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人脈の作り方・育て方「何を言ったかよりも“行動”で人間関係を」古賀真さんインタビュー(3)

2020.11.29

「人生は誰と出逢って誰と付き合うかしかない」※と、人と人の繋がりや人脈を大切にして、自分のキャリアを築いてきた古賀真さん。誰もが憧れるようなワークスタイルとライフスタイルを築き上げた古賀さんに、人脈作りや営業の秘訣を伺うインタビューシリーズの第3回です。

前回は、付き合う人を変えるためにやるべきこと、さらに人から信頼を得るための人脈術などを紹介しました。多くの経営者と出会い人脈を築いてきた古賀さんが思う、成功する経営者像、危険な経営者を見分けるポイントとは?

自分の時間を大切にする経営者が成功する理由

――色々な方と出会ってきた古賀さんから見た、成功する中小企業の代表や経営者像は?

古賀:当たり前ですけど、誠実で前向きであること。人を騙してお金を儲けることって可能なんですよ。でも、人を騙してお金を“儲け続ける”ことって不可能だと私は思っていて。マーケティングの手法は色々で、騙しのテクニックみたいなものも入っているんですよね。“売るためにこう見せる”みたいな。そのスキルが一時的に必要なこともあるんでしょうけど、本質的にそればかりやり続けている人って、やっぱり続かないと思っています。

「少人数を長期間騙す」ことや「多くの人を短期間騙す」ことは可能ですけど、多くの人を長期間騙すことは不可能だと思います。綺麗ごとみたいな話になってしまいますが、やっぱり世の中はちゃんとそういう風にできていると思っているので、誠実にやるということは当たり前の前提です。

でも、誠実にさえやっていればみんな成功するわけじゃない、というのもポイントです。やはり誠実さ+αの何かしらが必要。また、経営者という括りで考えると、お人柄がとても重要ですね。その人が持っているものって変えられないんですけど、ナンバー2、ナンバー3とか、近くにいる経営チームがしっかりしていると、外から見ても「しっかりしているな」という感じはあります。

――周りの環境にも表れてくる、と。

古賀:一般的に一番上のボスは、ある程度は親分気質の大らかな人のほうが成功している感じはします。その下にいる番頭さんに厳しい人が付いている。逆のケースはあまり上手くいっていない感じがしますね。ナンバー1とナンバー2の2人はタイプが違わないと絶対にダメだと私は思っています。きっちりやる人同士でも、ゆるゆる同士でも、あまり続かない。

タイプが違う2人が組んでいるケース、よく例に挙げられるのは、本田宗一郎さんと側近だった藤沢武夫さんとか。中小企業であったとしても最初の0から1を“ドンッ!”と行くところは社長1人のマンパワーで行けると思うんですけど、ある程度中長期的に成功するには参謀が必要だと思います。

あとは、言い古されたありきたりな話ですが、当然最初は少人数で起業するので、社長はスーパーマンなんです。なので、自分でやったほうがなんでも早いんですけど、やはり人に仕事を任せられる人が強いです。私がお付き合いさせていただいている方の中には売上1千億円くらいのオーナー社長もいらっしゃいますが、一番多いのは売上が数億~数十億円くらいのオーナー社長なんです。初代の人もいれば、2代目、3代目の人もいて、大体皆さん普段からゴルフしたり視察旅行をしたりと、プラプラされているんですよ(笑)。でもそれってすごく大事で。

会社がある程度の規模になっても、社長がずっと業務に張り付いているというのはやっぱり絶対ダメ。社長の仕事は舵取りであり、先のことを読むこととビジョンを見せること。社外に対しては、多方面にアンテナを張って経営のヒントやさまざまなことを見つけてくる。社内に向けては、リーダーシップを持ってビジョンを見せることが仕事なので、ある程度会社が育ってきたら社長は自分の時間を大切にして自由に過ごしていないといけないと思います。

ずーっと中に張り付いている社長もタイプとしてはいるんですけど、私の成功の定義が、どちらかというと楽しくやっているというところまで含まれるので、ただお金を儲けている、売上や利益が高いという観点だけで言うならいろんな成功例があるんでしょうけど、人生楽しみながらという部分で言うと、社内を空けられる体制を作れていることは大事かな、という気がします。

盲信する“信者”ではなく、人が“居着く”経営者に

――今挙げたような人の逆のタイプの方になると思いますが、苦労するような経営者の例があれば教えてください。

古賀:これは人柄の部分にも通じるのですが、社長であるが故に周りには常に人がいるんですけど、よく観察すると、数年単位くらいで周りの人が入れ替わっている人って結構いるんですよ。常に周りに人がいるので、パッと見は成功者のように見えるんですけど、3~5年とか観察していると、要は人が居着いていない。人が”居着く”というのが重要だなと思いますね。

――人に居着いてもらうためには?

古賀:一貫性とかそういったところでしょうね。例えばTwitterなんかは錯覚資産の最たるものだと思っていて、カッコイイことなどを言うとファンやフォロワーが増える。でも、リアルの社会ではこういう”フォロワー”を獲得してもしょうがないんですよね。そうじゃなくて、前回述べたように、知人じゃなく“人脈”。特にSNSだとフォロワーは容易に信者になりがちなので、本当に危険だなと思っています。経営者の話とは少しズレますけど、信者は何かあると一瞬でパッと手のひらを返してアンチになる可能性を含んでいます。

――でも、信者が守ろうと擁護してくれる場合もあるのでは?

