労働実務事例
[ 質問 ]
年金の国庫負担を引き上げるという話題が新聞紙面をにぎわせています。国庫負担が増えれば、従業員が受け取る年金にどのように反映されるのでしょうか。年金額がアップする人もいるのでしょうか。
東京・M社
[ お答え ]
国庫負担の引上げは国民年金の財源安定を図るもので、平成21年度までのいずれかの年度までに2分の1まで引き上げると規定されていました(国民年金法平16年附則第16条)。この規定により、引上げが実現しましたが、直接、厚生年金の金額がアップするわけではありません。
しかし、従業員の中にも、今後、恩恵を受ける人が生じる可能性も否定できません。国民年金の保険料は、所得が低い等の理由で納付困難な場合に免除が認められます。
免除のパターンには、全額、4分の3、2分の1、4分の1の4種類があります。
免除を受けた期間は未納とは異なるので、将来、年金の受給権の有無を判定する際には、保険料納付済期間と同様に扱われます。
たとえば、2分の1免除を受けた月であっても、資格期間の計算では1カ月とカウントし、2分の1カ月にはなりません。
しかし、年金額を計算する際に免除期間があれば、一定率が減額されます。平成21年3月以前は、全額免除を受けた月については、保険料全額納付月の3分の1相当の年金が支給されています。4分の3免除なら2分の1、半額なら3分の2、4分の1免除なら6分の5です(別表左欄)。
保険料を納めなくても(全額免除)、3分の1の年金を受け取れるのは、国庫負担があるからです。国庫負担が2分の1まで引き上げられれば、免除期間に対する年金額も改定されます。
全額免除の人については、平成21年4月から、支給される年金額が2分の1にアップしています(別表右欄)。ただし、対象になるのは、平成21年4月以降の免除期間に限られ、その日以前の免除期間については3分の1のままです。
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