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プレスリリース

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研究・調査報告

企業の6割が従業員のキャリア開発に取り組むも、非管理職向けのキャリア支援は3割以上が未対応。“昇進前提”の設計から脱却できず

  • 最終更新日
    2026年04月09日 11:00
株式会社月刊総務
~公的支援制度の認知進まず、企業単独での取り組みに限界も~

日本で唯一の総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務(所在地:東京都千代田区、代表取締役:薄井 浩子)は、全国の総務担当者を対象に「従業員のキャリア開発についての調査」を実施し、127名から回答を得ました。

【調査結果 概要】
・6割の企業が従業員のキャリア開発の取り組みを実施
・キャリア開発の取り組み、1位「キャリア面談」2位「OJT・メンター制度」
・キャリア開発に取り組む目的は「適正配置・人材活用の最適化」がトップ
・キャリア開発で力を入れる対象は「中堅社員」「新入社員若手層」。「シニア層」は進まず
・管理職ルート以外のキャリア支援、3割以上が「特別な対応を行っていない」
・総務の44.1%がジョブカードを「知らない」
・総務の半数が「セルフ・キャリアドック」を聞いたことがなく、実施率は1.6%にとどまる


【調査結果 詳細】
◼️6割の企業が従業員のキャリア開発の取り組みを実施
従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施しているか尋ねたところ、約6割が実施していると回答しました(n=127)。



◼️キャリア開発の取り組み、1位「キャリア面談」2位「OJT・メンター制度」
キャリア開発として実施している取り組みを尋ねたところ、「上司・人事によるキャリア面談」が65.8%で最も多く、「OJT・メンターなど職場内育成の仕組み」が53.9%と続きました(n=76/従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施している企業)。




◼️キャリア開発に取り組む目的は「適正配置・人材活用の最適化」がトップ
キャリア開発に取り組む主な目的を尋ねたところ、「適正配置・人材活用の最適化」が65.8%で最も多く、「人材確保・中長期的な人材基盤の強化」が48.7%、「従業員の自律的なキャリア形成の支援」が47.4%と続きました(n=76/従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施している企業)。




◼️キャリア開発で力を入れる対象は「中堅社員」「新入社員若手層」。「シニア層」は進まず
キャリア開発で特に力を入れている対象について尋ねたところ、「中堅社員」が80.3%で最も多く、「新入社員・若手層」が71.1%と続きました(n=76/従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施している企業)。




<年代や立場に応じて、工夫している点/一部抜粋>
・新入社員は基本給UPなど昨今の情勢で恵まれた状態で入社となっているが、中堅層の社員のモチベーションが下がらないような人事制度になるよう役職や手当の追加を実施している。
・部門毎のエキスパート認定制度があり、公的資格が存在しない分野の社員について、試験、スキル判定、論文・社外審査員の面接などにより、エキスパートとして認定を行い、手当を支給。最高ランクの認定者は60歳以降の雇用条件が優遇される仕組みとしている
・リスキリングを組み込むような人事異動を心がけている。

◼️管理職ルート以外のキャリア支援、3割以上が「特別な対応を行っていない」
管理職になれなかった(ならなかった)従業員に対し、どのようなキャリア支援を行っているか尋ねたところ、「専門職・プロフェッショナルとしてのキャリアを提示している」のは27.6%という結果になりました。一方、「特別な対応は行っていない」が34.2%で、対応状況にばらつきが見られました(n=76/従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施している企業)。



◼️キャリア開発の取り組みは6割が内製化
キャリア開発の取り組みをどのように実施しているか尋ねたところ、6割が「主に社内で実施している」と回答しました(n=76/従業員のキャリア開発に関する取り組みを実施している企業)。



◼️総務の44.1%がジョブカードを「知らない」
ジョブカードを活用しているか尋ねたところ、「積極的に活用している」が0%、「一部で活用している」が2.4%という結果になりました。「ジョブカードを知らなかった」が44.1%で、まだ認知にも至っていないことがわかりました(n=127)。

※ジョブカード:個人の職務経歴やスキル、キャリアの目標などを整理・記録するためのツールで、職業能力の証明やキャリア形成の支援を目的として活用される。



◼️総務の半数が「セルフ・キャリアドック」を聞いたことがなく、実施率は1.6%にとどまる
「セルフ・キャリアドック」とはなにか知っているか尋ねたところ、50.4%が「言葉を聞いたことがない」と回答しました(n=127)。

※セルフ・キャリアドック:企業が体系的・定期的にキャリアコンサルティング面談や研修などを組み合わせ、従業員の主体的なキャリア形成と成長を支援する総合的な取り組み。



セルフ・キャリアドックを実施しているか尋ねたところ、「実施している」は1.6%にとどまりました(n=127)。



<実施している内容/一部抜粋>
・資格取得補助やセミナー受講

<実施した感想/一部抜粋>
・継続して取り組むことや、キャリアコンサルティングを外部に委託する場合の予算取りが難しい。

◼️国のキャリア開発支援策や助成金、認知や活用は進まず
国のキャリア開発支援策や助成金について知っているか尋ねたところ、「よく知っている」は7.9%にとどまりました。以前活用していたが、手間と時間掛かりすぎて効果的でないという声もありました(n=127)。




<活用しているもの/一部抜粋>
・人材開発支援助成金
・教育訓練給付
・キャリア形成促進助成金

◼️4割以上の総務が、キャリアコンサルタント取得予定なし
総務担当者として、キャリアコンサルタントの資格を取得したいと思うか尋ねたところ、「興味はあるが未定」が51.2%、「取得する予定はない」が43.3%と、ほとんどが具体的な動きに至っていないことがわかりました(n=127)。




◼️総評
今回の調査では、多くの企業がキャリア開発に取り組み始めている一方で、その内容は依然として「上司との面談」や「OJT」といった従来型の手法にとどまり、体系的な仕組みとしては発展途上である実態が明らかになりました。特に、「適正配置」や「人材活用の最適化」といった企業側の視点が主な目的となっている点からも、従業員の主体的なキャリア形成を支援する取り組みとしては、まだ十分に成熟していない段階にあるといえます。

また、キャリア開発の対象が中堅層や若手層に偏り、管理職以外のキャリアパスに対する支援が限定的であることも、重要な課題として浮かび上がりました。多様な働き方や価値観が広がる中で、従来の昇進を前提としたキャリア設計だけでは、従業員一人ひとりの成長やエンゲージメントを十分に支えることは難しくなっています。専門職やプロフェッショナルとしてのキャリア、あるいは個々の志向に応じた柔軟なキャリアパスの提示が、今後ますます求められるでしょう。

■戦略総務研究所 所長 豊田 健一 プロフィール


戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。株式会社月刊総務代表取締役社長を歴任。現在は、戦略総務の専門家として講演・執筆活動、コンサルティングを行う。著書に『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)など。



※「働き方」「リモートワーク・テレワーク」「総務関連全般」等についても取材可能です。
※「戦略総務」は株式会社月刊総務の登録商標です。

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