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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□
□ 6月11日号
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弁理士 深澤です。
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★このメルマガの目的♪
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このメルマガでは、
商標の審判事例を通して、
○どんな
商標が類似といわれたのか
○識別力のある
商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
(配信中止はこちらまで
http://www.mag2.com/m/0000241197.html)
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例♪
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今回取り上げるのは、
○登録第5483882号:「Quattron」
指定商品は第9類「液晶テレビジョン受像機,液晶パネル,
液晶モジュール」です。
ところが、この
商標は、
(1)登録第2700161号
商標:[QUOTRON」
(2)登録第2700162号
商標:「QUOTRON 800」の
欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成
(3)登録第2700163号
商標:「QUOTRON 1000」の
欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成
(4)国際登録第746364号
商標:「Quattro」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2011-011979号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
本
商標は、
「直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語とし
て認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語
の発音に倣って称呼されるというのが相当である。」
「そうとすると、例えば、「quattrocento」が
「クワトロチェント」と発音され、「electron」が
「エレクトロン」と発音される(「小学館ランダムハウス英和大辞典」、
株式会社小学館発行)ことに加え、」
「我が国においては、「qua」の文字つづりについて、例えば、
「aqua」が、「アクア」と発音される(「コンサイスカタカナ
語辞典 第4版」、
株式会社三省堂発行)場合もあることに照らせば、
上記文字つづりからなる
本願商標は、「クワトロン」又は
「クアトロン」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることは
ないものというのが相当である。」
一方、
引用商標1~3は、「QUOTRON」部分が共通しており、
「自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、
「QUOTRON」の文字であるといえるところ、該文字は、
直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として
認識されるものであるから、その称呼については、
本願商標におけ
る場合と同様に、英語の発音に倣うというのが相当であり、」
「例えば、「quotation」が「クォーテーション」と発音
される(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」)ことに照らせば、
引用商標1ないし
引用商標3は、いずれも「クォートロン」の
称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることはないものというのが
相当である。」
また、
引用商標4は、
「例えば、「伊和中辞典 第2版」(
株式会社小学館発行)によれば、
数字の「4」を意味する語として掲載されているものの、我が国
におけるイタリア語の普及の程度に照らせば、
看者をして、直ちに
該イタリア語を表したものと理解するとはいい難く、むしろ特定
の意味を有することのない一種の造語からなるものとして看取、
把握されるとみるのが相当である。」
「そうとすると、上記文字つづりからなる
引用商標4は、
本願商標
における場合と同様に、英語の発音に倣い、その構成文字に相応する
「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼を生じ、また、特定の
観念を生ずることはないものというのが相当である。」
ここで、
引用商標1~3との称呼を比較すると、
「両称呼は、語頭音及び第2音において、前者が「クワ」又は
「クア」の音であるのに対し、後者は「クォー」の音という差異が
あり、その音構成及び発音方法を明らかに異にするものであるから、
該差異音がその称呼全体に与える影響は少なくなく、それぞれを
一連に称呼した場合には、その語調・語感が異なり、十分に聴別し
得るものである。」
また、
引用商標4と比較すると、
「前者が8文字、後者が7文字の欧文字をもって表されているもの
であって、その構成全体を看取するのに特段の困難を伴うものとも
いえないことからすれば、両者の比較において存する「n」の文字
の有無という差異は、
看者をして、容易に認識されるといえるから、
外観上、これらが紛れるおそれはないというべきである。」
「次に、
本願商標から生ずる「クワトロン」又は「クアトロン」の
称呼と
引用商標4から生ずる「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼
とを比較するに、」
「まず、「クワトロン」と「クワトロ」の称呼及び「クアトロン」
と「クアトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音
「ン」の有無という差異があり、」
「「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼が、該撥音を伴うこと
により、その前音「ロ」が強調され、全体として抑揚あるように
発音されるのに対し、「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼は、
特にいずれかの音にアクセントがあるとはいえず、全体が平坦に
発音されることから、」
「それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感において、
少なからず差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれ
はないというのが相当である。」
「また、「クワトロン」と「クアトロ」の称呼及び「クアトロン」
と「クワトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音
「ン」の有無という差異があることに加え、第2音において、
「ワ」と「ア」の音の差異があり、後者の音の差異についてみても、
その調音の位置や方法を少なからず異にするものであるから、
それぞれを一連に称呼するときは、先にした比較よりも一層、差異
があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないという
のが相当である。」
として、
引用商標とは非類似であると判断されました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、「Quattron」に対して、「QUOTRON」や
「Quattro」の類否が問題となりました。
「クワ」又は「クア」の音と「クォー」の音という差異、
「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と「クワトロ」又は
「クアトロ」の称呼とのアクセントや語尾の「ン」の有無、「ワ」
と「ア」の差異、が非類似の方向に働きました。
アクセントも類否判断では大きな要素になります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは次回もお楽しみに!
