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TOP > 記事一覧 > 経理 > 残業代払ってない可能性も…これは法定労働時間?残業時間の算定方法に関するお悩み
スーツを着た日本人女性がオフィスで肩を擦る

残業代払ってない可能性も…これは法定労働時間?残業時間の算定方法に関するお悩み

新型コロナをきっかけに働き方改革が進み、企業ごとに労働時間が変わってきました。また、労働基準法の改定により、残業時間の計算がより慎重に行われるようになっています。

本記事では、残業時間の算定に関するお悩みについて取り上げました。自社の働き方に合った残業時間の見直しをしてみませんか。

1. これは法定時間外?残業時間の算定方法はどうしたらいい?

質問日:2024年7月18

◆1.質問内容(一部抜粋)

(前略)
残業時間について教えてください。
弊社の就業時間は休憩を除いて7時間20分です。
現行、就業規則の「所定労働時間終業後20分を措置した後、算定開始する」にのっとり算定しております。
私の勝手な解釈ですが法定時間8時間を超えたら残業、実働が8時間を超えていないので措置時間があると思っているのですが、この解釈は合っていますか?
1分でも超えたら残業、は「終業時間17時20分を超えたらもう残業」なのでしょうか?
就業規則を見直しているのでご教示いただきたいです。

◆1.総務の森に寄せられた返信はこちら

回答①

(前略)
雇用契約がどのようになっているのか、になりますが、1日の所定労働時間が7時間20分の契約であれば、1分でも超過すればその労働は残業になります。

1日において8時間以内かつ週において40時間内の残業であれば、時間外労働としての割増は必要ありませんが、労働した対価の支払いは必要です。

「所定労働時間終業後20分を措置した後、算定開始する」とありますが、すべての労働者に対して貴社が1日当たり20分相当分以上の固定残業代を支払っている契約でしょうか?
そうでないのであれば、貴社は労働した分の賃金を支払っていないかなと推測します。

●回答②

(前略)
規則に書かれている「措置」というのが不明ですが所定時間終了後に20分の休憩がありその後から残業として勤務するという事でよろしいですか。

8時間労働の内7時間20分は所定時間でそれを超えて時間外勤務となった場合
経験則ですが割増無しの法定内時間外と割増のある法定外時間外として計算していました。
時間外の範疇ではありますが法定8時間に満たない40分については割増無しの法定内時間外として計算します。
規定にもそのように記載してありますので特段問題なく経過しております。
所定労働時間 7時間20分
法定内時間外    40分
法定外時間外  8時間超過分
としてそれぞれ分けて給与計算をしてました。
(後略)

>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『残業時間について

【関連記事】残業時間を計算!まずは労働時間を把握しよう

近年、国を挙げて働き方改革が推進されています。その一環で2023年4月より、中小企業の時間外労働規制が強化されました。これは中小企業の経営にとって非常にインパクトのある改正といえるでしょう。今までと同じやり方だと、残業代の負担が大きく増加する可能性があるからです。下記記事では、“労働時間”の考え方について解説しています。

>詳しくはこちら
経営ノウハウの泉『【残業代】計算を間違えると違法に?「労働時間」を正しく理解しよう

2. 変則休日制を採用してる場合の残業時間の算定方法は?

質問日:2024年7月17日

◆2.質問内容(一部抜粋)

(前略)
現在、弊社では法定労働時間を1日8時間の週40時間で計算していております。
休日は変則休日制を採用しています。

給与計算は月160時間分を基本給としています。

例えば、今月7月ですと、法定労働時間が172時間になるかと思います。
その場合の、172-160=12時間の部分の給与計算について質問です。

この12時間分は基本給と同じ時給計算で良いのでしょうか?
それとも、基本給(時給)×1.25の残業時間と同じ計算になるのでしょうか?
(後略)

◆2.総務の森に寄せられた返信はこちら

●回答①

(前略)
結論としては、割増対象となる時間は記載の情報だけではわからない、ということになります。

まず確認ですが、変則休日制とは、4週4休制度のことでよいでしょうか。
また、法定労働時間172時間の算出がわかりません。
仮に1カ月単位の変形労働時間制であっても、172時間という時間にはならないのですが、どういう計算で172時間になったのでしょうか。

で、割増賃金の計算についてです。
変形労働時間制ではない場合、割増対象の時間の算出は以下の通りです。
①1日8時間を超えて労働した部分
②1週間で40時間を超えて労働した部分ただし①の部分は除く
①②の合計が割増対象です。

例えば10時間労働の日が6回あった場合、12時間分すべてが割増対象となります。
しかし、1~4週目の月~金で毎日8時間労働、29日と30日に6時間ずつ労働などという場合、割増は必要ないことになります。
なので、12時間分すべてが割増となるかどうかはわからない、という結論になります。

毎月のシフトがどうなっているのか興味深い給与設定だと思いました。

●回答①への返信

(前略)
> まず確認ですが、変則休日制とは、4週4休制度のことでよいでしょうか。
はい。業務上10日間連続勤務の後に3連休などのこともあり、そのような形にしております。

> また、法定労働時間172時間の算出がわかりません。
172時間は計算間違いでした・・
22日間勤務ですと、176時間になるのでその場合、160時間分基本給としている場合、どうなるかと思いまして。

割増賃金の計算についても、詳しくありがとうございます。
1日の労働時間が8時間を超えた部分については、割増賃金として支払っているのですが、今月で言うと30.31日分は休みの数を引くと160時間を超えるのでその部分は割増賃金なのか、割増しなくていいのか分からず、質問した次第です。

> 毎月のシフトがどうなっているのか興味深い給与設定だと思いました。
他社からの発注で、外に行く職種でして急に発注が来る場合もあり、シフトが日々変わる仕事です。
その為、毎月のシフトを先に決められず出勤日が変動するので、一番良い勤務形態を模索中でした。
(後略)

●回答②

>160時間を超えた部分は残業代となると、1.25の割増賃金ということになりますよね。
違います。
貴社が法定内残業についても割増賃金を支払うという規定ならばその通りですが、そうではないなら、法定内残業については割増無の時間当りの給与の支払いで足ります。

残業には2種類あり、法定労働時間内での残業ならば割増は必要ないです。(賃金支払いは必要)
法定労働時間を超えた残業ならば、割増が必要です。

法定労働時間の考え方において、4週4休は例外となりませんので、1日8時間勤務であるなら、別途変形労働時間制も採用する必要があるでしょう。

>相談元やほかの返信はこちら
総務の森<相談の広場>『法定労働時間160時間を超えた部分の給与計算について

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*chaponta/ Shutterstock