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在宅ワーク

在宅勤務実施で必ず決めておくべき5つのポイント

2020.10.07

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、多くの会社が在宅勤務を実施しています。見切り発車で始めた会社も多く、決めるべきことが決まっておらず、「どうしていいかわからない」「従業員からクレームがでた」というケースもあるようです。在宅勤務を実施する上で必ず決めておくべき5つのポイントをお伝えします。

ポイント1:労働時間の把握方法

労働時間の把握方法を決めましょう。在宅勤務は自宅というプライベートな空間で実施します。仕事という“公”の時間と生活という“私”の時間の線引きがあいまいになりやすい環境といえます。

労働時間の把握方法を決めておかないと“始業時刻になっても実は働いていなかった”や“終業時刻を過ぎても必要のない残業をしていた”ということが起きます。このような事態を防ぐためには“始業および終業の際には上司に報告をする”など仕事の開始と終了を明確にしましょう。

在宅勤務での労働時間管理は(1)原則的な労働時間管理(タイムカード打刻等)(2)事業場外労働のみなし労働時間制の2つの方法があります。

筆者の個人的な見解になりますが、(1)原則的な労働時間管理(タイムカード打刻等)をおすすめします。前述の通り、在宅勤務は公私の線引きあいまいになりやすいので、仕事の開始と終了を明確にさせたほうがいいと考えているためです。

事業場外労働のみなし労働時間制の導入には“労働時間の算定が困難”という条件があります。しかし、IT機器が普及した現在の状況を考えると“労働時間の算定が困難”とは言えなくなってきています。

具体的には、テレビ電話アプリやチャットアプリで随時会社や上長から指示を受けている場合、労働時間の算定が困難という前提が否定されます。そのような状況で事業場外労働のみなし労働時間制を適用していて、“実はたくさん働いていました”というパターンの場合、会社は想定外の賃金請求を受ける可能性があります。

ポイント2:情報管理のルール

情報管理のルールを定めましょう。在宅勤務は会社の外で業務を行うことになります。このため情報管理のルールを定めていないと、会社の重要な情報が流出してしまったという事態になる可能性があります。最低限決めておくべきことは次の通りです。

会社の書類の持ち出し:可 一部可 不可
会社のPC持ち出し:可 不可
個人PCを使用する場合:ローカルハードディスクへのデータ保存可 不可

業種によってさまざまですが、会社の書類の持ち出しは認めていないケースが多く、会社PCの持ち出しは可、個人PCへの会社情報の保存は不可としているケースが多いと思われます。

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ポイント3:在宅勤務にかかる費用負担

在宅勤務の費用負担を決めましょう。夏や冬など冷暖房が必要な季節の場合、1日中自宅で仕事をしているケースとそうでないケースで1ヶ月の電気代は変わります。この費用を誰が負担するのか決めておきましょう。

また在宅勤務を実施する場合、インターネット環境が必要になるケースが多いです。インターネットの普及率は高まってきましたが、自宅にインターネット環境がないケースもあるようです。その場合、インターネット回線等の導入工事が必要になります。費用は数万円かかることもあります。

また、インターネットのプロバイダとの契約など月々の費用も発生します。会社の業務命令で在宅勤務を実施する場合、費用は会社が負担するのが筋でしょう。本人希望で在宅勤務を実施する場合、誰が費用負担をするのか慎重に検討してください。労働者に費用負担させる場合、雇用契約書や就業規則の変更が必要になる可能性がある点にご注意ください。

ポイント4:仕事環境の安全確保

仕事環境の安全確保をしましょう。この点は見落としがちです。会社には労働者を安全に就業させる義務があります。これを“安全配慮義務”といいます。例えば、建設現場で働く労働者はヘルメットなどを装着していますが、これは労働者を安全に就業させるためのものです。

在宅勤務を実施する場合においても、労働者を安全に就業させる必要があります。「自宅は安全」と思われがちですが、そうとは限りません。

例えば、エアコンを設置していない家は珍しいと思いますが、在宅勤務を実施する場所にエアコンがあるとは限りません。集中して仕事したいと考えた労働者がエアコンのない部屋で仕事をして熱中症で倒れてしまったら、会社が責任を問われる可能性があります。このような事態を防ぐために在宅勤務を実施する仕事環境が安全か確認しましょう。

ポイント5:在宅勤務規程の作成

在宅勤務規程を作成し、在宅勤務の際のルールを定めましょう。まずどのような条件で在宅勤務が許可されるのか決めます。すべての人が在宅勤務で効率的に働くことができるわけではありません。例えば、入社して間もなく仕事を覚えていない人の場合、在宅勤務をしてもできる仕事が限られるため、在宅勤務は実施しないほうがよいでしょう。

次に在宅勤務時に特に守って欲しい事項を規定します。ポイント1~4までの決めるべきポイントをはじめとして規程化しましょう。在宅勤務規定で最低限定めておくべきことは次の通りです。

在宅勤務規定で最低限定めておくべきこと

  • 在宅勤務の対象者、許可基準
  • 労働時間の把握方法
  • 在宅勤務中の給与金額 手当や通勤費
  • 在宅勤務にかかる費用負担
  • 在宅勤務実施場所の安全確保
  • 在宅勤務の許可の取り消し、出社命令

特に決めておいたほうがよいルールは「在宅勤務の許可の取り消し、出社命令」です。在宅勤務という環境の中で十分なパフォーマンスを発揮できない労働者がいます。そのような労働者に対しては在宅勤務の許可の取り消しをおこない、出社させて仕事をさせることになります。もし「在宅勤務の許可の取り消し、出社命令」が規定されていないと、出社させる根拠がなくなるとも解釈できてしまい、揉める原因になるためです。

今回は在宅勤務実施で必ず決めておくべき5つのポイントをお伝えしました。ぜひ参考にしてみてください。

*PanKR / PIXTA(ピクスタ)

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