古賀:信者の定義にもよるんですけど、私が危険だと思うのは、盲信する信者です。「この人が言うことは絶対だし、この人に付いていけば間違いない」みたいな。セミナーをやっていても思うことがあるんです。AT-1はなるべくそうならないように気をつけているんですけど、講師の方がカリスマだと、宗教みたいな空気のセミナーも多いんですね。もうその人に救いを求めてしまう、みたいな。そういうセミナーで後半の質問タイムに出る質問は大体、自分の身の上相談になるんです。

質問者が「私はこういう悩みを抱えているんですけど、どうしたらいいですか?」という話。私の場合、セミナーでは「他の参加者が聞きたいかな? 講師やみんなの役に立つかな?」ということを質問するんです。もちろん、みんながみんなここまで考えなくてもいいとは思うんですけど、一般的なことを聞くのではなく「自分が助かりたい」とか「自分がどうしたらいい」みたいな質問が多く出るところは、盲信する信者が多い傾向があるのかな、と最近感じてます。

盲信していくと、擁護もしてくれるので信者に囲まれた教祖様はどんどん裸の王様になっていきます。ファンに周りを固められてしまって、どんどん孤立化していくんですよね。それで何かしらが起きた時、周りがパッと手のひらを返した瞬間にその人には何もない、という状況になっているのをSNSではよく見かけます。

――恐ろしいです……。

古賀:SNSは軽いものですけど、リアルの組織づくりでも似たところはあると思っていて。それは人が居着いているかどうか、なのかなと思いますね。周りの人だけじゃなく、側近がずっと入れ替わっているとか。そういうところは、一見売上が上がっていたり、羽振りが良さそうに見えたりしても、結局継続しないので意味がない。だから人が居着いていないところは良くないと感じますね。

――お付き合いしていく上で1つの目安になりますね。

古賀:私は人を見るときに、“その人が何を言っているか”ではなくて、“何をやっているか”を見ています。口では何とでも言えますけど、行動ってなかなか嘘がつけないので。あとは、その人の周りの人を見る。誰と付き合っているか、どんな人と親しくしていて、どんな付き合い方をしているかですよね。社長の場合はお金で繋がっている人も多かったりするんです。羽振りがいいからとか、奢ってもらえるからとか。そういう付き合い方ばっかりだな、という人には気をつけた方が良いかもしれません。

「お金儲けをしたい」から徐々にシフトチェンジしていく

古賀:あとは、経営者は動機を純粋化していったほうが良いと思っていて。

――動機を純粋化というと?

古賀:起業をするときって、「社会貢献をしたい!」という理由で起業をする人ってあまりいなくて、やっぱり「お金儲けをしたい」とか「異性にモテたい」とか「人から羨ましがられたい」とか、非常に不純な動機であることも多いんです。でも、最初はそれでいいと思うんです。

私なりの哲学の1つに、モチベーションのシフトチェンジという話があるんですけど、いわゆる「私益」のモチベーションがクルマのギアで言うと1速2速なんですよ。それって非常に馬力があるので、0から1を生み出すためにはそういったモチベーションが不可欠なんですね。

一方、感謝とか社会貢献のような「公益」のモチベーションって、ギアで言ったら5速や6速なんです。6速でいきなり発進しようとしても発進しない。逆に1速2速のまま時速100kmとか出すとエンジンが壊れる。ごくまれに例外はいるんですけど、1速2速のままものすごくスピードを出してしまった人って大体壊れるんです。人間関係とか、いろんなものが壊れる。そのモチベーションで行くなら時速は60kmくらいまでしか出しちゃいけないし、100km、200km出そうと思うならなら、やはりシフトチェンジしていかないと壊れます。

だから、元々はお金儲けをしたい、と思っていた人がある程度うまく行って、立場とか色々な付き合いなどの中で動機を不純なものから純粋化していった人たちが上手に成功していっている気がします。

――では、古賀さん自身も自由な働き方を実現されているし、お付き合いされている方もそういった方が多いとおっしゃっていますが、経営者はビジネスとプライベートを切り分けるべきだと思いますか?

古賀:切り分けるべきだとは全く思いません。私自身は経営者ではありませんが、もう10年以上ビジネスとかプライベートという意識をして過ごしたことがなくて。公私の区別など無く、そこには私の人生しかないんですよ。おかげさまで時間もお金もある程度自由な仕事なので言えることではあるんですけど、ビジネスとプライベートを分けていたら経営なんかできないですよ。一社員ではなく、経営するなら、ですけどね。

要は誰と付き合うかなので。私のモットーは「人生は誰と出逢って誰と付き合うかで“決まる”」ではなくて、「人生は誰と出逢って誰と付き合うか“しかない”」※。これはすごく大事にしている哲学です。誰と付き合うか、そういう人たちと付き合っていただける自分にいかになるか、本当にそこだけですね。

――貴重なお話、ありがとうございました。

※「経営ノウハウの泉」の標準的の表記は「出会い」ですが、古賀さんの表記のこだわりから一部「出逢い」としています。ご了承ください。

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