労働実務事例
「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。
[ 質問 ]
育児休業を取得中の者について、勤務実績がないため4月の昇格を見送ろうと検討しています。育児介護休業法の「不利益取扱い」に該当するのでしょうか。
【静岡・N社】
[ お答え ]
育児休業の申出や取得を理由とする不利益取扱いの例は、指針(平21・厚生労働省告示第509号)に規定されています。育児休業を理由とする解雇や賞与等の不利益な算定のほか、「昇進・昇格の人事考課」も対象です。
通達(平21・12・28雇児発第1228第2号)では、育児休業をした期間について、人事考課において選考対象としないことは不利益取扱いには当たらないが、休業を超える一定期間、昇進や昇格の選考対象としない人事制度とすることは不利益取扱いに当たるとしています。
たとえば、貴社で「3年連続一定以上の評価であること」という昇格要件があるとします。休業取得の前々年、前年と2年連続一定以上の評価を得ていたにもかかわらず、休業取得後に改めて3年連続で一定以上の評価を得ることを求める人事評価制度とすることは、不利益な取扱いです。
ですから、育児休業中は昇格を保留するにしても、職場復帰後の昇格選考時には、育休期間を除外して公正な評価を実施すべきです。
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