労働実務事例
[ 質問 ]
会社の創立10周年で所定休日を増やす計画があります。そこで、割増賃金の単価はいつから変更すべきでしょうか。一度年間休日を設定した年(年度)は、すでに決定した休日数で計算していれば問題はないですか。
大阪・F社
[ お答え ]
時間外労働に対する割増賃金の時間当たり単価の算出について、月によって定められた賃金については、「その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1カ月平均所定労働時間数)で除した金額」を1時間単価として、これに割増率を乗じます(労基則第19条第1項)。
1年の範囲は、事業場の就業規則などで決定することができますが、通常は4月の賃上げに合わせてその後1年間とするケースが多いようです。しかし、年度内に休日が増加すればその時点から1年の1月平均所定労働時間数を算出することになります。
たとえば、1日の所定労働時間が7時間で週休2日制を採用しその他祝日等を休日とする場合で考えてみましょう。なお、誤差が生じにくいように小数点3けたまで計算し以下は切り捨てています。1年の休日数が120日であるならば、1カ月平均所定労働時間数は、(365日-120日)×7時間÷12カ月≒142.916時間となります。
休日が1日加わった場合は、(365日-121日)×7時間÷12カ月≒142.333時間です。
仮に、割増賃金の基礎となる月によって定められた賃金が25万円とします。休日が増える前の割増賃金単価が、25万円÷142.916時間≒1,749.279円となります。一方、休日増加後は、25万円÷142.333時間≒1,756.444円です。
それぞれに時間外の割増率を乗じると、「2,186.59円」と「2,195.55円」になります。昭和63・3・14基発第150号では、50銭未満の端数切捨て、50銭以上を1円に切り上げる措置が認められていますから、休日増加前が「2,187円」、増加後は「2,196円」となり「9円」の差が生じます。
では、ただちに割増賃金の単価を変更しなければならないかというと、そうとも限りません。労基法上、「休日」と「休暇」の定義は異なっています。休暇とは、「労働者が労働日において権利として労働から離れられる日」と解されます(「労働法」菅野和夫著)。労働義務が免除されていても労働日ですから休日日数に含める必要はありません。
ご質問の「創立記念」も所定休日ではなく、就業規則等で「特別休暇」の扱いにすれば、単価変更は不要と考えられます。ただし、単年ではなく翌年以降も休みとするならば、慣習として休日として扱い割増賃金の単価を変更すべきではないでしょうか。
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