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TOP > 人事・労務 > 有給休暇を従業員が進んで取りやすくするための3つの工夫【働き方改革】
有給休暇 仕組み

有給休暇を従業員が進んで取りやすくするための3つの工夫【働き方改革】

2020.10.30

働き方改革により、有休(年次有給休暇)を取得させることが、企業経営にとって大きな課題となってきました。

「従業員には年次有給休暇を取得してほしいけれど、なかなかうまく取得できない」「ビジネスモデル上、うちはどうしても年次有給休暇が取得しづらい」など、年次有給休暇を取得させたいと考えているが、なかなか進まないということが多いようです。本記事では年次有給休暇を取得させるコツをお伝えします。

年次有給休暇を多く取得させている会社の絶対的真実

年次有給休暇を取得させるうえでの絶対条件は会社が儲かっていること(生産性が高いこと)です。儲かっていない会社はどうしても年次有給休暇を取得させるのが難しくなります。

儲かっていない会社が年次有給休暇を取得できないパターン1

会社が儲かっていない

従業員の給与水準が低い

人材が集まらず人手不足で年次有給休暇を取得できない

生産性の低い会社が年次有給休暇を取得できないパターン2

会社の生産性が低い

「その日の業務」に追われて業務改革できない

常に忙しく年次有給休暇が取得できない

会社が儲かっている、つまり生産性が高い状態にならないと、年次有給休暇を取得させづらいという絶対的真実があります。逆に儲かってさえいれば“給与水準を上げて人員増強する”という力技で、年次有給休暇の取得は実現可能です。年次有給休暇を取得させるコツや方法はこれからお伝えしますが、コツや方法という表面的なテクニックだけでは、年次有給休暇を取得促進の本質的な問題は解決できないことを、まずご理解ください。

コツ1:年次有給休暇に対するトップメッセージを出す

まずは企業のトップが年次有給休暇の取得に対してトップメッセージを発信しましょう。「年次有給休暇を取得しよう」と現場の直属の上司から言われても、上司とトップの考え方に乖離がある場合などは、信用できないと感じることが多いため、トップメッセージであることが大切です。

年次有給休暇取得を積極的に行っていない企業では、「年次有給休暇を取得しようしたら上司から嫌な顔をされるのではないか?」「実は人事評価でマイナスになるのでは?」など憶測が飛び交います。このような不安を払拭するために、まずは企業トップが年次有給休暇の取得促進と取得に関して不利益がない旨のメッセージを発信しましょう。

トップメッセージを発するだけでは、形骸化する可能性があります。そのため、「部門ごとの年次有給休暇の取得率を算出して発表する」「年次有給休暇の取得が促進できている部署は表彰する」など、年次有給休暇の取得促進にかける本気度を従業員に発信しましょう。

ただ、企業経営は意気込みやきれいごとだけでは、うまくいきません。冒頭お伝えたしたように、年次有給休暇取得は会社の儲けや生産性と密接に関係しており、会社は成果を上げる必要があります。このため、生産性指標などと一緒に発表して、単純に「年次有給休暇の取得しよう!」という話だけでなく、会社の業績を上げるという観点を忘れずに伝えましょう。

コツ2:属人的業務は開き直る!

「この業務はAさんしかできない」という理由で年次有給休暇の取得が進まないことがあります。

まず対策として考えられるものはAさんしかできない業務をBさんやCさんなど他の人でもできるようにすることです。そうすることで、Aさんが年次有給休暇を取得する際には、BさんやCさんがAさんの業務を代わりにやるため会社の業務が止まりません。このためAさんは年次有給休暇を取得できます。これは、属人的業務の排除方法の正攻法です。

一方で、間逆の方法で属人的業務を排除し対処する方法もあります。業務の属人性を逆手にとってそれを会社の売りとすることです。例えば、飲食店でAさんしか調理することができないメニューがあるとします。

正攻法で考えると、Aさんの年次有給休暇取得によって、ある特定のメニューが提供できないという事は避けたいと思います。このためAさんは毎日出社するしかないと考えるでしょう。そこで開き直ってAさんしか調理することのできないメニューを“Aさん出社時の限定メニュー”とするのです。同様に他のスタッフもその人が出社した時しか作ることのない限定メニューを作ります。お客様からすれば、「今日はどのスタッフの限定メニューだろう?」というドキドキ感が味わえます。

「会社が営業時間中は、常に同じサービスを提供し続けなきゃいけない」というのは会社の思い込みかもしれません。働き方改革が進む昨今、今までの常識を捨てるという決断もひとつの選択肢として検討してみてください。

コツ3:年次有給休暇の計画的付与を使う

どうしても年次有給休暇の取得が進まない場合、“年次有給休暇の計画的付与”を使うという方法があります。本来、年次有給休暇とは労働者が自ら取得するものですが、“年次有給休暇の計画的付与”とは、使用者が労働者の年次有給休暇取得日を指定し、取得させるものです。

使用者と労働者の過半数代表者(もしくは過半数加入の労働組合)が労使協定を締結することで、会社が指定した日に労働者に年次有給休暇を取得させことができます。どうしても年次有給休暇の取得が推進しない場合は、この年次有給休暇の計画的付与を使うことを検討してください。

労使協定の作成を避けたい場合、強制力を伴わない取得勧奨という方法もあります。例えば「うちの会社は2ヶ月に1回、年次有給休暇を取得するように促進しています」と社内通達を出します。その上で会社の予定表に2ヶ月に1回の年次有給休暇の取得日を労働者自らの意思で入力させます。

仕事の予定を立てる前に休みの予定を先に立てさせます。年次有給休暇を取得させたい場合、年次有給休暇が時効消滅する直前に取得させようとしても遅いので、普段から一定のペースで消化させることで年次有給休暇の取得率を上げることが可能です。

2019年4月1日の労働基準法の改正によって始まった“年5日の年次有給休暇の取得義務化”によって、年5日に限って使用者が労働者の年次有給休暇の取得日を指定することができます。労働者本人が自ら年次有給休暇を取得するという本来の形とは異なるので、できれば避けたいところですが、年次有給休暇を年5日取得できない場合、法違反となるため、必要であれば会社から年次有給休暇の取得日の指定を行なってください。

本記事では年次有給休暇の取得の3つのコツをお伝えしました。ぜひ参考にしてみてください。本記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

*SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)

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