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企業向け緊急連絡網の作成方法。運用ルールや個人情報の取り扱いの注意点を解説【エクセルテンプレート付き】

企業にとって緊急連絡網の作成は非常に重要です。災害などの緊急事態が発生した際に、従業員の安否確認を迅速に行うことが、事業の継続と早期立て直しに不可欠だからです。本記事では、緊急連絡網の必要性、作成方法、および注意点について詳しく解説します。

BCPがCSRとして重要な理由

企業の社会的責任(CSR)の観点から、BCPの重要性が高まっています。BCPとは自然災害、テロ攻撃などの緊急事態における企業の事業継続計画(Business Continuity Planning)のことです。

緊急事態に遭遇したときに事業を継続することは、従業員の雇用を守り、取引先や顧客、一般消費者への責任を果たすことにつながります。また、地域社会や地域経済のいち早い復興のためにも、地域の企業ができるだけ事業を継続することは重要です。

BCPの策定過程で自社の強みや弱みを分析することは、緊急時だけでなく平常時の業務改善にもつながります。BCPを整備することで信頼性や評判も向上し、投資家や顧客からの支持も得られやすくなるのです。このように、BCPはCSRの重要な要素として、企業の持続可能性と社会貢献を両立させる役割を果たしています。

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緊急連絡網は必要か?

BCP策定において重要なツールのひとつに「緊急連絡網」があります。緊急事態が発生した際に、従業員の迅速な安否確認や指揮系統の構築を行うためには、最新の従業員情報と災害時の緊急連絡先が紐付いたリストが必要不可欠です。

各従業員の連絡先や緊急連絡先、所属部署、役職などの必要な情報にすぐにアクセスできることで、迅速な対応が可能になります。また、従業員の家族への連絡や救護者への医療情報の提供にも役立つというメリットもあります。

緊急連絡網の作成手順

緊急連絡網の作成は、計画的かつ慎重に進める必要があります。ここからは作成手順について詳しく見ていきましょう。

運用ルールの決定

緊急連絡網の作成にあたり、どの情報を記載するのか、どのように運用するのかを決めましょう。

従業員の氏名、住所、連絡先のほか、役職や所属部署、特殊スキルなども記載すると、非常時の人員配置に役立ちます。また、緊急時の連絡リストには、電話番号だけでなくメールアドレスやSNSのアカウント、チャットツールのIDなど、連絡先のチャネルをできるだけ多く確保しましょう。災害時にはどの連絡手段が使えるかわからないからです。

運用ルールでは、誰がどのように名簿を管理し更新するのか、非常時にはどのように活用するのかを明確にしましょう。情報の機密性を考慮し、アクセス権限も定めておく必要があります。これらの決定事項を社内で共有し、合意を得ることで、効果的な緊急連絡網の作成と運用が可能になります。

データ収集

緊急連絡網のデータ収集では、従業員から必要な情報を効率的に集める必要があります。オンラインフォームやアンケートツールを活用することで、短時間で収集できます。既存の人事システムからデータを流用することも有効です。この際、従業員の同意を得ることが重要です。センシティブな個人情報が含まれるため、個人情報保護法を遵守し、収集目的や利用範囲を明確に説明しておきましょう。また、データの正確性を確保するため、定期的な更新の仕組みも整えておく必要があります。

データ整理と名簿の作成

次に、収集したデータを整理し、緊急連絡網を作成します。データの正確性を確認し、必要に応じて修正や補完を行います。決定した必要情報に基づいて、統一されたフォーマットで名簿を作成します。Excelや名簿管理サービスを使用すると、効率的に管理できます。

名簿の更新

緊急連絡網の名簿は定期的な更新を行い、少なくとも半年に1回は情報の見直しをしましょう。緊急時にすぐに取り出せるよう、保管場所を複数の責任者で共有しておくことも重要です。災害時には本社が使用できなくなる可能性も考慮し、遠隔地にバックアップを保管することもおすすめします。平常時から従業員に名簿の重要性を周知し、情報更新の協力を呼びかけることが大切です。

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個人情報の取り扱いの注意点

緊急連絡網には個人情報が含まれるため、その運用とセキュリティには細心の注意を払う必要があります。名簿は物理的にも電子的にも安全な場所に保管しましょう。紙の名簿は耐火金庫に、電子データは暗号化やパスワード保護を行い、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えることも重要です。

また、名簿へのアクセス権限を厳格に管理し、必要最小限の人員のみが閲覧できるようにしましょう。定期的にセキュリティ対策の見直しを行い、最新の脅威に対応できる体制を整えることが求められます。

どのツールで緊急連絡網を作るか?

Excelで作る

オーソドックスな方法はExcelで作ることです。Excelは多くの企業で既に所有しているため、追加コストがかからず、使い慣れた操作で緊急連絡網を作成するのに適しています。中小企業や従業員数が比較的少ない組織に向いており、特にIT投資に制限があったり複雑なシステムを必要としなかったりする企業や組織におすすめです。

作成したExcelはスマホやパソコンに保存しておく他、GoogleドライブやMicrosoft OneDriveなどのオンラインストレージにバックアップを取っておきましょう。

『経営ノウハウの泉』では、入力するだけで簡単に緊急連絡網が作れるExcelテンプレートを用意しました。ぜひダウンロードしてご利用ください。

安否確認サービスを使う

専用の安否確認サービスを利用するのもおすすめです。安否確認サービスは、災害発生時に迅速に従業員の安否を確認できる専用のITツールで、そのまま緊急連絡網としても機能します。

緊急連絡網のみでは安否確認の連絡を別のツール(電話やメール、チャット、SNSなど)で行う必要がありますが、これらは災害時の動作が保証されているわけではありません。専用の安否確認サービスであれば、システムの堅牢性や契約内容も災害時を想定したものになっているため、より効果的な危機管理体制を構築できるでしょう。

まとめ

緊急連絡網は、企業のBCPにおいて重要な役割を果たします。適切に作成・管理することで、災害時の迅速な対応が可能になります。ただし、個人情報保護には十分注意が必要です。緊急連絡網の重要性を認識し、緊急時に備えて準備を進めましょう。

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*RAGMA IMAGES,NOBUHIRO ASADA,PeopleImages.com – Yuri A,SFIO CRACHO,tete_escape,Pheelings media / shutterstock

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