登録

会員登録いただけると、

  • メールマガジンの受け取り
  • 相談の広場への投稿 等

会員限定のサービスが利用できます

登録(無料)を続ける
TOP > 人事・労務 > 就業規則を変更せずに長年使用…どんな問題点がある?
就業規則

就業規則を変更せずに長年使用…どんな問題点がある?

2020.10.02

10年前や20年前、あるいはそれ以上昔に作った就業規則を、内容を見直すこともなくそのまま使い続けている会社が多くあるようです。

「就業規則が原因でトラブルになったことはないから問題ないよ」なんて声が聞こえてきそうですが、それは運が良かっただけかもしれません。なぜ、それが問題なのか? それにはまず、「就業規則とは何か」という説明が必要でしょう。

労基法上の就業規則の定め

就業規則については、労働基準法で“10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければならない”とされています。変更をしたときも同様に届け出が必要です。就業規則に定めなければならない事項として、以下の11項目があげられています。

1. 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

2.賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

3. 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

4. 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

5. 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

6. 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

7. 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

8. 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

9. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

10.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

11.各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

これをみれば分かると思いますが、就業規則には、労働者が働くうえで重要と思われる事項を、きちんと定めなければなりません。また、11で書かれているように、事業所で働くすべての人に適用されるものは、就業規則に定めなければなりません。いわば、就業規則は“会社のルールブック”なのです。

ルールブックとしての就業規則

昔と今とでは、経営環境や労使を取り巻く状況、社会情勢などが大きく変化しています。それに伴って、会社と従業員の関係性も変化します。

にもかかわらず、会社のルールブックは相変わらず昔のままというのはどうなのでしょう? 会社の現在の実情に合った、あるいは今の時代に合ったものへの変更が必要でしょう。

誰でもすぐに実践できる!
組織力の底上げ方法とは

契約書としての就業規則

就業規則は「会社のルールブック」ですが、会社と従業員との契約書でもあります。就業規則に書かれた内容は、会社と従業員との雇用契約として労使を縛ります。

従業員と個別に交わした雇用契約書と就業規則の内容に矛盾が生じている部分については、“従業員にとって有利な方の内容”が雇用契約の内容となります。

特に会社にとってリスクだと思われる就業規則として、バブル崩壊前に作られた就業規則を未だに改定もせずに使っているものが挙げられます。バブル崩壊前は、好景気で人材不足が続いていたため、好待遇な労働条件が提示されていました。その好条件がそのまま残っている就業規則のリスクの高さは計りしれません。福利厚生も異常なくらい手厚く、退職金なども今ではとても払いきれないような高額な定めになっているものもあります。

しかし、就業規則は労働者との契約であり、変更されていない限り、どんなに古くても、そこに書かれたものが契約内容として生きているのです。現在でも会社はその定めを果たすことができるのか、きちんと確認する必要があります。もちろん、バブル崩壊後に作られた就業規則だからといって、問題がないというわけではありません。

法改正への適切な対応

労働に関する法律は頻繁に改正されています。多くは、労働者の保護、労働者の権利拡大の方向で改正されています。そして、法律と社内ルールである就業規則では法律の方が強く、就業規則は、あくまで法律の範囲内で定めなければなりません。

法に沿わない定めが就業規則にあった場合、その部分は無効となり法の定めが適用されます。

そういった意味では、変更を行わなくても問題がないようにも思えますが、もし、会社が法改正を知らず、就業規則に定めたルールを従業員に押し付けたなら、これは労使トラブルに発展します。もちろん、法令違反ともなります。

会社の発展につながる就業規則へ

就業規則の作成や変更は、労働基準法89条に定められた会社の義務ですが、そもそも、就業規則を作ることは、会社と従業員との間の権利義務や社内ルール・規律を明確にすることで、労使トラブルを防ぐ意味があります。

ルールが不明確であれば、従業員は不安定な立場に立たされることになり、会社への貢献の意欲や労働への士気、生産性などは低下します。明確なルールの下、労働者の持つ能力・労力を最大限に発揮してもらう。それが会社の発展につながっていきます。

そういった重要な意義を持つ就業規則を長年ほったらかしにしているというのは、会社自ら会社の発展を放棄しているともいえます。「場当たり的な経営」と金融機関などから評価される可能性も十分にあります。

真剣に作られた就業規則には、会社の理念や信念、経営者の想いや価値観などがあふれ出ています。そして、その真剣さが従業員にも伝わっていくのです。

会社と従業員とが、同じ大きな目標に向かって進んでいくためには、理念の共有が必要であり、それによって困難に打ち勝ち、会社が発展できるのです。就業規則とは、そのような大きな力を秘めているのです。

古い就業規則をそのままにせず、今の会社にあった、あるいは将来の発展を見込んだ就業規則へと変更していきましょう。

*CORA / PIXTA(ピクスタ)

このままじゃダメな組織に…
現状を打破する組織力の底上げ法とは?