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36協定 新様式 押印廃止

2021年4月より新しくなった36協定届を確認!「押印廃止」「新様式」への対応ポイント

2021.05.20

従業員に残業をさせる場合、法令に則った手続きを事前に実施しておかなければなりません。この手続きを怠ると、たとえ残業代をきちんと支払っていたとしても法令違反となります。

また、そもそも労働基準法32条では、原則として1日8時間あるいは1週間で40時間を超える労働を禁止しています。

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

しかし、会社と労働者の過半数労働組合(または労働者の過半数代表者)が、書面による協定を結び、それを管轄の労働基準監督署に届け出た場合には残業を行わせることができます。この協定のことを一般に『36協定(サブロク協定)』といいます。労働基準法36条の規定に則って作成される協定であるため、このように呼ばれています。

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36協定で定める事項

ところで36協定では何を定めればよいのでしょう。簡単にいってしまえば、残業時間と休日労働の上限を定めます。具体的には、1日、1ヶ月、1年のそれぞれの残業の上限時間を定めることになります。

ここでいう残業時間とは、法定労働時間を超えた時間、すなわち原則として1日8時間あるいは1週間で40時間を超えた時間となります。

※ 変形労働時間制を採用している場合には、残業時間のカウント方法が異なります
※ フレックスタイム制を導入している場合には、1日の上限時間を定める必要はありません

また、残業と休日労働を合算した時間数は1ヶ月100時間未満でなければならず、2~6ヶ月のそれぞれの平均が80時間以下でなければなりません。

休日労働については、休日労働させる上限日数と休日労働の始業・終業時刻を定めることになっています。“休日労働”とは労働基準法35条に定められた法定休日に対する労働をいいます。

労働基準法35条では、原則として「一週間に一日の休日を与えなければならない」とされていますので、1週間に1度も休日を与えなかった場合に休日労働となります。例えば土・日の週休2日の会社の場合、土曜日に働いたとしても日曜日に休みが与えられていれば、休日労働は発生していないことになります。

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残業時間の上限について

残業時間は36協定を結べば何時間でも構わないのでしょうか。実は労働基準法で1ヶ月45時間、1年360時間という上限が定められています。

※ 1年単位の変形労働時間制の場合には、1ヶ月42時間、1年320時間が上限となります

一方でこの上限も、建設事業、自動車運転業務、医師、鹿児島・沖縄の砂糖製造業については、2024年3月31日まで適用が猶予されています。これらの事業・業務については、2024年3月31日までは残業時間の上限なく、労使協定で定めた時間の残業を行わせることができます。青天井ということです。

ただし法律上の上限がないといっても36協定を結ぶ必要はあり、その協定で定めた時間が上限時間になります。

この適用猶予で注意していただきたいのが、建設に関しては建設事業が適用を猶予されているので、建設事業所で働く現場作業員はもちろんのこと、その事業所の事務員や設計士、建設現場の交通誘導員も適用を猶予されます。

しかし自動車運転業務とはいわゆるドライバーのことであり、ドライバーのみが適用猶予となります。従って、運送会社やタクシー会社等では、ドライバーについては残業時間の法律上の上限なく労使協定で定めた時間まで残業させることができますが、その会社で働く事務員、整備士、運行管理者等については、1ヶ月45時間、1年360時間の上限の中で協定を結び、残業を行うことになります。

特別条項を結べば残業時間の上限が変わる

適用猶予の事業・業務以外にも1ヶ月45時間、1年360時間の残業では足りないということもあるでしょう。そのような場合“特別条項”を結ぶことで、先ほどの上限を超えて残業を行わせることが可能となります。

ただし、特別条項を結ぶ場合には厳しい条件が付きます。

まず残業の上限時間ですが、1ヶ月100時間未満、1年720時間以下となります。しかし、1ヶ月45時間を超える残業を行わせることができるのは、年6回(6ヶ月)までとなります。

さらに、1ヶ月45時間または1年360時間を超える残業を行わせる場合にどういった手続きを踏むか定めておかなければなりません。例えば“労働者代表者に対する事前の申し入れ”等の手続きを定めます。

また、長時間労働を強いられることになる労働者への健康確保措置を定めなければなりません。”一定時間を超えた場合には、医師による面接指導を実施する”だとか、“健康相談窓口を設ける”等の措置が必要です。

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押印廃止で注意すべきこと

近年では行政改革の一環として、届け出書類の押印廃止が進んでいます。36協定届についても、2021年4月1日から押印が廃止されます。

しかしここで注意しなければならないのが、36協定“届”の押印が廃止されるということです。

労働基準法では、残業や休日労働を行わせる場合には会社と労働者の過半数労働組合(または労働者の過半数代表者)との間で、書面による協定を結ばなければならないことになっています。その協定の内容を書き写したものが36協定届とされ、この36協定届を労働基準監督署に届け出ることになっています。

ただし、この36協定届に労使が共に記名押印または署名をしていた場合には、この36協定届が36協定書を兼ねる、すなわち、有効な協定書としての効力を持つとされているのです。

従って、押印廃止だからといって協定届に押印がない場合、別途有効な協定書が存在している必要があり、その有効な協定書がなければいくら協定届を届け出ていたとしても、残業や休日労働を行わせることができないことになります。

そのため、実務的には今まで通り、労使ともに協定届に押印しておくことで、協定届を協定書としても有効であるものにしておいたほうがよいでしょう。

36協定の新様式について注意すべきこと

最後にもうひとつ注意点を述べておきます。

2021年4月1日以降に労働基準監督署に届け出る36協定届は様式が変更されています。変更箇所は労働者代表者の選出についてです。今までは労働者の過半数代表者の選出方法を記載するだけでした。

新様式では、それに加え協定の当事者である労働者代表者が適切に選出されていること、その代表者が管理監督者でないこと、代表者選出が民主的な方法で行われたことを労使で確認しなければなりません。

実際には36協定届にチェックボックスが設けられましたので、そこにチェックを入れることになります。このチェックを忘れると協定届の要件を満たさないため返し戻されることになります。

必ず、労使で確認しチェックを入れるようにしてください。

【参考】
36協定届が新しくなります – 厚生労働省
時間外労働の上限規制 わかりやすい解説 – 厚生労働省
「時間外労働の上限規制」への準備はお済みですか? – 中小企業庁

*wutzkoh / PIXTA(ピクスタ)

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