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スマホを操作する営業社員

営業の業務効率化!チャットツール活用でライバル社に打ち勝つ方法とは?【中小企業の営業力強化】

2021.11.11

コロナ禍も大きな谷底からこれから少しずつ回復していこうかという状況において、一度停滞した売上を増大させていくために、直近の営業強化にあれこれと策を練っておられる企業様が多くいらっしゃることと思います。

営業を担当する社員が、売上を上げるための業務に集中する環境を整えるための一つの選択肢としてデジタルツールの活用があります。デジタルツールと聞くと高度なシステムの導入を思い浮かべる方もいるかもしれないですが、今回ご紹介したいのは誰でも簡単に使いこなせるスマートフォンのアプリの導入による“営業力強化”です。

継続的な営業成果創出の基盤となる環境整備をはじめとする、ビジネスシーンで役立つデジタルツールを活用した打ち手についてお話したいと思います。

「営業力」に必要な4つの要素

漠然と“営業力”というテーマを話しても、概念論に内容が飛んでしまって、具体的なノウハウを理解に残せないということがあります。

今回は最初に、どのような具体施策が営業力を支えるのか、下記の通り、整理してみます。

(1)製品・マーケットを知る
(2)顧客を理解し、適切な提案を行う
(3)顧客との関係性を高め、提案を聞いて/受け入れてもらえる関係性を高める
(4)一人だけの力ではなく、営業ノウハウを“チーム”で共有する

本記事では主に、(3)、(4)について、デジタルツールを導入して、改善していく方法を解説していきます。(1)、(2)ついては、下記記事で解説していますので、ぜひご参照ください。

【こちらの記事も】顧客ニーズの捉え方とは?BtoBの「御用聞き営業」から抜け出す方法【ノウハウまとめ】

顧客との関係性を高めるコミュニケーションとは?

まず、(3)のように、顧客との関係性を高めるには、適切なコミュニケーションが不可欠です。顧客とのコミュニケーションを図ろうとしたとき、現場の担当者からの悩みとして、下記のような内容をよく耳にします。

・対面でのアポ取りが難しい
・電話をとってもらえない(そもそも気軽に電話はかけにくい)
・メールを送っても返信がもらえない(読んでもらえない/開封してもらえない)

このようなお悩みに対して、現場では、個人的なFacebookメッセンジャーやLINEなどで、顧客とつながることで、綿密にかつ気軽にコミュニケーションできる状態を作っているという対応をよく伺います。現場の担当者は「良かれ」と思って行っているのですが、会社としてはこのような状況を把握していない場合や、見て見ぬふりをしている場合も多いです。

現場で密かに使われている「シャドーIT」の問題点

このように、経営層や情報部門が公式な認知をせずに、現場で密かに利用されている状態を“シャドーIT”といいます。“シャドーIT”には下記のよう問題点があります。

・顧客情報が共有されず、担当者が退職する際に顧客も離れる
・トラブルが起きたときに発見や解決が遅れる
・マルウェア感染など、情報漏洩がおこる
・外部からの攻撃などのセキュリティ上のリスクがある

このようにさまざまな問題がある“シャドーIT”を活用して、現場の社員が独自に顧客とコミュニケーションをとる状況は、会社としては好ましくありません。

競合企業に差をつけるためにはツール導入が不可欠

デジタル化が加速するなか、コミュニケーションツールの遅れは、ライバル社に顧客をとられてしまうことにつながります。このような競争に打ち勝つために、現場の社員はやむを得ない“シャドーIT”を使用している場合も多いのです。

現場が“シャドーIT”の使用を避けるためには、会社の管理のもとで、コミュニケーションツールを採用することが不可欠。取引先、とくに中堅~大企業のコンプライアンスに留意している企業に対して、会社公認のチャットツールを使ったアプローチは自社のセキュリティ意識を感じ取ってもらう良い機会にもなります。また、セキュリティ上の安全性に加え、現場の担当者が使いやすいことも重要なポイントです。

そこで筆者がおすすめしたいのが、『LINE WORKS』というビジネスチャットツールです。日頃から多くの人のコミュニケーションツールとして親しまれているLINEですが、『LINE WORKS』では、日頃のLINEでのやりとりと同じように、お客様とのコミュニケーションが可能です。

一般のLINEユーザーはもちろん、社外のLINE WORKSユーザーともコミュニケーションができるので、効果的な営業活動に活用してみてはいかがでしょうか。

『LINE WORKS』が提供しているLINEとの連携ガイド動画があるので、ぜひご参照ください。

「チーム」で営業ノウハウを共有するためには?

続いて(4)について、“チーム”での営業ノウハウを共有する方法を紹介していきましょう。筆者は仕事柄、全国の中小企業経営者・営業責任者の方々とお話する機会があるのですが、以下のようなお悩みを多くお伺いします。

・個人の“営業”に依存している状況を改善したい
・営業を育てる方法を“仕組み化”したい
・若手営業の底上げを効率的に行いたい

このように、“エース”と呼ばれる社員の営業スキルに依存している状況から脱却して、営業に関わる社員全体の営業スキルの底上げを図ることについて強い課題意識をお持ちのようです。

営業スキルを上げるために最適なツールは?

