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問題社員はどう対処すればいい?トラブル回避法と過去の事例を一挙紹介

問題社員はどう対処すればいい?トラブル回避法と過去の事例を一挙紹介

2021.06.28

さまざまな人で構成される企業には、経営者が頭を抱えてしまう問題社員が存在することがあります。

問題社員は、採用面接のときから問題を起こしていたのでしょうか。明らかにこの人は問題社員だ、という人は企業も採用しないでしょう。日々の業務の中で、モンスター化して問題社員になっていくケースがほとんどではないでしょうか。

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どこから対応すべき?問題社員に多い行動チェックリスト

本稿において問題社員とは、権利意識が強く、仕事をしない社員を指します。ではどんな行動をする場合が多いのでしょうか?

・遅刻や欠勤を繰り返す人
・仕事はしないのに、権利ばかり主張する人
・職場での協調性がなく、マイペースすぎ、会社の風土を乱す人
・ダラダラ残業、生活残業、付き合い残業が多い人
・セクハラ、パワハラを連発する人
・退職時に、あまりに長期の有給休暇を請求する人
・社内、社外で会社の批判ばかりする人
・私用メールや私用インターネットばかりしている人
・始末書、欠勤届などの書類の提出を拒む人
・会社の金銭や備品を持ち出す人
・顧客情報や企業機密を持ち出す人

問題社員を生まないために

そもそも問題社員を発生させないためには、入口の面接は一番大切です。問題社員になりえる可能性がないか判断するために、他方面からの質問やアンケートの活用、2人以上の面接官をおくなど、細心の注意を払ってください。ちなみに筆者の事務所では、面接の他に『エニアグラム診断』を使ったオリジナル適性検査を実施しています。

そのほかにも

・就業規則、雇用契約などの書類整備を行うこと
・日頃から、社員教育を行い、企業の方針を示すこと
・社員間のコミュニケーションの風通しがよくなるよう工夫すること
・社員と一緒に成長するという風土をつくること
・社員の定着率を引き上げること
・ES(エンプロイー サティスファクション、従業員満足度)を上げること

が、重要です。

日本の人事制度には、年功序列や終身雇用が根強く残っており、実力主義やジョブ型雇用は未成熟です。特に中小企業ではその傾向が顕著です。企業は能力が著しく低い社員や問題を起こす社員に対して、解雇ではなく教育指導や配置転換をして社員の活用が求められます。

問題社員のタイプ別事例と対処法

問題社員には、どのようなタイプが存在するのでしょうか。具体的に見ていき、対処法を検討していきます。

(1)親依存タイプ

■事例
Aさんは、とにかく万事につけ、親に相談の上、決定し行動するタイプです。休日出勤をお願いすると、Aさんの回答は「親に聞いてから決めます」とのことでした。結局Aさんの親は、そこまでAさんが働く必要がないとの判断で、休日労働は拒否となりました。別の日、Aさんの祖父が亡くなられたとのことで、連続9日間の休暇を取得しました。Aさんの母親はAさんの祖父が亡くなられたことで深く悲しみ、母親に付き添いたいとの理由でAさんは長期休暇に至りました。

■対処法
この会社の慶弔休暇制度では、別居の祖父の場合、1日の慶弔休暇と規定されています。Aさんに対しては、会社のルール(36協定や就業規則)をやさしく丁寧に説明して、規律を乱していることをわかっていただく必要があります。Aさんのタイプは、常に受け身で消極的な人が多いと考えられます。社員により能動的に、積極的に行動して仕事をしてもらうためには本人による自己決定の機会を増やすことをおすすめします。会社内でやりたいことをともに見つけ、より積極的に取り組むよう指導してみましょう。

(2)自己中心「俺のルール」タイプ

■事例
Bさんは、頭の回転も速く作業効率もよいのですが、すべて“俺のルール”で行動します。例えば、新たな業務をお願いすると、「これは、私の業務ではありません」ときっぱり拒絶します。経費も躊躇することなく、どんどん使っていきます。いわゆる協調性のない人です。プライドも高いため扱い難く、周囲も疲弊していきます。

■対処法
Bさんのタイプは、ルーチンワークや単純作業を嫌がる傾向があります。このような仕事では成長できない、と納得できない点があるのかもしれません。しかし、どんな仕事も定型反復作業の繰り返しで、わずか数%が問題解決・創造業務という自己実現できる場です。日々の基本ルーチンや職場生活を完璧にこなしてこそ、社会人として活躍する道であることを諭す必要があります。その上で、Bさんが活躍できる場所が会社にあるのかどうか検討してみましょう。

(3)権利平等主張タイプ

■事例
Cさんは、口癖は、「おかしい」「損している」です。「昇給額・賞与額がこれだけなのは、おかしい、損している」と吹聴し、周囲を洗脳していきます。Cさんは自身が得をしていることには無言ですが、少しでも損をしているもしくは、不平等と感じた時には、声を大にして騒ぎ立てます。

■対処法
Cさんのタイプは、愚痴や文句が多いタイプです。言ってはいけないことを言ってしまうのは、Cさんにその後どのような事態に陥るか予測していないからに他なりません。「言っていいこと、悪いこと」をはっきりと伝え、場所をわきまえる言動を促しましょう。また、会社はCさんとの個別雇用契約を大切にしている立場を明確にするとよいでしょう。

いずれのタイプにおいても、実際に問題行動が起きた場合は、

・問題となった行動の記録を具体的に残すこと
・問題行動に対して、指導を行い、その指導内容を記録すること
・反省文を書かせて問題行動の事実を相互確認すること

が重要です。

企業が社員に対して、「より多く働け。少しも休むな。会社の命令は絶対命令だ」という接し方をしていると、相互不信が強くなり、問題行動が増長する可能性が高くなるので注意しましょう。

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問題社員を退職させることはできるのか?

