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経営判断をスピードアップできる!クラウド会計ソフト導入ガイド

2020.12.02

事業者は、一年間の儲け(所得)とそれに対する税額を計算して申告をする義務がありますが、そのためには、年間の売上や経費を集計する必要があり、膨大な時間がかかっているのではないでしょうか? また、集計作業が文字通り申告のための“作業”となっていたり苦痛に感じたりするケースも少なくありません。

そこで今回は、このような集計作業をスピーディに行い、迅速な経営判断を後押しする、“会計のクラウド化・自計化”についてご紹介します。

会計帳簿を素早く作れば、迅速な経営判断が可能になる

売上や経費などの集計作業を、数ヶ月分あるいは一年分をまとめて処理していると、数ヶ月前の結果を時間差で確認することになります。

この状況では、「利益が出ているのか? それとも損をしているのか?」「人を増やしていいか?」「資金は足りているのか?」といった経営判断を即座に行えません。その結果、新規事業への参入が遅れたり、資金繰りが苦しくなっていたり……という状況に陥ってしまいます。

事業を継続・拡大していくためには、その時々の“迅速な経営判断”が重要です。

迅速な経営判断をするためには?

経営判断を即座に行うためには、自社の経営状況を“早く”“正確に”把握する以外に方法はありません。それには、リアルタイムな“試算表”の作成が不可欠です。試算表があれば、月毎および累計の損益、資金残高、借入残高などをすぐに確認することができるからです。この試算表の基が日々の“会計帳簿”です。

つまり、スピーディな会計帳簿を作成することでリアルタイムな試算表の作成につながり、その結果“迅速な経営判断”の実現を可能にします。

会計帳簿を素早く作成するには?

会計帳簿を作成するためには会計データの入力が必要です。従来、会計事務所または自社いずれかが処理するにしても、インストール型の会計ソフトに逐一取引を入力していくスタイルが主流でした。しかし昨今は、『MFクラウド会計』『会計freee』に代表されるような“クラウド会計”が主流となりつつあります。

“クラウド会計”というキーワードを耳にする人も多いと思いますが、このクラウド会計を駆使できれば、毎月の経理業務の時間を約2分の1に短縮することができ(※1)、スピーディな会計帳簿の作成が可能になります。

クラウド会計とは

従来型の会計ソフトは、会計ソフトをインストールしたパソコンで会計ソフトを起動し、会計データを入力することで、入力されたデータがそのパソコンに保存される、というものでした。

これに対し、クラウド会計は、インストールの工程が不要で、ウェブブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edge等)を通じて利用するもので、会計データもクラウド上に保存されます。イメージとしては、メールソフトをインストールすることなくメールサービスを利用できるGoogle社の『Gmail』を想像するとわかりやすいと思います。

会計データの自動作成

預金の明細やカードの明細を入力する時間が入力時間の大半をしめているのではないでしょうか?

クラウド会計では、インターネットバンキングやクレジットカードのIDとパスワードを予め登録しておくことで、各社のデータと連携して、クラウド会計上に明細(日付、金額、摘要)を自動で取得できます。

取得した明細については、自動仕訳ルール(例えば「ETCなら旅費交通費」など)を作っておくことにより、会計ソフト側が自動で判定して勘定科目を推測してくれます。内容が合っていれば、あとは経理担当者が登録ボタンを押すだけで完了です。新たな項目で登録した場合は新しいルールとして認識されます。処理すれば処理するほど、ソフトが賢くなり自動認識の確率が上がり処理が楽になります。

預金やカードだけでなく、レジ情報(Airレジ、スマレジ)の取得や各種ICカードなども同様に連携が可能です。

クラウド環境によるデータ保存

従来型の会計ソフトは、パソコンが故障したり紛失したりするとデータが消失するリスクがあったり、そのために外部装置にバックアップを取らなければならないなどデータの運用に手間がかかります。

これに対し、クラウド会計ではデータがクラウド上のサーバーに自動保存されるのでその心配がありません(例えば、スマホが壊れても別のパソコンからGmailが見られることと同じです)。また、パソコンの買い替えの時も面倒なインストールや設定作業が無いため移行がスムーズです。