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ
(原則、毎週月曜日発行ですが、祝日のときは祝日明けに発行)
ご質問・ご感想お待ちしております!
mark@trademark-kaiketsu.comまで
(@を@に替えてください。)
編集・発行 深澤 麒吉
http://www.trademark-kaiketsu.com/
各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連
を扱っております
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○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
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今回取り上げるのは、
○登録第5483882号:「Quattron」
指定商品は第9類「液晶テレビジョン受像機,液晶パネル,
液晶モジュール」です。
ところが、この商標は、
(1)登録第2700161号商標:[QUOTRON」
(2)登録第2700162号商標:「QUOTRON 800」の
欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成
(3)登録第2700163号商標:「QUOTRON 1000」の
欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成
(4)国際登録第746364号商標:「Quattro」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2011-011979号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
本商標は、
「直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語とし
て認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語
の発音に倣って称呼されるというのが相当である。」
「そうとすると、例えば、「quattrocento」が
「クワトロチェント」と発音され、「electron」が
「エレクトロン」と発音される(「小学館ランダムハウス英和大辞典」、
株式会社小学館発行)ことに加え、」
「我が国においては、「qua」の文字つづりについて、例えば、
「aqua」が、「アクア」と発音される(「コンサイスカタカナ
語辞典 第4版」、株式会社三省堂発行)場合もあることに照らせば、
上記文字つづりからなる本願商標は、「クワトロン」又は
「クアトロン」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることは
ないものというのが相当である。」
一方、引用商標1~3は、「QUOTRON」部分が共通しており、
「自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、
「QUOTRON」の文字であるといえるところ、該文字は、
直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として
認識されるものであるから、その称呼については、本願商標におけ
る場合と同様に、英語の発音に倣うというのが相当であり、」
「例えば、「quotation」が「クォーテーション」と発音
される(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」)ことに照らせば、
引用商標1ないし引用商標3は、いずれも「クォートロン」の
称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることはないものというのが
相当である。」
また、引用商標4は、
「例えば、「伊和中辞典 第2版」(株式会社小学館発行)によれば、
数字の「4」を意味する語として掲載されているものの、我が国
におけるイタリア語の普及の程度に照らせば、看者をして、直ちに
該イタリア語を表したものと理解するとはいい難く、むしろ特定
の意味を有することのない一種の造語からなるものとして看取、
把握されるとみるのが相当である。」
「そうとすると、上記文字つづりからなる引用商標4は、本願商標
における場合と同様に、英語の発音に倣い、その構成文字に相応する
「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼を生じ、また、特定の
観念を生ずることはないものというのが相当である。」
ここで、引用商標1~3との称呼を比較すると、
「両称呼は、語頭音及び第2音において、前者が「クワ」又は
「クア」の音であるのに対し、後者は「クォー」の音という差異が
あり、その音構成及び発音方法を明らかに異にするものであるから、
該差異音がその称呼全体に与える影響は少なくなく、それぞれを
一連に称呼した場合には、その語調・語感が異なり、十分に聴別し
得るものである。」
また、引用商標4と比較すると、
「前者が8文字、後者が7文字の欧文字をもって表されているもの
であって、その構成全体を看取するのに特段の困難を伴うものとも
いえないことからすれば、両者の比較において存する「n」の文字
の有無という差異は、看者をして、容易に認識されるといえるから、
外観上、これらが紛れるおそれはないというべきである。」
「次に、本願商標から生ずる「クワトロン」又は「クアトロン」の
称呼と引用商標4から生ずる「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼
とを比較するに、」
「まず、「クワトロン」と「クワトロ」の称呼及び「クアトロン」
と「クアトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音
「ン」の有無という差異があり、」
「「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼が、該撥音を伴うこと
により、その前音「ロ」が強調され、全体として抑揚あるように
発音されるのに対し、「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼は、
特にいずれかの音にアクセントがあるとはいえず、全体が平坦に
発音されることから、」
「それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感において、
少なからず差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれ
はないというのが相当である。」
「また、「クワトロン」と「クアトロ」の称呼及び「クアトロン」
と「クワトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音
「ン」の有無という差異があることに加え、第2音において、
「ワ」と「ア」の音の差異があり、後者の音の差異についてみても、
その調音の位置や方法を少なからず異にするものであるから、
それぞれを一連に称呼するときは、先にした比較よりも一層、差異
があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないという
のが相当である。」
として、引用商標とは非類似であると判断されました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、「Quattron」に対して、「QUOTRON」や
「Quattro」の類否が問題となりました。
「クワ」又は「クア」の音と「クォー」の音という差異、
「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と「クワトロ」又は
「クアトロ」の称呼とのアクセントや語尾の「ン」の有無、「ワ」
と「ア」の差異、が非類似の方向に働きました。
アクセントも類否判断では大きな要素になります。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは次回もお楽しみに!
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編集・発行 深澤 麒吉
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