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IT導入

コストや効果が不安!従業員は使いこなせる?中小企業のお悩み別「IT導入のポイント」を解説

2021.08.10

ITシステムの導入によって、さまざまな業務の効率化が可能です。しかし中小企業にとっては、気軽にIT導入を推進するのもなかなか難儀なものです。IT導入に際して高いハードルを感じていたり、そもそも何をどうしたらいいのかという悩みを抱える経営者も少なくないでしょう。

そんな中小企業の経営者の方に向けて、中小企業が抱えがちなお悩みに沿って、IT導入のポイントを解説していきましょう。

中小企業でIT導入が難しい理由

多くの中小企業は、IT化の重要性を理解していると思われます。しかしながら、さまざまな理由で導入に二の足を踏むケースがあります。

『2018年版中小企業白書』によると、中小企業がITの導入・利用を進めようとする際の課題として、次のような理由が多いようです。

・コストを負担できない
・導入の効果がわからない、評価できない
・従業員がITを使いこなせない

中小企業のIT導入に心強い「補助金」と「外注」

前章で紹介した中小企業がTの導入・利用を進めようとする際の課題3つについて、どのようにしたら解決できるかを説明していきます。

・コストを負担できない

まず中小企業がIT導入を進める際に最も多い課題である“コスト”について。確かに数年前までは、IT導入となればパソコンやサーバーなど新規ハードウェアを追加導入する必要があり、それなりのコストが必要という認識が現在でもあるかもしれません。しかし最近では、“SaaS(サース)”と呼ばれる“クラウドを活用したサービス”を利用することで大きなコストを割くことなくITを導入することが可能になっています(詳しくは後述)。さらに『IT導入補助金』を活用することで、導入コストをより削減することも可能です。

・導入の効果がわからない、評価できない

次に、“導入の効果がわからない、評価できない”という課題について。IT導入に際しては、何をもって業務を効率化するかを把握する必要があります。ホームページを作成して集客を望むのか、CRM(顧客管理)ツールで顧客サポートを強化するのか、ビデオ会議システムで非対面のリモート業務を重視するのか……。IT導入によってどういった業務効率化が可能であるか、あまり明確になっていない中小企業も少なくないでしょう。そんな悩みを持つ企業にとってもIT導入支援業者を通じて利用する『IT導入補助金』は有効な手段となります。

もう少し詳しく説明しますと、『IT導入補助金』を利用する際は、IT導入支援業者として認定された業者との連携が必要になります。このIT導入支援業者は中小企業にITツールを提供したり申請を代行したりするだけでなく、IT導入を検討している中小企業の業務環境を認識して業務の弱点を分析し、最適なITツールの導入を提案して業務改善をサポートする役割も担います。そのため、IT導入において「何をどうしたらいいかわからない」という中小企業でも、IT導入支援事業者に相談することで、現時点でどういった業務改善を重視してITツールを導入すればいいのかが明確になるでしょう。

・従業員がITを使いこなせない

そして、3つ目の“従業員が使いこなせない”という不安について。中小企業において業務改善の必要性を感じ、IT導入を検討するのは経営者の方であることがほとんどでしょう。経営者自身があまりITに明るくない場合、確かに使いこなしに不安を感じるかもしれませんが、従業員がそうであるとも限りません。この懸念についてもIT導入支援業者と相談することも可能です。使いこなせないことを不安に思ってIT導入を躊躇するより、補助金制度を賢く利用し、使いこなすことを目標に導入を進めるのがよいでしょう。

また、IT導入をする際の考え方として覚えておきたいことは、導入するITツールの“すべての機能”を使いこなす必要はないということです。業務改善につながる機能さえ使えれば、IT導入の意義は十分あるのです。もちろん、ITツール導入後、使っているうちに、徐々に慣れていき、他の機能も使いこなせるようになることもあります。