このテーマに対する打ち手として、SFAツールを導入されたという話もしばしばお聞きします。SFAツールとは、Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略で、営業の効率化を目的としたツールです。

しかし、このようなツールは非常に高機能な一方、地方で活動している中小企業にとっては、「使いこなせない」「使い方が複雑」と持て余してしまうことが多いのです。そして、その分利用コストもかかってしまうために、その費用対効果から利用継続に至らなかったという話をたいへん多く伺います。

私も自分が所属する企業ではSFAツールを利用しておりますし、実際に有用です。一方で私自身が個人で行う事業での顧客・営業管理はずっとライトなツールを利用しています。SFAツールでは機能が豊富すぎて使い切れないこと、そして、価格がニーズに相応していないためです。

ライトなツールであっても、使い方によっては、顧客および営業活動の管理効率化は可能です。次の項目で、ライトなツールでどのように営業社員のスキルを底上げすることができるかを紹介しましょう。

ライトなチャットツールをチーム営業でどう活かす?

今回は、実践的な活用方法を解説するために『LINE WORKS』を例に取り上げご紹介します。

『LINE WORKS』では、チャットするメンバーで“グループ”を作ると、そのグループ専用の“ノート”、“カレンダー”、“フォルダ”が用意されます。そして、このグループをどのように準備するかが重要です。頭の中で仕事をどのように整理しているか、その整理箱と同じグループを作ると非常に便利かつ簡単に情報が整理できるようになります。

なお、『LINE WORKS』以外のチャットツールでは、グループで活用できる機能が異なってくるかと思いますが、用途ごとにグループを作成して運用していくという考え方は同じです。

事例:グループの活用で「あの資料はどこ?」がゼロに

それでは、イメージがわくように具体的な事例からご紹介します。次の画像は秋田県の建設会社様のトークルームです。グループの単位を施工現場ごとに設定しています。

こうすることで、現場にまつわる会話・コミュニケーションを社内で行う際に、「あの会話はどのメールだった?」「あの資料はどこにあったか?見つけたら送ってくれ」的な探索作業がほぼゼロ化できたとのことでした。

この結果を見て、同社では、社内の総務担当者の方で必要な資料をPDFに加工して、『LINE WORKS』のグループフォルダに格納するようにしたそうです。これにより全社的に資料の探索作業を大きく圧縮することができ、社長の肌感覚では、20%くらいの報連相作業が削減できているとのことでした。

チャットツール活用の肝!グループ作りのコツ

これを営業業務で活用してみます。下記のように、属人的グループではなく、仕事の仕分けに応じたグループを設定することがポイントです。

・取り扱い製品ごと
・担当される大口顧客ごと
・営業担当エリアごと

それぞれのグループ特性に応じた、経験値やノウハウなどを記録しやすくします。こうすることで、参照も簡単になります。

情報が整理されているからムダな作業が激減

『LINE WORKS』のグループを活用することで、個人対個人に埋没しがちな各種コミュニケーションを記録に残すことができます。トークの内容は保存期間に制限がありますが、グループ機能についてくるノートおよびフォルダには有効期限はありません。

先の例で説明したように、共有する段階でグループごとに整理されているため、必要な会話や情報がスムーズに見つかります。トークルーム内でトークを検索したり、特定の日付のトークを確認することも可能です。また、出先でスマホからでも必要な情報に簡単にアクセスできるため、いちいち立ち止まってパソコンを広げる手間や時間がかからないこともポイントです。社員は本来の売上を上げるための営業業務に集中することができます。

さらに、担当者の引き継ぎする際にも、新しい担当者グループに参加することで、必要なノートおよびフォルダ内の資料が確認できます。こうして、引き継ぎの工数を最小レベルに圧縮することできます。

若い世代が上司に相談できる環境を整える

営業の活動タイプ(グループ)ごとに、“いつでもスマホで気軽にコミュニケーションできる環境”が整うことが、営業スキルを底上げすることにもつながります。いつでも、上司・先輩に相談およびアドバイスを受けることができる環境を作ることができます。

もちろんいつでも電話でもメールでも相談できるだろう、というご意見もあると思いますが、ポイントは“気軽に”というところです。

今や“デジタルネイティブ”といわれる若い世代の働き手は、電話やメールといったコミュニケーション手段を“重い”と感じています。この重みを取り除いてあげて、上司・先輩との付加価値の高いコミュニケーションを取りやすくしかつ、総量を多くしてあげることに意義があります。

 

今回はデジタルツールの活用で、顧客や社内外のコミュニケーション、および、営業スキル・ノウハウの蓄積が効率的にできるよう方法をお伝えしました。デジタルツールというと大げさに聞こえ、取り組み方のイメージがつきづらいかもしれません。

しかし、このようなライトなチャットツールの導入からであれば、中小企業経営者・営業責任者の方にとっても、取り組みやすいのではないでしょうか。

* kou / PIXTA(ピクスタ)