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オフィス縮小・移転の効果とは?メリット・デメリットを一挙解説【事例付き】

2021.04.06

新型コロナウイルス感染症拡大によりテレワークの定着が進み、「あれっ?うちのオフィス、こんなに広かったっけ?」と感じる方もいるのではないでしょうか。

出社する社員が少なくなり、会社経営において最も大きい固定費のひとつであるオフィスの賃料を削減すべく、現在“オフィスの縮小や移転”を考える企業が増えています。

例えば東京都内のオフィス空室率は最初に緊急事態宣言が発令された2020年5月から右肩上がりになり、2021年2月には5%を上回ったとのデータが示されており(※1)、データ上でも都内から移動する事業者の増加がみられます。

昨年、福岡でオフィスを縮小移転された、『株式会社ブレスカンパニー』の坂東孝浩さんは、“組織づくり”をテーマとするブレスカンパニーの代表取締役を務められる傍ら、未来の働き方を追求するメディア「手放す経営ラボラトリー」を運営されています。

そんな坂東さんが、オフィスの縮小移転を通じて何を実感したのか。今回は、実際に縮小移転をされた経営者の視点として、お話を伺わせていただきました。

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——坂東さんは昨年(2020年)11月にオフィスを縮小移転されたとのことで、まずは、どのような移転をされたのかについて教えてください。

坂東:本拠が福岡になるのですが、こちらを退去して“手放し”まして、今は同じ福岡市内のシェアオフィスに入っています。フリースペースなので、会社として専用のスペースはありません。

——後ろにとてもおしゃれなオフィスが見えますが、窓の外は街の中心部のような景色ですね。

坂東:そうなんですよ! 元はアルマーニが入っていたテナントで、とてもおしゃれなシェアオフィスです。

住所も天神の1-1-1です(笑) 隣には市役所もありますね。

——縮小移転をされた経緯について教えてください。もちろんコロナ禍の影響はあったのかとは思いますが…

坂東:はい。昨年の緊急事態宣言の影響で、完全テレワークになりました。最初のうちはそれでも定期的に出社していたのですが、5月になるとほとんど全く出社しなくても何とかなるようになり、そうなると社員から「リアルにオフィスを構える必要はないのでは?」という声が出るようになりました。

私は会社として銀行やお客さまの手前上オフィスがないのはおかしい、といって社員と押し問答していたのですが、6月近くになりオフィスの稼働率5%ほどになってくると、これはもう固定費の無駄だという思いが強くなり、オフィスを手放そうと決めました。

私たちは『手放す経営ラボラトリー』というメディアをやっており、「手放す」と言っている手前、実験的にやってみよう、という側面もありましたね。

決定から退去まで半年の期間があったのですが、その間移転先の候補地として、九州の他県や中小企業への助成金が出る沖縄など検討したのですが、最終的には郵便物の都合で福岡の中で決めることにしました。

——最終的に今のオフィスになった決め手は何だったのでしょうか?

坂東:今のシェアオフィスにしたのは、立地や内装が気に入りまして、メンバーが集まったりお客さんを呼ぶのに居心地のいいオフィスが良いと思い、選びました。

1階で道路に面していて、全部ガラス張りで中もきれいなオフィスでしたので、非常に気に入っています。

——移転に当たって、賃料や光熱費など、費用面での効果はどの程度ありましたか?また、費用面以外で良いと感じた効果はありましたか?

坂東:現在は月の固定費が約10分の1ほどになりました。光熱費も固定電話などもシェアオフィスでは費用が発生しないので、経理処理も非常に楽になりましたね。

お金以外の部分では、オフィスに執着している自分に気付けたのは良かったと思います。実際自分の会社としては明らかに無駄が出ていたのに、オフィスを持つと執着してしまう。

シェアオフィスのほうが無駄がなくて、自社でオフィスを持つ意味は究極的にはなくて、それでもなぜ自社で持つのかというと、いわゆる見栄とか“カッコつけ”の意味が大きかった。「本当にオフィスは必要なのかな?」という点では、しっかり考えることができて良かったと思います。

こうしたことを考えるきっかけとなったという意味で、移転したことは私にとってお金以上に意味がありましたね。

——それでは、移転を経て坂東さんはオフィスという場の意味について、どのように考えるようになりましたか?

