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知財活動

他人事だと思ってない?中小企業が「知財の権利化」をすべき理由と始め方を解説

2021.09.28

知的財産権(以降、知財)、という言葉を聞いてどのようなイメージをもっていますか? 「手間が掛かりそう」「よく聞くけれども、ウチの会社にはあまり関係なさそう」などではないでしょうか。

今回は、そんなイメージで捉えられがちな知財に関して、知的財産教育協会で技能士会運営員を務める筆者が解説します。中小企業にとっての活用のメリットや、逆に無関心でいることのリスク、そして中小企業における知財人材の育成などについて考えていきましょう。

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「知財」とは?

まずは、知財の定義を整理します。一般的に“知財”と呼称されているのは、知的財産の権利やまたそれを定めた制度を指します。これを『特許庁』では「人間の幅広い知的創造活動の成果について、一定期間の独占権を与えるようにしたのが知的財産権制度」としています。同庁ウェブサイトの記載で確認すると、広義の知財の範囲が依拠している法律と共に記載されていますので、参考にしていただけたらと思います。

知的財産権

出典: 特許庁

この中で、主に企業活動で広く使われる機会が多いのは、産業財産権にくくられている特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つ、それと社名などの商号となります。また、業種・業態によっては、著作権などもポピュラーな知財といえます。

「知財」から自社の強みを再確認する

それでは、中小企業が知財を活用するメリットはどこにあるのでしょうか。まず第一に、経営の中で知財を意識することで、自社の強みを明確にでき、戦略に役立てる点があげられます。知財が、どのような強みになるのかをざっくり分別すると、特許・実用新案が“技術”、意匠はそのまま“デザイン”、商標は“ブランド”という説明になります。「自社の強みの源泉は何だろう」と考えてみたときに、“技術”、“デザイン”、“ブランド”などが真っ先に頭に浮かんでくるようでしたら、知財の権利化の検討により、それらを強化(主として模倣対策)してもよいのではないかと思います。

もう一つのメリットとして、自社の知財に連なる強みを意識することで、無関心でいることのリスクを避けられる点も挙げておきたいと思います。具体的には、他社からの模倣防止と自社による他社への侵害リスクへの対策です。製品・サービスの技術やデザイン、トレードマーク、ロゴなどが自社オリジナルのものである場合、知財の権利化を意識することで、思いもよらぬタイミングで、思いもよらぬ相手から模倣を防ぐ手立てとなります。

模倣をされてしまい、相手が先に権利化してしまう場合などもあります。また、逆のパターンも考えられます。つもり、知らず知らずのうちに他社の権利を侵害していて、突然、権利元企業からの警告書が届くということもありえるのです。経営活動において、先行している他社の成功をまねることは、ある意味、常套手段でもあります。しかし、そのような場合に、相手の権利を侵害してしまわないように注意をしておくことが必要なのです。

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「知財」の権利化とは?支援制度は?

では、実際に自社の強みである知財を権利化したいと考えた場合、どのように進めればよいのでしょうか?

知的財産とは、人間が知的創造活動をおこなったのちに産み出される成果を指しますが、創作した人の財産として法律で保護されてはじめて、知的財産“権”となります。この、法律の保護を特許庁に出願することを“権利化”といいます。そして、特許庁で申請が受理されると(ちなみに受理されることは“設定登録”といいます)、保護される財産の所有者としての権利が発効します。

この権利化に際して、中小企業がとりくもうとする知財活用には、実はさまざまな支援施策があります。まずは、下記に挙げた窓口にコンタクトし、自社の知財に関して気軽に相談をされてみることをおすすめします。

・国の支援機関として、『知財総合窓口』が各都道府県に設置されています。中小企業が抱える経営課題に関して、知財の側面から相談にのってもらうことが可能です。
・東京都であれば『東京都中小企業振興公社』の知的財産総合センターなどで、知財に関わる助成事業の相談なども可能です。
・『知財人材データベース』では、自社の事業分野から絞り込んで、自社の知財戦略に最適な支援人材の検索も可能となっています。

社内での専門家「知的財産管理技能士」を育成するには?

知財というと、弁理士や弁護士などの、外部人材専門家が真っ先に浮かぶかもしれません。しかし、本当の自社の強みを理解しているのは、社内で働く自社の従業員に他なりません。そこで、社内の知財プロフェッショナルを育成する方法の一つとして、『知的財産管理技能士』という国家資格をご紹介します。

知的財産管理技能士は、厚生労働大臣認定の国家資格で、『知的財産管理技能検定』を取得することで資格を得ることができます。

3級から1級まで取得したいスキルレベル(特許庁の定める知財スキル標準に準拠)によって難易度が分かれていて、更に1級は『特許専門業務』『コンテンツ専門業務』『ブランド専門業務』といった形式で、専門により細分化されています。

上の図の中に示されているように、『知的財産管理技能士』は、「中小・ベンチャー企業においては外部専門家等*と連携して、その課題を解決できる」という技能を持った、主に企業内での活躍が期待される知財の専門家です。

自社の製品・サービスに精通した従業員が、社内の知財プロフェッショナルとなることのメリットは、何よりも自社の知財課題が明確になり、外部の専門家に相談を依頼する場合などにも的確なアドバイスを求めることが可能となる点です。その他、先述した知財に関する支援人材や支援施策を効果的に活用する一助となることも考えられます。

なお、中小企業における取得級に関する見解を述べますと、1級は非常に難易度が高く誰にでもおすすめできるものではないのですが(もちろん必要に応じて1級をとるのもありです)、自社の製品・サービスを管轄する責任者や管理者のような方には、2級程度の広範な知識があると心強いのではないかと思います。ぜひ検討してみてください。

*弁護士や弁理士など

 

今回は知財活用についてお話ししました。施策や支援人材の活用、社内人材の育成などにより、知財は身近な資産となります。まずは、自社の強みを洗い出すところからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

【参考】
特許庁』/  特許庁
知財総合支援窓口知財ポータル』 / 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)
東京都知的財産総合センター』 / 東京都中小企業振興公社
知的財産管理技能検定』 / 知的財産教育協会

* cba / PIXTA(ピクスタ)

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