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なぜ辞める?離職率の計算方法と人材流出を防ぐ「リテンション施策」とは

なぜ辞める?離職率の計算方法と人材流出を防ぐ「リテンション施策」とは

企業にとって重要な3つの経営資源“ヒト・モノ・カネ”のうち、“ヒト=人材”に悩まされている経営者の方も多いのではないでしょうか。

「苦労して採用し、育成した若手が数年で辞めてしまった」
「優秀な社員ほどなぜか辞めてしまう」

そんなお話を耳にします。人材は、人財と呼ばれることもあり“モノ・カネ”とは違う生身の人々で構成されている以上、それぞれの意志や感情が大きく関わってくるものです。

また、終身雇用の時代が終わったことで、一つの企業に留まり続けることや一つの会社での仕事だけで生きていくことがスタンダードな考え方ではなくなってきているかもしれません。

経営者にとっては、優秀な人材に自社で働き続けてもらうことがますます難しくなってきている中で、人材の流出を防止する“リテンション施策”が注目を浴びています。

今回は、そもそもの離職についての考え方や、またそれを防止するリテンション施策をご紹介します。

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「離職率」とは?離職率の計算方法

離職率とは、何を指すかご存じですか? 知っているようで、意外と答えに詰まってしまう方もいるかもしれません。実は“離職”という言葉も、離職率の計算方法も、明確に法律で定義はされていません。

一般的に離職率とは“一定期間を定め、その期間内にどれだけの社員が離職したか?”を示した率とされていますが、“一定期間”の基準がないので、その期間の設け方は企業によってさまざまです。

求人票などでよく使われている離職率の例を見てみましょう。

(例1)

「新卒社員が3年以内に離職した割合」で考える場合。

従業員数300名の企業で2018年4月は30名の新卒を採用した。

しかし2020年3月末(3年以内)までに15名が退職した。

15名÷30名×100=50%

(例2)

「年度初めから1年間の離職者数÷年初の従業員数×100」で考える場合。

300名の企業で、年度初めまでに1年間で40名が退職した。従業員数が260名となった場合。※当期間に新たに採用した人数は除く。

40名÷260名×100=約15%

上記で分かるように、どの期間で区切るかによって実は離職率の見え方が変わります。そのため、離職率は、一概に高い、低いといった感想で終えず、期間や退職した層に着目しながら分析に使うことをおすすめします。

例えば、次のように整理すると、数字から“なぜ辞めてしまったのか”“どうすれば離職を防げたのか”考察していくことができます。

・新卒の3年以内の離職率が高い(特に最初1年以内に辞めてしまう)=最初の研修内容、メンター社員との相性などに問題があり?

これは1年経った時点と3年経った時点、両方で下記計算をしてみると見えてくるかと思います。

離職率=新卒の離職人数÷新卒の従業員数×100

・エース社員の離職率が高い=面接時に伝えた内容と業務内容にギャップが生まれていないか?給料に不満?

これは年度別(毎年)の離職率を出した後に、離職者の内訳の表を作ると見える化しやすいでしょう。

(例)

※優秀社員と一般社員の定義はそれぞれの会社で決めている人事評価を参考にしてください

「リテンション施策」を駆使して人材の流出を防ぐ

厚生労働省の『平成30年若年層雇用実態調査』によると、若年労働者の定着のために実施している対策がある企業が70.5%と、多くの企業がリテンション施策を実施しています。

なぜ、多くの企業がリテンション(=人材の流出防止、引き留め)に力を入れているのでしょうか。それは人が辞めたときに発生するコストの大きさにあります。

人が辞めたら後任を雇えばいいという単純な話ではないのです。採用にかかる求人費、人材紹介会社への紹介料、その後の面接やOJTなどの現場社員の時間コストなど一説には離職コストは数百万~千万単位になるといわれています。だからこそ、自社の社員の本音を理解し、策を打っていきたいですね。

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非金銭的報酬の方が有効?効果的なリテンション施策とは

エン・ジャパン『エン 人事のミカタ』のアンケート調査によると、リテンションに効果的だと感じた施策の上位5つは以下の通り。

1位:社内コミュニケーションの活性化
2位:待遇改善
3位:能力開発・教育制度
4位:キャリアプランの提示
5位:人事考課・目標管理の改善

こう見ると、“給与を上げる”というような分かりやすい金銭的報酬よりも“気持ち”に寄り添った非金銭的報酬の方が効果的に感じませんか?