坂東:“会う場所”“関係性を深める場所”だと考えるようになりました。仕事をする場所ではなく、集まる場所であり、関係性を深める場所。素敵なカフェや家のダイニングと同じように、コミュニケーションが弾み、リラックスできる場所であることが大事ですね。

業務的なコミュニケーションはオンラインツールでもできますが、双発的な、創造性が高まるコミュニケーションを生み出すことがこれからのオフィスでは重要になってくると思います。

実際、私も社内で“雑談の場を設ける”という点については、非常に気を遣うようになりました。テレワークで社員同士がどんどん会わなくなっていくので、会わないでどれだけ関係性を作れるのか、という点を追求して、そこで会うことをどのようにアクセントとして使うのか。そういったことを考えるようになりました。

——坂東さんは「手放す経営ラボラトリー」のご活動をされるなかで、他社の縮小移転のいいお話などお聞きになることはありましたか?

坂東:ありました。面白い事例ではITの企業さんで、全国にある社員の自宅をオフィス化した会社さんがありました。

オフィスに使っていた固定費を社員に分配して、自宅の一部をオフィスのようにしてもらえば、社員が出張したときなんかにその土地の同僚の家に泊まることができて、例えば1週間同僚の家に住みながらワーケーションみたいにして、それで同僚同士が仲良くなれる。このようなお話を聞きました。

——すごい事例ですね! では、一般的な企業を考えたとき、縮小移転のメリットやデメリット、あるいはリスクなどはどういったものになると思われますか?

坂東:メリットとしては、やはり固定費の削減はありますね。デメリットやリスクとしては、“余白が無くなる”という面はあるのではないでしょうか。例えば給湯室や喫煙室などのたまり場がなくなって雑談が少なくなったり、そういった“遊び”とも言える部分がなくなって関係性が深めづらくなる、という面ですね。

残業削減なんかの事例でもよく聞かれますが、時間的なムダが無くなることで社員のコミュニケーションが減って社内の一体感が損なわれる、という例もあります。スペースについても同じで、ムダによってプラスを生んでいた効果がなくなるということはハンデやリスクになりうると思います。

——ありがとうございます。最後に、これまで教えていただいたメリットやデメリットなどを踏まえて、これからのオフィスはどのように変わっていくと思われますか?

坂東:これからは、会社にとって何のためにオフィスが必要になるのか、その意味について考えるべき、となっていくと思います。

オフィスはメッセージであると考えると、きれいなオフィスにすれば「社員に気持ちよく働いてほしいんだ」というメッセ-ジになり、逆に汚ければ「社員のための環境にコストを割く気がないんだな」というメッセージにもなりえます。これはお客さんや銀行の方、新卒の学生さんなどに対しても同じです。

そういう意味では、例えば新卒採用をする場合は、私たちのようにオフィスを持たないことが不利な要素になりうるとは思います。どこに構えてどのような規模にするかなどのあらゆるオフィスのデザインはすべてメッセージになりますので、会社のメッセージの伝わりやすさとしては全然違ってくるのではないでしょうか。

——すばらしいお話をありがとうございました!

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まとめ

1.縮小移転によるメリット

①固定費削減

坂東さんの事例(自社オフィスからシェアオフィス)では、固定費が約10分の1に削減

②オフィスを持つ意義を考え直せる

坂東さんの事例では、“自社オフィスを構えることに執着する自分に気づくことができ、そして、自分たちにとって、オフィスを持つ意義・どういったオフィスを持つべきかを考えることができた。

2.縮小移転によるデメリット・リスク

①余白的なスペースが無くなるデメリット

“ムダ”なスペースが支えていた社内コミュニケーションが失われる分、それを埋めるための仕組みを考える必要がある。

②オフィスが発するメッセージが変わるリスク

自社オフィスは立地や内装、内部のメンテナンスなど、全てが関係する人たちへのメッセージになりうる。

移転をする際には、今まで自社オフィスが伝えてきたメッセージが「誰に対して」「どのように」変わるのか、それがデメリットになるなら代わりに何をすべきなのか、考える必要がある。

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最後に

オフィスの縮小移転というと費用や利便性の部分に目が行きがちですが、今回の坂東さんのお話の中では「オフィスの意味」や「オフィスが伝えるメッセージ」といった、さらに根幹の部分についてメリット・デメリットとして挙げていただきました。

もしこの記事を読まれた経営者の方で、まだ具体的に移転について検討していなかったとしても、

「なぜ今のオフィスなのか?」

「今のオフィスは社員に/取引先に/求職者に/金融機関に、どのようなメッセージを与えているのか?」

と考えてみることで、移転を含めた様々な選択肢の中から、オフィスを改善するきっかけとなるのではないでしょうか。

【注釈】
※1 2021年2月時点オフィス仲介大手「三鬼商事」調べ

*momo / PIXTA(ピクスタ)

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