なお、『IT導入補助金』に伴うIT導入支援業者以外にも、中小企業のIT導入をサポートする業者は多数あります。いずれの場合でも、地域の商工会議所がIT導入相談を随時受け付けていますので、まずは相談することをおすすめします。日々の業務に追われがちな中小企業にとって、IT導入を社内だけで検討・実行することは大きな負担となります。IT導入では、外注サポートを検討するのが近道です。また、導入後についても外注サポートを活用することで解決する課題も多いでしょう。

IT導入を外注するときのポイント3つ

IT導入については経営者の方が1人で悩むよりも、外注サポートをうまく活用して相談しながら進めることで、成功する可能性が高くなることをお伝えしました。しかし、外注するときに気を付けたいポイントがあります。

・一気にIT導入を進めようとしない

「せっかくIT導入するのだからと、あれもこれも導入したい」「ERP(統合型業務システム)で業務全体を改善したい」というように一気に導入を進めようとすると、コストも増大しますし、費用対効果も見えにくいものです。使いこなすという面でも従業員の負担が大きくなってしまう可能性もあります。また、方針転換があったときや、追加でIT導入を検討するときなど、次の手を打つ場合の障壁にもなるので注意が必要です。

・結果が目に見えるところからIT導入を進める

さまざまな業務でIT導入を進める前に、まずは業務改善の結果が目に見えるところから段階的にIT導入を進めるべきです。たとえば経費精算や勤怠管理のような、現状で手仕事やExcelによる処理などに頼っている業務をIT化することで、目に見える業務効率の改善、経費削減といった結果が得られる可能性は高いでしょう。

・SaaSサービスの導入を検討する

上記の“IT導入を一気に進めない”、“結果の見えそうなIT導入を進める”という観点からも導入しやすいのが、冒頭にも触れた“SaaS(サース)”と呼ばれるクラウドを活用したサービスです。まずは、コスト面でもメリットが多い“SaaS(サース)”で導入の検討を進めるのがよいでしょう。

SaaS(サース)のメリットとは?

ここからは、ここまで何度か出てきた“SaaS(サース)”について説明します。ご存知かもしれませんが、“SaaS(サース)”は“Software as a Service”の略で、ネットを介してソフトウェアを利用できるクラウドサービスです。自社でソフトウェアをインストールしたり、ハードウェアを追加する必要もないので、導入時の作業や導入後の管理の負担が少ないというメリットがあります。

費用については、サブスクリプション形式の課金がほとんどで、初期費用不要で“1ユーザーあたり月額(年額)○○円”といった形で利用することができるものもあります。少人数でも気軽に導入できる点や、ユーザー数の増減があった場合でも柔軟に対応できる点も中小企業向けと言えるでしょう。サービス自体も常に改善が進み、最新版を利用できるところも“SaaS(サース)”の特徴で、そのため社内でのバージョン管理などの負担もありません。

中小企業向けの代表的なSaaSサービスをいくつか紹介しましょう。

kincone / 株式会社ソウルウェア:勤怠管理、経費精算
ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス / トレンドマイクロ株式会社:セキュリティ対策
kintone / サイボウズ株式会社:業務改善プラットフォーム
PhoneAppli / 株式会社PhoneAppli:Web電話帳
LINE WORKS / ワークスモバイルジャパン株式会社:ビジネスチャットツール
サイボウズOffice / サイボウズ株式会社:グループウェア
Mailwise / 株式会社ラクス:メール共有管理

IT導入を検討するなら、外注サポートとともに“SaaS(サース)”の導入を検討してみてはいかがでしょうか? もちろん『IT導入補助金』の対象となるITツールとしても数多くの“SaaS(サース)”が提示されています。まずは、IT導入支援事業者へ『IT導入補助金』の申請とともに“SaaS(サース)”導入のプランニングを相談してみるのがよいでしょう。

【参考】『2018年版中小企業白書』 / 中小企業庁

* IYO / PIXTA(ピクスタ)