、会社にいるかすぐに分かります。その時にその場にいなかったとしても、周囲の席の社員に聞けば、だいたいどこにいるのかは把握できるものです。

それがフリーアドレスだと、会社にいるのかをすぐに把握することは難しい場合があり、こうしたコミュニケーションの非効率化により、頻繁に業務に支障がでることがあります。

煩雑な私物管理による非効率化

フリーアドレスの経営上のメリットの1つは、社員の私物によるスペースの圧迫防止です。社員の私物が少なればオフィスをコンパクトにできるので、空いたスペースを有効活用したり、小規模なオフィスに移転することで家賃の節約につながります。

しかし、その効率化がそのまま社員への負担となるケースがあります。なぜなら、私物や書類がデスクの周りに置けないと作業に必要な物をいちいちロッカーに取りに戻ったり、持ち歩いたりしなければなりません。

集中して進めていた仕事を中断してロッカーに取りに戻るのは、社員にしてみたらかなりのストレスといえるでしょう。

周囲の雑音で集中できない

フリーアドレスは普段接点の無い社員とも接点が生まれやすい効果があります。その結果、新しいビジネスアイデアを思いついたり、部門間の連携が活発になる効果も得られやすくなります。

しかし、これが逆にデメリットになってしまう場合もあります。雑談はオフィスの雰囲気を良好にしますが、集中して作業したいときにすぐそばで雑談をされると声がうるさくて集中できません。

フリーアドレスを導入する際は、コミュニケーション促進のためにパーティションを撤去したり、全ての社員を同じフロアに配置したりする場合が多いですね。そのようなオープンな環境にたくさんの人がいると騒音が増える傾向にあります。これが社員の集中力を阻害してしまうのです。

デバイスの制約による非効率化

フリーアドレスは自分が占有している座席ではなく、すべての座席が共用となります。したがって、持ち込む情報端末も必然的にモバイル端末に限定されます。

例えばデザイナーやエンジニアなど、職種によってはデスクトップPCや大きなモニターが必要な社員もいます。そのような社員でもフリーアドレスではノートPCしかオフィスに持ち込めないことになるでしょう。これでは著しく効率が落ちます。

経営者が職種ごとの職場環境の要件をあまり考えずに勢いでフリーアドレスを進めた結果、業務の遂行が滞ったり、品質が落ちたりする可能性があります。

結局いつも同じ座席を使う

せっかくフリーアドレスにしたのに、結局毎日同じところに座っているのもよくあるケースです。多くの場合、フリーアドレスにする目的が社員に伝わっていないのが原因で、このような状態になります。

今まで固定座席だったのに、いきなり「はい!明日からフリーアドレスです!」と言われても、社員たちはどのように動けば良いのかわからないのです。そこで社員たちはフリーアドレスのルールを守りつつ、フリーアドレス導入前の環境をできるだけ再現しようとすることがあるのです。

その結果、フリーアドレスにしたのに結局同じところに座る行動を取ってしまうことになります。

失敗しないフリーアドレスの進め方とレイアウト

では上記のような失敗の原因を解消するにはどうすれば良いのでしょうか。失敗しないフリーアドレスのレイアウトと進め方について解説します。

フリーアドレス導入の目的を社員に共有する

フリーアドレスを導入する際には、導入の目的を社員にしっかりと説明し、理解してもらうのが重要です。

例えば、“部署間のコミュニケーションが希薄だからそれを解決したい”“オフィスをコンパクトにしてコストを節約したい”などです。そのように何を解決したいかを明確にし、社員と共有するようにしましょう。

あくまでもフリーアドレスの環境で働くのは社員たちです。一方的に決めたりせず、現場の意見も聞いた上で社員が働きやすい環境にする対策が成功につながる秘訣です。

ITツールをフル活用する

フリーアドレスの失敗の原因のなかには、ITツールで解決できるものがあります。

例えば先述した“相手の居場所が特定できない”という問題については、オフィス内での人の位置を確認できるツールがあります。半径30m程度の範囲に電波を発信するビーコンと呼ばれるデバイスをオフィスに設置することで、位置情報を収録し、社員がどこにいるのかを記録できます。ビーコンは数千円~で入手できるので、導入の負担も少なくてすみます。

また、私物の管理や書類の持ち運びが面倒くさい問題は、クラウドサービスの利用によってペーパーレス化を促進すれば、ある程度は低減されるでしょう。

このように、フリーアドレスの導入をきっかけとしてデジタル化も促進すると、より社内の改革が進み、生産性も向上しやすいです。

【こちらの記事も】紙での管理からデータ管理に移行。原本は破棄してOK?

レイアウトを工夫する

フリーアドレスの失敗原因はレイアウトの工夫によっても解決できる場合があります。例えば以下のような施策です。

  • 私物を管理しやすくするため、オフィスに個人用の収納ボックスを設置する
  • フリーアドレスのエリアとは分けて、集中して作業できる個人用ブースを設置する
  • 部門間のコミュニケーションを促進するため、オフィス内の回遊を促すようなレイアウトにする
  • フリーアドレスと固定座席の2種類のエリアを作り、フリーアドレスに向いていない職種の社員には固定座席を許可する

まとめ:働きやすいフリーアドレス環境を作って失敗を回避しよう

フリーアドレスは上手く導入すると生産性向上や働き方に良い効果をもたらします。しかし、ただ座席を自由にするだけでは逆に働きづらくなるケースもあります。

導入の際には社員と目的を共有し、社員の働きやすさの観点を大事にしつつ進めていくと成功しやすくなります。失敗に陥らないよう、事前に十分な対策を練っておきましょう。

フリーアドレスについてもっと知りたい方は無料でダウンロードできる『はじめてのフリーアドレス導入ガイド』もご活用ください。

 

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* takeuchi masato、Pangaea、mits、Greyscale、kou、kouta、YUJI / PIXTA(ピクスタ)