1位の社内コミュニケーションの活性化の例は、1on1の実施、メンターとのランチ、社内SNSの作成・活性化、社内ブログ、社内部活動などの取り組みなどがあります。

2位の待遇改善、4位のキャリアプランの提示では、「副業兼業を認める・推進する」、「育児、介護などで環境が変わる社員へ新しい働き方の選択ができる」など、「この会社にいるからできない、諦めなくてはいけない」といった懸念を潰す施策がいいでしょう。

サイボウズ株式会社は、ワークライフバランスに着目したリテンション施策によって、離職率28%から4%まで減らすことに成功しました。各会社の成功事例から学べることは多いでしょう。

社員の体験価値強化が重要

ここで新たな視点としてご紹介したいのが、“Employee Experience(社員体験価値)”。直訳すると“社員の経験”であり、社員が企業や組織の中で体験する経験価値を意味します。リテンション施策として効果的な取り組みやサイボウズ株式会社の例などは、すべて社員体験価値を高める施策でもあります。

定着率を上げる施策の一つとして入社初日に新入社員をウェルカムランチに連れていくことがありますが、それだけ初めての職場における一日の経験をどう演出するかによって、その後の組織への愛着度やメンバーとのつながり意識が変化するのです。

組織として考えれば、社員入社後、新しくお客様を担当したり、新しい業務を任されたり、研修に参加したり、外部の場に出たり、家庭の事情で働き方を変えるタイミングがきたり……というすべての“機会”を、経験価値として強化しなければならないのです。

そのためには、内的動機(心の火種)が刺激される(やりがいを感じる・ワクワクする・幸せな気持ちになるなど)のはどのようなときなのかを考え、それらを刺激する機会・場を演出していくことが必要です。

経験価値を強化することで、組織内の心理的安全性が高まっていきます。心理的安全性の高まりは、積極性や主体性を後押しし、パフォーマンスにも好影響をもたらします。そして、チーム全体の生産性や定着率の向上に結びつくでしょう。

自社に合った施策か見極めを

最後に、世の中にリテンション施策の事例は数多くありますが、“自社に合った施策をやる”、“なんとなくやらない”、“可視化し観測すること”を注意点として挙げたいです。

非金銭的報酬、つまり気持ちに寄り添った人事施策は、意識しないと可視化し観測することが難しいです。離職率、面談から上がってきた声、社内アンケートなど定量、定性的な情報を総合的に把握していく必要があります。現在は、そういった社内の声を拾い上げて分析するフィードバックサービスや、社員のモチベーションを分析しマネジメントに活かすツールもあるので、適宜活用しながら有効なリテンション施策を行ってください。

 

コロナ禍によるテレワーク導入もあり、ますます今まで雰囲気や非言語的コミュニケーションで感じていたものが見えにくくなっています。

リテンション施策は、他社の真似だけでは上手くいきません。各社それぞれのリテンション施策を見つけていく必要があります。本当の離職原因、社員の悩みが分からないと対策の打ちようがない……と思うかもしれませんが、改善しようとさまざまな変化を起こしてみる気持ちがあれば現場にも伝わるはずです。

人件費というコスト観点での見方だけではなく、“人材=人財”という考え方を忘れず、自社の社員を信頼して本音で会話していくことからはじめてみてはいかがでしょうか。

【参考】
平成30年若年者雇用実態調査 / 厚生労働省
人事担当者向け 中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』アンケート(2016) / エン・ジャパン

【画像】
*xiangtao / PIXTA(ピクスタ)

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