「こんな問題社員は、やめてもらいたい。解雇予告手当を支払えばよいでしょう」と考える経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一度採用した社員の解雇は、なかなかできないのです。労働契約法第16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とあります。

解雇の理由に正当性があるかどうかは、解雇予告手当を支払ったこととは関係なく、どうして解雇したのか、解雇以外の方法がなかったのかという点が重要です。できるだけ、合意退職で雇用契約を終了することが、一番の解決方法です。

就業規則の項目に“懲戒”という項目がありますが、訓戒→減給→出勤停止→諭旨解雇→懲戒解雇と段階を踏んでいます。

懲戒解雇は、今すぐに会社から排除しないとやむを得ない状態である場合で、一番重い制裁になります。諭旨解雇は、懲戒処分の1つで、懲戒処分の次の重い処分です。会社が社員に退職を勧告した上で、退職届を提出してもらい、解雇するという手続きになります。状況によっては、自己都合手続きになります。

そのほかにも懲戒処分ではなく“肩たたき”といわれる退職手続き、退職勧奨があります。懲戒事由がない場合で、会社としては退職して欲しいケースです。退職勧奨に基づいて退職した場合の雇用契約の終了原因は、法律上、合意解約といわれます。

以前、下記のような事案がありました。

社長が問題社員に対して業務上の注意を行い、今後、行動を改めるように言うと、その問題社員は「それは、辞めろということですか」と攻撃的になってきました。「いや、態度を改めて、これからは真面目に働いてください」と、その社員を信じて一度は話を終わりました。その後も、問題行動が続いた後、解雇の手続きを取りました。

ここで重要なのは、面談をするときに退職していただく方がよい社員かどうかを“決めておくこと”です。退職すべき社員である場合、退職の意思表示があったら、すぐに退職届けを提出してもらい自己都合退職で手続きを終了することが最善の解決策です。その際、訴訟などに発展する可能性もあるので、事実関係は残しておきましょう。逆にとらえると、問題社員も自分に有利なように事実関係を保存している可能性があります。面談時の録音などです。

不当解雇になるケースは?

不当解雇とは、労働基準法や労働契約法等の法律や就業規則を遵守せずに、事業主の都合で一方的に解雇することをいいます。

具体的な例としては、

・労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とした解雇
・業務上の負傷や疾病のための療養期間およびその後30日間、ならびに産前産後休暇の期間およびその後30日間の解雇
・労働基準法やそれに基づく命令違反を申告した労働者に対する、それを理由にした解雇などです。

その他、勤務成績や勤務態度の不良、職務能力の欠如などを理由として解雇に至る事例は多いです。しかし、その事実があったからといって、直ちに解雇が正当となるものではありません。注意や指導、教育などが十分に行われたにもかかわらず、改善されない、改善の見込みがないと判断される等、平均的な水準に達していないというだけでなく、著しく労働能力が劣りかつ向上の見込みがない場合でなければ解雇無効になり、不当解雇になってしまいます。客観的事実の把握は必須条件です。

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違法性の基準は?リストラするときの注意点

新型コロナウイルス感染症の影響で経営状況悪化により、企業によってはリストラを検討されることもあるでしょう。リストラとは、リストラクチャリングの略語であり、会社側が経営上の理由、経済上の事由により人員削減を行うことで、解雇以外に、転籍、賃金カット、減給、降格などを含む場合もあります。

ここでは、整理解雇の留意点を示しておきます。整理解雇とは、“企業経営の合理化、または整備にともなって生じる余剰人員を整理するために行われる解雇”のことです。

判例では、整理解雇の違法性を判断する4つ基準があります。

(1)業務上の必要性(客観的に人員整理を業務上の必要性があるか)
(2)整理解雇回避義務(使用者による整理解雇回避の努力がなされたか)
(3)整理解雇基準の合理性(整理解雇基準に合理性があるか)
(4)労働者等との協議(労働者と誠意をもって協議したか)

これが、整理解雇の4要件と言われ、その整理解雇が解雇権濫用にあたるかどうかを判断する要素になります。

 

デール・カーネギー著の『人を動かす』の最初に書いてあることが、「盗人にも五分の理を認める」です。筆者が問題社員と数え切れないほど面談し、「自分は悪くない、会社や社会が悪い」ということを延々と繰り返されることを経験しました。解雇=人格否定と考える人もいます。誰しもが仕事が人生のすべてではないにしても、解雇はその生きることの否定と捉える人もいるのです。

問題社員や解雇者を出さず企業が成長していくためには、グッドコミュニケーションに尽きると考えます。AIがどれだけ進歩しても、経営者にとって最大の投資が人への投資であることを忘れず、事業構築をおすすめいたします。

* Greyscale / PIXTA(ピクスタ)

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