簿記の知識を意識させない操作感

上記で「経理担当者が登録ボタンを押すだけ」と言いましたが、登録を押すことにより見えない裏側で仕訳が自動的に切られます(例えば「支払手数料/預金」や「旅費交通費/カード未払金」など)。そのため、簿記の知識がない方でも簡単な処理であれば対応できます。これにより、今まで全く会計にはタッチしていなかった経営者でも会計に触れる機会が増えます。

常に最新環境で利用可能

従来型の会計ソフトはインストール型であるため、変更が発生するとその都度バージョンアップ作業が必要になります。これに対し、クラウド会計では、提供会社(マネーフォワード社やfreee社)側で常に最新の会計ソフトにバージョンアップしているため利用者側での作業は不要です。

いつでもどこでも利用可能

従来型の会計ソフトはインストールしているパソコンでないと作業することができません。

これに対し、クラウド会計はウェブブラウザが動く環境であればどこでもアクセスすることができます。そのため、自社のパソコンだけでなく、自宅のパソコンや自身のスマホからもアクセスが可能です。「入力のために」「試算表を印刷したいから」といった理由でわざわざ出社する必要がありません。また、遠方に支店がある場合などもパソコン一台あれば分散して経理処理をすることもできます。

他システムとの連携

例えば、マネーフォワード社の『MFクラウド会計』では、『MFクラウド経費』や『MFクラウド給与』と、freee社の『会計freee』では『人事労務freee』と連携することにより、給与計算業務や経費精算業務での結果を仕訳として会計に登録(未払計上)できます。特に、API連携(ボタン1つで登録可能)ができればかなりスムーズになります。今までバラバラだった業務が一気通貫で繋がることにより、経理業務だけでなくその周辺の業務も効率化されます。

<クラウド会計と従来型会計ソフトの比較表>

クラウド会計の導入効果

リアルタイムでの経営状況の把握

クラウド会計を利用することにより、スピーディな会計帳簿およびリアルタイムな試算表の作成が可能となります。これにより、自社の経営状況をいち早く把握することでき、「設備投資はいつするか?」「採用は何人するか?」「資金繰りは大丈夫か?」といった経営における重大な分岐点でその判断を迅速に行えます。

業務の効率化

前述の通り、クラウド会計を導入することで、さまざまな手間が効率化されます。これにより、今まで経理業務にかけていた時間が大幅に短縮でき、売上に直結するような仕事にその分の時間を充てられます。試算表作成にいくら時間をかけても売上がアップするわけではないので、あくまでも大切なのは、未来のためにかける時間をいかに増やすか、ということです。

会計に対する姿勢の変化、自計化への第一歩

クラウド会計を導入すると、連携作業やデータの登録作業などで会計に触れる機会が増えてきます。ミーティングにおいても、今までの紙の試算表ではなく参加者それぞれがパソコンを持ち寄ってクラウド会計の画面を見ながら話し合う、そういった形態が増えます。

そうすると、会計ソフトに全く興味がなかった場合でも、会計に興味を持つ可能性が出てきます。今まで会計事務所に丸投げしていた会社でも「この部分の処理は当社がやった方がいいな」と、部分的でも「自計化(自社で会計を行うこと)」へ向くことができます。

これがきっかけでクラウド会計による完全自計化を実現できればベストです。いち早く経営状況を把握できるので会社としては大きな武器です。

最後に

誰も将来を正確に予測することはできません。特に、近年は自然災害や、新型コロナウイルスによる経済状況の悪化、ビジネスモデルの変革、勤務形態の変化など、会社を取り巻く環境は予測不可能の連続です。経営者は常に不確実な状況での経営判断を迫られています。

大切なのは予測だけでなくその予測不可能な状況にいかに会社が迅速に対応できるか、ということです。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という有名な言葉があるように、戦うためには現在の自社の経営状況をリアルタイムに把握することが大前提です。迅速な経営判断に貢献できるクラウド会計は今後より一層強力なツールになるでしょう。

※1 2019年9月「マネーフォワード クラウド会計・確定申告のサービス利用に関するアンケート」のインターネット調査結果より

*metamorworks / PIXTA(ピクスタ)