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無事故手当の減額について

著者 総務担当M2 さん

最終更新日:2021年11月09日 13:42

無事故手当の減額に関する質問です。

当社では、現場作業を行う従業員に対して無事故手当を支給しています。
事故があった場合、実損額に応じて、半額、全額と、段階を経て安全手当の支給を停止しています。
給与規程には上記減額に関する記載があります。

会議にて上記の内容を話していた際、支給停止の金額の大小によっては違法になる可能性があるのではと意見がありました。

①規定に記載がある場合でも金額が大きければ違法になることがあるか
②規定に記載がない場合は減額は違法となるか。この場合でも違法となる基準の金額はあるか

ご教示いただきたく存じます。
質問内容がわかりにくかったら申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。

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Re: 無事故手当の減額について

著者まゆりさん

2021年11月09日 15:21

基本給残業手当は、会社側に支払義務があります。
支払わない場合は法律違反となるので、会社側がペナルティを受けることになります。
しかし、無事故手当に関しては、法律で支給が義務付けられているわけではなく、会社が設定して支給しているという形式になっています。
つまり、法を上回る支給です。
そのため、無事故手当を支給しなくても違法行為というわけではありません。

事故を起こした場合、社内規程で
無事故手当はどうなるのか?その判断基準は何か?
全額支給されなくなるのか?
何割かがカットされるのか?
・どれだけの期間支給されないのか?
これらがきちんと規定されていて、社員各位にきちんと周知・事前説明していれば、違法となる可能性は低いと思います。

引っかかるのは「実損に応じて」という部分です。
ご存じのことと思いますが、労基法第16条では「賠償予定の禁止」を定めています。
たとえば、
「〇〇をしたら、罰として〇万円給与から引きます」は×
「〇〇をしたら、会社に及ぼした実損額のうち、過失割合に応じて実損額の50%を上限に弁償してもらいます」は〇
です。
つまり、事前に一律の額を定めるのは禁止ですが、実際に生じた損害を弁償させることまでは禁止されていないわけです。
安全策をとるのならば、実損額に応じて支給停止額を決めるのではなく、ご本人の過失割合に応じて決めるのがよろしいかと。
わざとやった場合は、勿論本人の過失が100%ですから、全額停止でも当然でしょう。
しかし、例えばうっかりつまづいて転んで、商品を壊してしまった。
これはどうでしょうか?
人間ですから、うっかりすることも転ぶこともあります。
確かに事故を起こしたことには違いないかもしれませんが、この実損額が高くついたからと言って、全額停止にするのは、疑問が残りませんか?
仮に、わざとやったほうも、うっかりミスも、同じ5万円の損害だったとして、損害額が同一だからと手当を全額停止するのは、やはりトラブルの元になるような気がします。
会議で異論を唱えた方が本当に仰りたかったのは、こういうことではないでしょうか?

ご参考になる点がありましたら幸いです。

Re: 無事故手当の減額について

著者総務担当M2さん

2021年11月09日 18:19

まゆり様

ご丁寧な回答をいただきありがとうございます。

> 引っかかるのは「実損に応じて」という部分です。
> ご存じのことと思いますが、労基法第16条では「賠償予定の禁止」を定めています。

こちらについては以下のような規程です。

無事故の場合:〇円(満額)支給
実損額が〇円未満の場合:〇円支給
実損額が〇円以上の場合:支給なし

手当がカットされるというものではなく、無事故だったら支給するという内容です。

過失割合に応じた運用について、参考にさせていただきます。

会議での異論は「カット金額が給与の何%に達したら違法なのでは」というようなものでした。(ご回答をうけて、この点は問題ないと存じています)

いずれのご意見もとても参考になりました。

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