登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 記事一覧 > 人事・労務 > 1on1ミーティングって本当に必要?実施の目的や注目の背景、効果的な進め方や押さえておくべきポイントを解説

1on1ミーティングって本当に必要?実施の目的や注目の背景、効果的な進め方や押さえておくべきポイントを解説

2024.09.04

2017年に『ヤフーの1on1』という書籍が出版されてから、1on1ミーティングという仕組みが注目され始めました。2020年以降、コロナ禍により社員のコミュニケーションとそれに伴うメンタルヘルスや人材育成の課題が取り上げられる機会が増えたことから、1on1ミーティングという言葉を耳にする機会も多くなったと思います。

筆者は健康経営やメンタルヘルス対策を専門とする職場改善コンサルタントとして、「新しく1on1を始めたい」、「1on1を始めたがうまくいかない」というご相談をよく受けます。一方で、新しい取り組みだから「本当に必要なのか?」、大企業で実施していることが中小企業でも「効果があるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、そうした疑問にお答えし、1on1ミーティングを効果的に行うためのポイントや実施方法について、基礎から詳しく解説します。

中小企業経営の課題を解決する情報をお届け!メルマガ登録はこちらから

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、上司と部下、同僚同士、または外部のメンバーと行う1対1での面談のことです。今回は、最もイメージしやすい上司と部下が定期的に1対1で話し合い、部下の成長を促すゴール設定型の1on1ミーティングに焦点をあててお話しします。

注目されている背景

1on1ミーティングが注目される背景には、いくつかの要因があります。まず、現代の働き方が多様化し、リモートワークやハイブリッドワークが増えたことが挙げられます。これにより、上司と部下が顔を合わせる機会が減少し、コミュニケーションの機会を確保する必要性が高まっています。

また、「健康経営」や「ウェルビーイング経営」が注目されるなか、生産性の向上には社員のエンゲージメント向上が強く関連するという認知が広がりました。そのため、社員のエンゲージメントや若手の離職率が企業の課題となり、個別のフィードバックやサポートの必要性が以前より注目されるようになったのです。

【こちらもおすすめ】形骸化した1on1の本質に立ち返る!社員の成長を促す対話方法と4つの言葉

1on1ミーティングを実施する目的

1on1ミーティングの実施は、大きく3つの目的に分けられます。

部下の成長

1on1ミーティングは、部下の成長をサポートする絶好の機会です。上司は部下の目標設定やキャリアプランのサポートを通じて、部下のスキル向上やモチベーションアップに貢献します。定期的なミーティングを行い、部下の進捗を確認し、適切なフィードバックを行うことで、部下の成長が促進されるでしょう。評価面談などとは違い1on1ミーティングは部下が主役の場ですので、部下自身が考え、上司は聞き役となって主体的に成長していくことを支援していきます。

信頼性の構築

1on1ミーティングは、上司と部下の信頼関係を築く場でもあります。定期的に1対1で話し合うことで、上司は部下の悩みや課題を把握し、適切なサポートを提供することができます。これにより、部下は上司への信頼感を高め、仕事への取り組み方にもよい影響を与えます。

しかし、部下の立場から上司との面談は緊張してしまうことは少なくありません。信頼関係構築のためには、1on1ミーティングで部下が安心して自由に話せる環境を作ることが必須です。上司は、課題を解決しようと前のめりになるのではなく、しっかりと聴く姿勢を持つことを目指しましょう。

離職率の低下

定期的な1on1ミーティングは、離職率の低下にも寄与します。部下が自分の意見や悩みを上司に直接伝えることができる場があることで、早期に問題を解決し、ストレスを軽減することができます。また、上司が部下のキャリアプランに関心を持ち、サポートすることで、部下の企業へのロイヤリティが向上し、離職率の低下につながります。

【こちらもおすすめ】社員が離れていく…経営者が気づかないNGな制度やコミュニケーションとは

1on1ミーティングの効果的な進め方

1on1ミーティングを効果的に進めるには、事前にアジェンダを用意しておくことが重要です。1on1ミーティングのアジェンダ例を紹介します。

1. アイスブレイク

リラックスした雰囲気ではじめるための軽い雑談からはじめましょう。

2. 前回の振り返り

前回のミーティングで話し合った事項の確認と進捗状況のチェックしましょう。

3. 現在の課題

現在直面している課題や問題点について話し合いましょう。必ずしも課題である必要はありません。最近うまくいったことや、職場について気になっていること、興味がある仕事、現在関わっているプロジェクトへの関心度、プライベートなことなど、そのとき部下が話したいことを優先しましょう。

4. 目標設定

目標の大小は問いません。何ができるようになりたいか、どんな風に変わりたいかなど部下が自分の言葉で目標設定することをサポートしましょう。

5. 今後のアクションプラン

目標設定に対して行動を細分化し、次回までに取り組むべき課題やアクションプランの設定をします。ここでも部下の自己決定を支援しましょう。

1on1ミーティングは継続が前提のため、上司から毎回テーマを用意する必要はありません。一方、部下がテーマにしたいことは毎回変わっても構いません。一貫性や計画性の有無、論理的なことや感情的なことを含め、部下のペースに合わせて話を聴くことで理解が深まります。

意義のある1on1ミーティングにするためのポイント

いくつかのポイントを押さえておくことで1on1ミーティングを意義あるものにできます。

コミュニケーション能力をつける

効果的な1on1ミーティングを行うためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。傾聴力や質問力を高め、部下の話に耳を傾けることが重要です。また、部下の強みや弱みを理解し、適切なフィードバックを行うことも求められます。これらの力を身につけるために、自身の上司やカウンセラーなどと1on1を行うことがおすすめです。

それぞれの特性に合わせてサポートする

全ての部下が同じアプローチで成長するわけではありません。個々の特性や目標に合わせてサポートを行うことで、1on1ミーティングの効果を最大化することができます。そのためには、部下の話を傾聴して理解することが何より重要です。1回の1on1ミーティングで必ずしもフィードバックや情報提供をする必要はありません。傾聴が大事なタイミングであれば、それだけでも構わないのです。

まとめ

1on1ミーティングは、部下の成長をサポートし、信頼関係を築き、離職率の低下に寄与する重要なツールです。定期的なミーティングを通じて、部下とのコミュニケーションを深め、適切なフィードバックを行うことで、組織のサイズに関わらずパフォーマンスの向上にもつながります。ぜひ、1on1ミーティングを効果的に活用してください。

*maroke, A9 STUDIO, Jenn Miranda, Tapati Rinchumrus, PeopleImages.com – Yuri A / shutterstock

【まずはここから】フリーアドレスのはじめ方