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労使協定とは?「就業規則」や「労働協約」との違いを社労士が徹底解説

労使協定とは?「就業規則」や「労働協約」との違いを社労士が徹底解説

2021.07.05

会社と社員は企業活動を行う場合、守らなければならない約束事があります。約束事を明文化したものが“就業規則”、“労働協約”、“労使協定”、“雇用契約書”です。

これらの決まりごとは、国の労働基準法など関係法令に準拠する必要があります。今回はこれらの“約束事”について、それぞれの制度の違いをご紹介します。

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どちらが優先?就業規則と労働協約の違い

常時10人以上の労働者を使用している事業所では、就業規則を会社が作成し、労働者の過半数を代表する者などの意見書を添えて労働基準監督署長に届け出なければなりません。

また、就業規則は使用者が一方的に作成するのに対して、労働協約は使用者と労働組合が対等の立場で取り決めます。労働基準法第92条により、労働協約に違反する就業規則や労働契約は、その部分が無効になります。

就業規則と労働協約の各法令の優先順位は、下記のようになっています。

強制法規(法令)>労働協約>就業規則>雇用契約

つまり、雇用契約でパートタイマ―の賃金を時給1,200円で合意していたとしても、就業規則上で時給1,400円と決めていた場合、1,400円が優先されます。もちろん、パートタイマ―の賃金を時給600円で同意しても、最低賃金法で964円と定められている場合、964円以上で決定する必要があります。

労使協定は就業規則を補完する

会社は、労働基準法などの法令を基に就業規則を作成します。しかし、労働基準法を基にした規則にも限界があるため、例外的な規則を“労使協定”として締結します。労使協定は、就業規則の補完的な役割を果たし、法的義務の免除や免罰的効果があります。

では、どのような労使協定があるのでしょうか?

届出が必要な労使協定

・労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合の労使協定
・1か月単位の変形労働時間制に関する労使協定(就業規則に定めている場合、届出は不要)
・1年単位変形労働時間制の労使協定
・1週間単位の非定型的変形労働時間制の労使協定
・時間外、休日労働に関する労使協定
・事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定
・専門業務型裁量労働制に関する労使協定

届出が不要な労使協定

・賃金から法定控除以外に控除する場合の労使協定
・フレックスタイム制の労使協定
・休憩の一斉付与の除外に関する労使協定
・年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定・・・など

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違反時の罰則は?知っておきたい労使協定「36協定」とは

時間外、休日労働に関する労使協定は、36(さぶろく)協定とも呼ばれます。時間外または休日に労働させる場合には、労働者の過半数を代表する者などと事前に36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出する必要があります。

労働基準法の法定労働時間「1日8時間、1週40時間」を超えて時間外労働や休日労働をさせる場合は、あらかじめ36協定の締結が必要です。協定する項目は、1日、1か月、1年のそれぞれの期間における、労働時間を延長できる時間または労働させられる休日の日数です。延長できる労働時間の範囲は、限度時間によって決められています。限度時間の上限は、原則として月45時間、年360時間です。

ただし、臨時的な特別の事情があって、労使が合意し、特別条項付きの36協定を締結すると、特別条項による法律による上限までは残業をさせることができます。

特別条項による法律による上限は、次の通りです。

・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計の2~6か月平均が80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えられるのは年6回が限度

2019年の働き方改革関連法改正により、上記に違反すると、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が明記されました。

繁閑期がある企業は「変形労働時間制」を

36協定とは異なる制度もあります。就業規則では、労働基準法の前提条件である「1日8時間、週40時間」の法定労働時間は、年間どこの週をとってもこれ以内でなければいけません。年平均で35時間であっても、特定の週が45時間の場合は、法定労働時間を満たしているとはいえず、変形労働時間制を採用することになります。

では、どのような業態・業種に、どの変形労働時間制に適しているのでしょうか。

・1か月単位変形労働時間制の労使協定
月の始め、月末、特定週等に業務が忙しい場合。飲食業、医療業など。
・1年単位の変形労働時間制の労使協定
特定の季節、特定の月などに業務が忙しい場合。製造業、卸売業など。
・1週間単位の非定型的変形労働時間制の労使協定
業務の繁閑が直前でないと不明の場合。小売業、旅館、飲食店のうち、規模30人未満の事業場に限定。
・フレックスタイム制による労使協定
始業・終業の時刻を労働者に自由に選択させることができる場合。研究開発職、情報開発職など。

その他、“事業場外のみなし労働時間制”の締結により、労働者が事業場外で労働し、労働時間の算定し難い場合には、所定労働時間労働したものとみなすことができます。

上記の労使協定により、会社は業務の繁閑に応じた弾力的な時間配分が可能になります。働き方改革により、長時間労働の規制が求められるなか、より計画的な労使協定の締結が求められていると考えます。

 

労働組合がある企業で団体交渉が行われる場合、組合員の要求事項を聞き入れ、それを代表して執行委員会で提案し、要求書を作成し団体交渉に臨むことになります。団体交渉の結果、労働協約が締結されることになり、時間と根気を要します。

労使協定は、会社と従業員との約束事を文書化したものです。ルール決定、変更には、よく検討を行わなければなりません。原則、1年の期限で、毎年締結することが多いですが、労働者の意見に耳を傾けることや働き方改革など時流に沿うなども必要です。その作成・締結には、時間の余裕を持って進めなければなりません。

* 【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)

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