相談の広場
最終更新日:2006年09月27日 17:07
大変初歩的な質問でお恥ずかしいのですが、資本金とは会社を設立する時に株主が出したお金ということですが、それはどんなに経営が苦しくても崩してはいけないお金なのですか?もしくずした時には経理処理として減資の処理等をするのでしょうか?
また有限会社の場合株主が居ないと思いますが 資本金の資金というのはどこから出ているのでしょうか?
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貸借対照表上は、資本金という科目で○○円という金額が載っていますが、その金額が「○○預金」という名前で引き出せない口座として残っているわけではありません。
確かに会社の設立登記が完了するまでの間は手を付けられない「別段預金」という形で凍結されています(この制度は今年の会社法施行から必要なくなりました)が、設立されてしまえば自由に引き出して使うことができるお金になります。
そもそも設立時の資本金というのは、会社がスタートして店舗を借りたり備品を調達したり商品を仕入れたりといった初期費用に充てられるもので、「保管しておくお金」という意味ではありません。「貸借対照表上、取り崩してはいけない金額」という意味で、取り崩すには減資の手続が必要ですが、これは会計処理上の話です。
もう1つの質問ですが、有限会社でも資本金がある以上、出資をした人は存在します。これは「社員」と呼ばれ、株式会社の株主と同義です。つまり呼び方が違うだけです。ちなみにここでいう「社員」は一般にいう「従業員」を指す「社員」とは意味がまったく異なります。(合名会社・合資会社も同様)
余談ですが、会社法の施行で有限会社は全て株式会社に変わりました。名称としては「○○有限会社」のままですが、法律上は株式会社です。「持分」は「株式」に、「社員」は「株主」に変わりました。(合名会社・合資会社は従来どおりです)
貸借対照表は大きく分けて3つのブロックから成り立っていますが、そのうち資本金が載っているブロックは「純資産の部」といいます(会社法制定前は「資本の部」でした)。会社の設立以来の利益(または損失)は「利益剰余金」として純資産の部に記載されます。
資本金と利益剰余金を足したものが「純資産の部」の合計となり(説明を単純にするためその他の科目は省略しています)、これがすなわち「株主資本」と呼ばれるものです。
赤字ばかり出している会社だと利益剰余金がマイナスになっています。たとえ資本金が1千万円あっても、利益剰余金が△8百万円なら、株主資本は2百万円です。すなわち、株主が最初に出資した1千万円が、現在では2百万円にまで目減りしてしまったということです。
ですから、資本金がいくらであろうと、会社の資産状況は貸借対照表を見ればわかってしまうということです。当然ながら、金融機関等が会社を見るとき、資本金の金額だけを見ればOKなんてことは絶対ありません。
減資とは、赤字の穴埋めに資本金を充てることですが、株主資本が事実上目減りしているということと減資するのとでは、どちらかというと株主側にとっての意味合いが変わってきます。
株主資本の額は株式の現在価値(評価額)を意味しますが、減資は株式の額そのものが減ることになります。
上の例でいうなら、
○減資無し・・・株式1千万円、ただしその価値は2百万円
○資本金2百万円に減資・・・株式1千万円 → 株式2百万円
ということです。もっとわかりやすくいうと、1万円札で2千円の買い物しかできないのと、1万円札を両替したら2千円札しか出て来なかったという違いです。
減資は株主にとっての株式の価値を恒久的に減少させてしまう行為なので、株主の許可がなければできないことになっています。
なお、ここで書いたのは「無償減資」と呼ばれる手続で、他にも有償減資というのもあるのですがここでは関係ないので省きます。興味がある方は会計関係の書籍をご参照ください。
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