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TOP > 記事一覧 > 経営・財務 > 成長の秘訣は「組織効力感」株式会社セブンデックス代表取締役・中村 伸啓氏と堀田 信治氏にインタビュー
株式会社セブンデックス

成長の秘訣は「組織効力感」株式会社セブンデックス代表取締役・中村 伸啓氏と堀田 信治氏にインタビュー

時代の先を行く経営者に、経営の本質に関わる“5つの問い”を投げかけ、成功の秘訣に迫るのが本企画。

今回は、株式会社セブンデックスの代表取締役・中村 伸啓氏と、同じく代表取締役・堀田 信治氏にインタビューしました。

株式会社セブンデックスは、UXUIデザイン、ブランディング、ユーザー体験からコミュニケーションまで一気通貫でデザインし、企業価値の向上と事業成長を支援しています。2018年に設立した同社は飛躍的な成長を遂げていて、2021年度ベストベンチャー100にも選出されています。

成長を続けている株式会社セブンデックスの代表取締役の2人に、経営についての考え方や、直近行ったオフィス移転についてお伺いしました。

<プロフィール>
株式会社セブンデックス
代表取締役
中村 伸啓

1992年生まれ、大阪府出身。株式会社マイナビにて広告のディレクション、サービス開発を経て2018年にセブンデックスを共同創業し、代表取締役に就任。顧客起点のマーケティングとデザインを実現し、事業成長へと導くデザインスタジオ事業を展開。「心が熱くなる未来と時代のシンボルになる企業を創る」をビジョンに、日本のビジネスシーンのアップデートに取り組む。経営戦略、事業戦略、ファイナンスを管掌。

代表取締役
堀田 信治

1991年生まれ、大阪府出身。2018年に株式会社セブンデックスを共同創業し、代表取締役に就任。事業成長へと導くマーケティング&デザインソリューション事業を展開しており、これまで携わったプロジェクトは、ブランド戦略、UXデザイン、新規事業開発と多岐にわたる。現在は自社内の新規事業立ち上げに従事。

Q1. 自社の歩みで印象に残っている「転換期」について教えてください

中村 伸啓氏(以下、中村氏/上写真、左):セブンデックスの転換期は、事業の幅を拡大した時ですね。当社は創業時、主にUXUIデザインの領域を支援するデザイン会社としてスタートしました。

しかし、クライアントワークを進めるなかで新規ユーザーの獲得効率に最適化されたデザインが、実は長期的なユーザーとの関係構築に適していないという問題が起こりました。

堀田 信治氏(以下、堀田氏/上写真、右):この問題に直面し我々は、両方同時に追求することで、クライアントの事業利益を最大化できると考えました。そのため、UXUIデザインのみを支援するデザイン会社から、UXUIデザイン、ブランディング、ユーザー体験からコミュニケーションまで一気通貫で支援する事業へと幅を広げたのです。

その結果、スタートアップから大企業までさまざまなクライアントのマーケティングをご支援させていただけるようになり、順調に事業は成長しています。

Q2. 自社の経営理念や、パーパス・MV(ミッション・ビジョン・バリュー)についてお伺いします

中村氏:当社は創業以来、企業、事業、サービスを前進し成長させるために支援を行っています。また、そのベクトルの先には「今より楽しい、良い未来が待っている」と信じ、まだまだ豊かになる可能性を探しています。どんなに小さなことでも一つずつ変革をもたらし、積み重ねの先に日本中のあらゆるシーンを沸き起こす。日本中のありとあらゆるシーンに目を向け、非連続的な変革を通じて、日本を豊かにすることが当社の存在意義であるとして、パーパスを「小さな革命を次々と生み出し、日本のシーンを沸き起こす」に定めました。

現在の企業理念は2023年3月に刷新したものです。しかし、メンバーからは(企業理念が)「覚えづらい」「誤った解釈をしやすい」という声が挙がりました。そこでメンバーへヒアリング実施したところ、企業理念のメッセージ自体に課題があるわけではなく“表現方法”に問題があることが明確になったので、内容は変えずに表現のみを変更しました。

