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M&Aクラウド 及川さま

時価総額10兆円を目指す!株式会社M&Aクラウド 代表取締役CEO・及川厚博氏にインタビュー

2024.03.26

時代の最先端をひた走る経営者に、経営の本質に関わる“5つの問い”を投げかけ、成功の秘訣を紐解くのが本連載「成功を掴んだターニングポイント」。

今回は、株式会社M&Aクラウド代表取締役CEO及川 厚博氏にお話を伺いました。

株式会社M&Aクラウドは、「M&A」というソリューションで、日本産業の継続的な発展支援を行うことを目的とし、及川氏と前川氏が共同代表で2015年に設立。テクノロジーの力でM&Aを簡単に、よりスマートにすることで、「事業承継」と「スタートアップのEXIT」という課題の解決を飛躍的に推進。時価総額10兆円企業を目指し、挑戦を続けています。

今回は、株式会社M&Aクラウドの設立から現在までの転換期や組織づくりについて、経営の本質に直結する“5つの問い”を投げかけてみました。

株式会社M&Aクラウド
代表取締役CEO
及川 厚博

2011年在学中に起業。オフショアでアプリ開発を行う。4年で年商数億円規模まで成長させるも、別の事業に集中するため、2015年に同事業を数億円で事業譲渡。自身もM&Aのアナログな点に苦労した経験から、これらの課題をテクノロジーの力で解決したいと思い、株式会社M&Aクラウドを設立。Forbes NEXT UNDER 30選出。

Q1. 自社の歩みの中で印象に残っている“転換期”について教えてください

一番の転換期でいうと、求人広告型のM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」のリリースです。システム制作の段階では、ユーザーヒアリングが非常に重要なのですが、当初はとても難航しました。「M&Aクラウド」のユーザーは会社売却や事業譲渡を検討している経営者の方々が中心で、心情的に話したくないという方も多いためです。

そこで、ヒアリング対象を実際のユーザーではなく、よりユーザーに近い存在である過去に会社売却を経験したことがある知人の経営者に切り替えたことで、一気に仮説検証が進みました。ユーザーヒアリングが難しい領域では、発想の転換も求められます。

また、2022年に株式会社チェンジによる猫型配膳ロボット販売台数が世界1位である株式会社DFA RoboticsのM&Aを担当したことも大きな転換期でした。「デュアル・トラック・プロセス」といわれる、IPOとM&Aを同時並行で準備する手法を活用することで、譲渡時の企業価値をあげることができ、結果双方納得のいくM&Aが実現しました。今後は、スタートアップなどが大手企業の傘下で成長した後に上場をする「スイングバイIPO」を目指すと聞いています。スタートアップの新しいM&Aの形をいち早く示すことができたと感じています。

当社は、設立当初からスタートアップのM&Aに力をいれていきたいという思いがあり、企業ロゴにもその想いを込めています。赤色(イノベーション・レッド)はスタートアップ、青色(トラディショナル・ブルー)は事業承継を指しています。両者はまったく異なる問題を抱えていますが、どちらの問題もM&Aというソリューションで解決できるという気持ちを示しています。

Q2. 自社のパーパス、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についてお伺いします

弊社は「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」をミッションに掲げています。

また私個人の話でいうと「歴史に名を残したい」という個人のビジョンがあります。より大きな社会課題を解決し、そのビジョンを叶えるため、在学中に起業をしたり、売却をしたりと積極的に挑戦を続けてきました。

そして企業として世界に名を残すためには何が必要なのかと考えたときに、過去の時価総額ランキングを見て時価総額10兆を目指すべきだと気づいたことが、「時代が求める課題を解決し時価総額10兆円企業へ」という会社のビジョンにも影響しています。時価総額とは「どれだけ大きな課題を解決することが可能か否か」を表す指標です。

時代によって必要とされる課題は移り変わります。そして、そのような課題を解決した企業や人だけが歴史に名を残すことができます。社内では時価総額10兆円までのロードマップをつくって共有し、アップデートを続けています。

Q3. 採用や組織づくりにおいて注力されていることを教えてください

ハイクラス採用に関していえば、採用候補者一人ひとりにあわせた会社紹介資料をつくり、個別のプレゼンテーションを実施してもらいます。弊社に入社するということは、時間とお金を弊社に投資してもらうのと同じことです。そのため、投資家の方にプレゼンテーションを行うのと同様に対応し、しっかりと将来的なキャリアを示しています。

また、広報活動には力を入れていますね。社員インタビューなども含めて、積極的にオウンドメディアで発信をしています。転職エージェントに対しては会社のことをより知ってもらえますし、選考途中の方に記事を共有することで社内の情報を知ることができるため、意向を高める効果があると感じています。

組織づくりにおいては、部署や課を超えて一緒にランチを食べるという『マドラーランチ』という取り組みを実施しています。M&Aは非常に困難な業務です。社員同士の連携が必須であり、課や部署の垣根を越えていかなければ成立しません。こまめなコミュニケーションで社内が“1 Team”となることで、実務にも好影響があると思っています。

社内での部活動も活発ですね。サッカー部、マンガ部、キャンプ部、ゴルフ部、激辛部、ボルタリング部などがあり、今も増え続けています。

Q4. オフィス移転のきっかけや目的を教えてください

移転のきっかけは、人員増加により手狭になったことがきっかけです。弊社では企業価値最大主義をモットーにしているため、企業の時価総額に関わるオフィス移転は非常に重要な項目です。よい条件が来るまで待ち続け、条件にマッチすればタイミングを逃さないことが大切です。

実は、新型コロナウイルスが5類感染症に移行した際、出社頻度を自由出社から週3出社に変更したのですが、社内ではさまざまな意見があがりました。社員に出社を強制するのは簡単ですが、社員のモチベーション低下につながってしまえば意味がありません。社員が自発的に出社したくなるオフィスに焦点をあてて考えた結果、駅からの距離が近く、景色もよい物件を選びました。社内には社員が自由に使用できるカフェスペースや、コミュニケーションを円滑に行えるよう広いイベントスペースを設けています。

今後もより社員が来たくなるオフィスを目指しアップデートを続けていく予定です。地方への出張も多いので、新幹線の停車駅や空港にアクセスのよい駅というのも魅力を感じています。

Q5. 企業の成長についてお考えをお聞かせください 

「M&Aクラウド」というM&Aのプラットフォームや、事業会社からの資金調達を支援するプラットフォーム「資金調達クラウド」など、複数事業を展開しているのですが、今後もさらに事業を増やしていきたいと考えています。

事業を増やし、利用する企業が増えることは、M&Aにおける売り手企業と買い手企業の双方にとってマッチングの幅が広がるためプラスとなります。企業同士の最適な出会いや、オンライン・オフラインなど相談方法、最適なマッチングの方法などあらゆるを提案していきます。

また、時価総額10兆円企業を目指し、引き続き採用に力をいれていきます。

***

新型コロナウイルスが5類感染症に移行し、出社回帰の流れも増えてきました。ただ出社を強制するのではなく、社員が出社したくなるオフィスにつくり替えることで、社内のハレーションをはねのけた及川氏の決断は、社員からの支持が高いのも頷けます。取材中も笑い声が溢れ、社員の方々はとても元気に挨拶をしてくださるのが非常に印象的でした。社員が生き生きと働ける環境が整備されているからこそだと感じます。

是非、参考にしてみてください。

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