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人事評価 リモートワーク

「私の評価がなぜ低いのか」に答えられますか?テレワークにおける人事評価の3つのポイント

2020.10.19

リモートワークになると、働いている部下の姿が直接見えません。このため多くの管理職が部下の評価に悩みます。ある管理職は部下から「私の評価がなぜ低いのですか?」と聞かれて、うまく回答できなくて困ったそうです。あなたは部下から「私の評価がなぜ低いのですか?」と聞かれて、適切に回答する自信がありますか?

今回はリモートワークにおける人事評価の3つのことをお伝えします。

1.業務を記録する

まずは業務の記録をとることが重要です。記録をしないまま人事評価の時期になったらどうなるでしょうか? 誰が何の業務をやったのかが曖昧になっていたり、分からなかったりすると思います。誰が何をやったのか分からなければ、正当な部下の評価はできないはずです。そのような事態を防ぐために、部下が行った業務を記録しましょう。上司が部下の業務を、自分で記録するのは上司の業務負荷大きいため、部下に報告してもらいましょう。業務日報を書いてもらうことをおすすめします。

業務日報を書いてもらうと、色々なことが見えてきます。普段優秀だと思っている部下は、業務日報を書かせても質・量ともに高い日報を提出してくることが多いでしょう。ですが、そうでないケースもあります。例えば「普段忙しそうにしているけれど、日報にすると業務の質・量ともに低い」、逆に「普段は黙々と仕事をしていて目立たないが、日報にすると業務の質・量ともに高い」というケースがあります。後者の労働者の視点で考えると、普段目立たないという理由で評価が低かったら、不満を持つはずです。

リモートワークでなかった頃は、実際に働いている姿が見えていたから、業務の記録がなくても「なんとなくあいつは遅くまで頑張っている」といった曖昧な根拠でも評価できてしまいました。しかし、リモートワークになり、そのような評価が難しくなります。しっかりと取り組み、公正な評価を行いましょう。

2.同僚の相談や後輩の指導を報告させる

業務日報となると、「A社への提案書作成」「プロジェクトBの企画書作成」などかっこいい業務内容を記載したくなります。逆に、従業員同士の何気ないやり取りなどを業務日報に書くことにためらいを感じることもあるでしょう。リモートワークになると、個人がそれぞれの空間で仕事を進めるため、従業員同士の横の関係が弱くなりがちです。

具体的には、これまで先輩が後輩に対して「〇〇さん、あの話どうなった~?」、後輩が先輩に対して「〇〇さん、ちょっと教えてください」という何気ないやり取りから始まり、そこから話が深まり、価値のある相談や指導になるということが発生しづらくなります。

相談や指導が発生しづらくなるということは、相談や指導の価値が高まるということです。だからこそ、従業員同士のやりとりを業務日報で報告してもらうことが大切だと思います。管理職が部下の業務日報を見て、一人前といえるような従業員の業務日報に指導や相談の記載がない場合、意図的に指導や相談時間を作るように促すべきです。

リモートワークだと、従業員が個人として分断されて、自分の仕事をやっていればいいという感覚になりがちです。分断されることによって、従業員個人の職務内容が明確になることはよいことですが、従業員同士の心の結びつきまで分断されてしまうのは避けなければなりません。業務日報では従業員同士の相談や指導を報告してもらい、少ないようなら意図的に相談や指導を増やし、職場の一体感が失われないようにしましょう。

本題に戻ると、リモートワークにおける人事評価において、従業員同士の相談や指導は価値が高まります。よって、業務日報に相談や指導を頻繁に記載する従業員は高く評価したほうがよいでしょう。

3.自ら部下との時間を作る

リモートワークでは、相手の様子がわかりにくいという問題があります。これにより特に問題になるのが、部下が上司に用事がある時です。本記事を読んでいる方は、経営者や管理職など上の立場の方が多いと思いますが、下の立場の方を想像してみてください。リモートワークで分断されている現状を部下の立場から考えると、上司の忙しさがわからないという問題に直面します。部下はいつ連絡していいかわからないという感情を抱くかもしれません。「いまテレビ電話で呼び出していいのか?」「いま電話したら迷惑にならないか?」など上司から考えれば、不必要な不安を部下は抱えていること可能性があります。

上司の不満の定番は「部下から報告・連絡・相談がない」ですが、筆者はリモートワークになるとこの不満はより大きなものになると考えています。この不満の解決策はさまざまです。先に述べたように業務日報を作ってもらうなど、報告する仕組みを作るのもひとつの方法です。逆に部下の報告を待つよりも、上司が自ら部下との時間を作り、報告を聞きにいくという方法もあります。具体的には、上司の予定に部下との短い面談時間を組み込み、上司から連絡して、「報告することはないか? 困っていることはないか? 相談することはないか?」と聞いて回ったほうが早いという場合もあります。

これは人事評価での不満解消にもつながります。人事評価の不満の定番に「上司はちゃんと私のことをしっかりとみているのか?」というものがあります。リモートワークの場合、現実に姿が見えません。よって「上司は部下のことをちゃんと見ています」というエビデンス(証拠)を意識的に残していく必要があります。そうしないと人事評価の際に不満が噴出する可能性があります。その不満を解消するためにも上司が自ら部下との時間を作るようにしましょう。

本記事ではリモートワークにおける人事評価の3つのことをお伝えしました。皆様のお役に立てれば幸いです。

*jun / PIXTA(ピクスタ)