非常に細かな表現の変更なのですが、社員一人ひとりがその企業理念を見て、共通のものを描けるようにチューニングしました。その結果、企業理念への共感も88%まで持ってくることができました。

Q3. 組織づくりや採用で注力されていることはありますか

堀田氏:組織づくりや採用を行うなかで、カルチャーの形成について非常に重要視していますね。採用選考では面談や課題選考を行い、スキルを評価した後、選考途中でメンバーとの食事会を実施しています。食事会では、多岐にわたる内容でコミュニケーションを図り、カルチャーフィットするかどうか互いに判断できる場として設けています。

組織づくりに関しては、社内での情報発信の強化や採用に関する取り組み、社内勉強会の開催など、多くの施策を実施しています。なかでも、小規模のプロジェクトチームをつくり、社内の課題に対して取り組むバディ制度では、その結果として、社員たちが自ら組織を前向きに変えていく姿勢や文化が育まれていると感じています。

Q4. オフィス移転のきっかけや目的を教えてください

堀田氏:現在の採用計画から考えると、前のオフィスが手狭になったことが理由で移転を決意しました。

オフィス空間は我々の企業文化の形成において非常に重要であり、場を共有することで、社員間の関係性が深まり、新たなアイデアが生まれると考えています。

新しいオフィスは、美大出身のメンバーが中心となり企画・考案しました。オフィスは「ワークスペース(執務室)」「フリースペース」「エントランス&ミーティングルーム」の3エリアで構成しており、いずれのエリアも壁などで区切りを設けず、会議室も分散して配置することで、開放感あふれる空間になるよう仕立てています。

フリースペースに設置しているベンチやプランターは動かせる仕様にすることで、イベントなどを行う際も空間を広く活用することができます。人が集まってコミュニケーションが生まれやすい形にすることで、創造性も高めてくれる場として今後オフィスを活用していければと考えています。

Q5. 成長していく企業の特徴はどのようなものだと考えていますか

堀田氏:企業が持続的に成長するための特徴は大きく2つあると思います。

1つ目は“市場の選択”が非常に重要です。特定の市場、たとえば低成長の市場に投資すると、成長は難しいでしょう。逆に、高成長が期待される市場を見極めることは、企業の成功の鍵となります。

2つ目は“組織のカルチャー”だと考えます。どのような事業を運営しているかに関係なく、組織のカルチャーやその中の人々が最終的には成功を左右するでしょう。

強固な組織カルチャーを持ち、そのなかで個人が高い“自己効力感”を持っている場合、新しい事業や難局にも柔軟に対応できると考えています。そして、強い個が集まることで、「このメンバーと大きなことに挑戦できそう」という感覚や、どん底の状態でも「この人たちとなら乗り越えられる」という、いわゆる“組織効力感”が生まれます。組織が強ければ個も強く、個が強ければ組織も強いということです。

この強固な組織カルチャーを構築する過程で、企業はビジョンや価値観(バリュー)を明確にしていく必要があります。先程中村が説明した、企業理念がここで活きてくるわけです。

企業理念に沿って目標設定をし、マネジメント層がフィードバックや評価を行い、その評価によって、メンバーが少しずつですが成長していくことで、今までできなかったことができるようになります。個が強くなれば、自ずと組織も強くなる。その正の循環こそが、企業の成長には必要なのではないでしょうか。
※「組織効力感」は株式会社Momentorの商標です。

***

今回は、株式会社セブンデックスにお話を伺いました。企業理念は一度決めるとなかなか変更するのが難しいものですが、社員への浸透状況から思い切って表現を刷新し、さらに社員への浸透を加速させたというのは興味深いエピソードでした。

企業理念が社員になかなか伝わっていないと悩んでいる企業は、浸透のさせ方とともに、表現方法にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

Interview&Photo/Takanobu Sasaki

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