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テレワーク

クラウドソーシングとギグワーカーの市場規模が急拡大!雇用と業務委託の違いって?

最近ビジネスの現場でクラウドソーシングという概念が浸透してきています。従来の企業や個人事業者との取引に変わって、 Web 上のマーケットプレイスで業務を受注してくれる業者を募集し、価格、納期、品質などの点でもっとも条件の良い相手を選んで発注するというシステムです。Web制作やデザイン、アプリ制作、コンサルタントなど、専門性の高い業務から、画像加工などのルーティンワークまで、幅広い業種で利用されています。

クラウドワークスを活用することで、日本中、場合によっては世界中の業者に発注することが可能になり、コストやスケジュールの自由度が大幅に上がるのがメリットです。一方で受注する側にとっても、自分のスキルを生かして時間や場所に縛られない自由な働き方が可能になるという魅力があります。
そのため、ここ数年でクラウドソーシングの市場規模が急拡大してきているのです。

また、クラウドソーシングで単発の仕事(ギグワーク)を請け負うフリーランサーを「ギグワーカー」とも呼ぶようになってきました。

クラウドソーシングの市場規模がここ数年で急速に拡大

日本における副業・兼業を含む業務委託で仕事をする広義のフリーランスの経済規模が初の推計20兆円を超え、約1,119万人ものフリーランサーが活動しているとのこと。国内のいわゆる「生産人口」に占める割合は約17%だといいます(参考:「フリーランス実態調査 2018年版」)。

そんな中で、2016年11月17日、経済産業省は『「雇用関係によらない働き方」について(現状と課題)』という資料を発表し注目を集めます。そこには、フリーランスの直近の動向や社会への働きかけ、そして今後フリーランサーの人口が増加することを見越して、企業・社会はどのような対応を取っていくと良いかの見解がまとめられています。

しかし、フリーランスの経済規模拡大に伴い、ギグワーカーと注文者との間でのトラブルも増えました。そのため、厚生労働省は、基本的に労働関係法令が適用されない「自営型テレワーク」の契約に係る紛争を未然に防止し、かつ、自営型テレワークを良好な就業形態とするために必要な事項を示すガイドライン「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」を策定しました。2018年2月には「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」へ改定され、【注文者が守るべき事項】等が定められています。

法律面からみる雇用と業務委託の違い

雇用と業務委託の主な違いについて、下図に整理しました。

社員と業務委託

出典: caption

「雇用契約」とは、「働くこと」と引き換えに報酬を与えることを約束する契約であり、雇用契約を結んだ場合、働く人は「労働者」となり、労働基準法が適用され、労災保険、雇用保険、社会保険の加入対象となります。

一方、「業務委託契約」とは、一方が特定の仕事を処理し、「処理された仕事」と引き換えに相手方が報酬を支払うことを約束する契約であり、業務委託契約の場合、雇用契約のような「使用者」と「労働者」という関係でなく、「独立した事業者同士」という関係になります。

したがって、業務委託契約である場合、「労働者」ではないことから、労働基準法や労災保険等の法律の保護を受けません。最低賃金や残業手当の有無、労働時間の管理等などといった法的義務は原則ありません。

ですが、下記の判断基準に照らし、労働者性が認められるとなった場合には、会社は雇用契約と同等の対応、労働基準法や労災保険等の法律の保護とすることが求められます。

【労働者の判断基準】1・2を総合的に勘案することで、個別具体的に判断する。

1.使用従属性に関する判断基準

(a)指揮監督下の労働
①仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
②業務遂行上の指揮監督の有無
③拘束性の有無
④代替性の有無

(b)報酬の労務対償性

 

2.労働者性の判断を補強する要素

(a)事業者性の有無
①機械・器具の負担関係 ②報酬の額

(b)専属性の程度

(c)その他 昭和60年厚生労働省「労働基準法研究会報告 (労働基準法の「労働者」の判断基準について)」

フリーランサーと注文者との間でのトラブルが増えた現在は、副業・フリーランスを守るための法制化が進められています。

一人・一社で単に社会的課題の解決へと立ち向かう時代の終焉

複雑化する現代の課題に対して、思い(文化)の重なる多様な人材とともに解決を図ることが求められます。フリーランサーが持つあくなき「技術・技能の向上」という強いエネルギーを、企業・組織は有効活用していくことによって 企業内に既成概念に捉われない新しい風を送り込むことも可能になります。

そして、持続可能な経営の要素として「多様性」は必須です。そのため、多様な働く力をいかに活用するかが鍵となります。

各々の企業が多様な働く力を取り入れていく上で、“自分たちの論理”をもって推し進めていくことが重要です。雇用と業務委託の違いに対して“自分たちの論理”はどこにあるのかをぜひ対話を通して考える時間をもち、足並みを整えて、雇用の多様化を進めて頂ければと思います。

次回は、具体的に業務委託契約書等の書式例を用いて、注文者に求められる事項・互いの利益の為に事前に確認しておいた方が良い事項をお伝え致します。

※YAMATO / PIXTA(ピクスタ)