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オフィスで悩む女性

「頑張りすぎる社員」が組織を崩すかもしれない?経営者がするべき事前予防策とは

仕事に精一杯取り組み、成果を上げているが、何もかも一人で抱え込んで頑張りすぎている社員はいませんか?

周りと連携しながら残業時間を減らしてほしいと促しても、責任感の強さから「私は大丈夫です」となかなか改善せず、対応に苦慮している経営者や管理者が増えています。

今回は、頑張りすぎる社員の対応について考えていきたいと思います。

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頑張りすぎる社員とは

まずは頑張りすぎる社員とは、どのような社員でしょうか。主に以下の傾向が見られます。

  • 優秀で成果を出している
  • 頼まれた仕事は断らず、全部引き受ける
  • 残業や休日出勤が多い
  • 業務量を減らしても働き方が変わらない
  • 自分なりのこだわりがあり、納得するまで終わらない
  • 周囲に仕事を振らずに一人で抱え込む

頑張りすぎてしまう理由とは

残業がかさみ自分を追い込んでまで、なぜ頑張りすぎてしまうのでしょうか。

(1)上司や周囲の期待に応えたいと強く思っている

頑張りすぎる社員は、周囲の期待に応えたいと強く思っている人が多いです。期待に応えることが自分の存在意義にも繋がるので、常に全力で仕事をします。逆に「成果を出さないこと=期待に応えられないこと」という意識が強いため、やり過ぎる傾向にあり、自分を追い込んでまで成果を出すことに固執していると考えられます。

(2)自分しかできない仕事が多いと思い込んで周りに仕事を頼めない

仕事を頼まれることは、周囲が自分に期待していると受け取るため、基本的に頼まれた仕事は断りません。そして、自分に与えられた仕事は自分で完遂すべきだという思い込みがあり、周りに仕事を振れず、どんどん抱え込んでしまう傾向にあります。

(3)完璧主義である

全部の仕事を100%の状態で仕上げたいと思うがゆえに、頑張りすぎてしまう人もいます。たとえば、社内で使う資料作成など、内容が分かればOKであり綺麗に仕上げなくても大丈夫という業務ですら、100%の仕上がりを目指してしまうのです。

柔軟にメリハリをつけて仕事をすることができずに、時間をかけてでも完璧にしたいと頑張りすぎてしまいます。

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なぜ過度な頑張りがよくないのか

仕事に前向きに取り組み成果を上げていることは雇用側からすればありがたく、評価対象のように思えますが、頑張りすぎる社員をそのまま放置しておくと、組織にとってはあらゆるリスクが高くなります。

(1)本人が心身の疲労で潰れてしまう

慢性的な長時間労働により、心身の疲労が蓄積され、休職や退職に追い込まれる場合も想定されます。大事な戦力となる優秀な人材を失うことは組織にとって大きな損失です。

また、上司として頑張ってくれるからよかれと思って振っていた業務や、見守っているつもりでいた行為が「部下の労務管理義務を怠った」と判断され、企業に対する外部からの評価にも影響が出る可能性もあります。たとえば以下のようなことが考えられます。

  • 頑張りすぎる社員の働き方を本人や周囲のメンバーがネット掲示板や口コミサイトなどで呟くことで「ブラック企業ではないか」と顧客や取引先などから怪しまれる
  • 長時間労働の実態について、労基署からの注意を受ける
  • 頑張りすぎる社員が過労の末、深刻な症状を抱えてしまう

(2) 属人化が進みチームの生産性が落ちる

一人で抱え込むことで業務の属人化が進んでしまい、ノウハウや経験がメンバーに共有されないケースがあります。頑張りすぎる社員に不測の事態があった場合、メンバーも助けられず業務が停滞し、チーム内でリカバリーすることができなくなります。

高い成果を出す一人の社員に頼る業務の進め方ではなく、チームメンバーが相互で連携し合いながら成果を上げる方が、チームとしての生産性も高いといえます。

(3)周囲にマイナスの影響を与える

頑張りすぎる社員が残業や休日出勤を繰り返すことで、他のメンバーが帰りづらくなり、職場の雰囲気が悪くなるというリスクも考えられます。メンバーから「手伝います」といわれてもサポートを受け入れず一人で抱え込むので、周囲との関係性も少しずつ悪化していきます。本人は「誰にも迷惑をかけていない」と思っていても、職場全体にマイナスの影響を与えているのです。

このように、頑張りすぎる社員の言動は、組織マネジメントにおいてはリスクに繋がるのです。

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頑張りすぎる社員へのアプローチ方法

部下が頑張りすぎだと感じたとき、組織としてどのようなアプローチが必要なのでしょうか。

(1)頑張っていることや成果を承認する

本人の頑張りを認めないまま、残業や休日出勤が多いことを注意してしまうのは効果的ではありません。「認めてほしい」という承認欲求の強さにより頑張っているので、一生懸命仕事に取り組んでいる姿勢や成果を出していることを認めてあげることがポイントです。

(2)チームとして連携することの重要性を伝える

一人のスタッフに仕事が集中することが、チームマネジメントではリスクとなることを理解してもらう必要があります。周囲のメンバーと協力して良い関係を築き、連携して成果を上げてほしいことを何度も伝え続けることが大事です。

(3) 求めている完成度を伝えて仕事を任せる

頑張りすぎる社員は、手の抜き方がわからない可能性もあります。たとえば「〇〇業務について完成度は70%でいい」など、求める成果のイメージを伝え、すべての業務を100%にする必要がないことを理解してもらいましょう。

(4)「仕事ができる」の定義を変える

「どんなに時間をかけても成果を出すことが最優先である」と考えていることも多いと思います。仕事ができるというのは、「限られた時間の中で効率よく成果を上げること」という意識を持ってもらうことが大事です。そのためには、周囲との連携が不可欠であることを丁寧に説明する必要があります。

経営者・管理職必見!社員の状況をキャッチアップする仕組み

業務を抱え込ませないために大事なことは、日頃から業務の進捗をメンバー間で共有しておくことです。仕事を任せるのも大事なことですが、オーバーワークになる前に、平常時からメンバーと業務に対する理解を深める取り組みが重要です。

  • ITツールなどを使って、日頃からチーム全体の業務進捗を共有しておく
  • 会議やミーティングの場で、緊急性が高いテーマだけではなく、困っていることや助け合えることはないかについて対話する
  • 1on1ミーティングなど、こまめにコミュニケーションを図るようにし、チームで成果を上げることの重要性を伝える

など、経営者や管理職には、部下が一人で抱えこまない環境をつくることが求められます。

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最後に

今回、頑張りすぎている社員の対応について取り上げました。

実は筆者も、かつては頑張りすぎる社員でした。「認められたい」「成果を出したい」と思うあまり、一人で抱え込み、長時間労働や休日出勤も関係なく働き続けていました。

しかし、周囲のメンバーと協力しながら業務に取り組んだ時に、一人でやるより何倍もの成果が上がるという経験をしました。一人で抱え込むのではなくチームで成果を上げることの効果も実感し、自分自身の働き方を改善することができました。

頑張りすぎる社員がいたら、仕事を頑張りたいと思う気持ちを承認しながら、チーム全体で生産性を上げる方法を探ってみてほしいと思います。

*metamorworks / Shutterstock, kouta, yosan, taa, sasaki106, kouta / PIXTA(ピクスタ)

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