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労働実務事例

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就業規則の変更・届出、各支店で意見聴取必要か

「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社は同一県内に複数の支店があります。就業規則はすべて本社で作成し、全社的に適用しています。この就業規則を変更し、届け出るにあたっては、各支店ごとに過半数代表者を選任し、その者の意見を聴かなければなりませんか。

埼玉・T社

[ お答え ]

 使用者は、就業規則の作成または変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)の意見を聴かなければならない(労基法第90条)という規定があります。
 労基法の適用単位は事業場ごとが原則です。ですから、本社・支店などがそれぞれ独立した事業とみなされます。したがって、各支店が1つの事業と認められれば、一律の就業規則を変更する場合であっても、各支店ごとに過半数代表者の意見を聴かなければならないということになります。
 過半数代表者については、
 ① 法第41条第2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと
 ② 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法により選出された者であること(労基法施行規則第6条の2)
などの要件を満たす者でなければなりません。
 就業規則の変更にあたって、過半数代表者は使用者から意見を聴取される者を選出されることを明らかにして、投票・挙手などの方法により、使用者の意向などに関係なく選出する必要があります。また、使用者は過半数代表者であることなどを理由として、不利益な取扱いをしてはなりません。
 「意見を聴かなければならない」とは文字どおりで、同意を得る必要はありません。仮に、労働者代表が意見表明を拒み、または意見を記した書面の提出を拒む場合には、「意見を聴いたことが客観的に証明できる限り」受理されます(昭23・5・11基発第735号、昭23・10・30基発第1575号)。
 就業規則の届出について、本社と各事業場(支店、営業所など)の内容が同一である場合は、本社を管轄している労働基準監督署に一括して届け出ることができますが、その際も、就業規則作成または変更に係る労働者側の意見聴取は、事業場ごとに行い、その意見書を事業場ごとの就業規則に添付する必要があります。
 なお、労働者側が各事業場の労働者の過半数で組織される単一労働組合であって、事業場ごとに労働者側の意見が同意見である場合は、労働組合本部の意見書に「全事業場の過半数労働組合とも同意見」である旨を記載し、労働組合本部の意見書の写しを添付する方法によることもできます。



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