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paiza 片山さま

IT人材を輝かせ、日本の未来に希望を!paiza株式会社 代表取締役社長・片山良平氏にインタビュー

2024.05.21

時代の最先端をひた走る経営者に、経営の本質に関わる“5つの問い”を投げかけ、成功の秘訣を紐解くのが本連載「成功を掴んだターニングポイント」。

今回は、paiza株式会社 代表取締役社長 片山良平氏にお話を伺いました。

paiza株式会社は「異能をのばせ。」をコンセプトとして掲げ、日本最大のITエンジニア転職・就職・学習プラットフォームを展開。また、教育機関に対して無償でプログラミング学習サービスを提供しています。

今回は、paiza株式会社の設立から現在までの転換期や組織づくりについて、経営の本質に直結する“5つの問い”を投げかけてみました。

paiza株式会社
代表取締役社長
片山 良平

インターネット黎明期より100を超える企業のWebデザイン、システム開発などに携わる。その後、ITエンジニアとしてPHPとMySQLを使用したCMS、ASP型ECモールなどの自社開発を担当。 2007年より、ネットイヤーグループ株式会社にて大手通信企業のデジタルマーケティング戦略を統括。 2011年株式会社エムアウトに入社し、 2012年に株式会社スタートアップパートナーズ(現:paiza株式会社)を設立。代表取締役社長に就任。

Q1. 自社の歩みの中で印象に残っている“転換期”について教えてください

最初の大きな転換期は、paizaの前身となるスタートアップパートナーズで取り組んだ人材紹介事業を半年ほどで思い切ってクローズし、事業をピボットしたことです。当初の事業では、売り上げは立つものの、事業の広がりを感じませんでした。そこでエンジニア採用に課題を感じていたこともあり、現在のpaizaの形に辿り着きました。スタートアップパートナーズでの経験があったからこそ今につながっていると感じています。

次の転換期は2020年のMBOです。独立性のある企業になってIPOを目指そうと取り組んだのですが、MBOの準備で忙しく事業サイドをあまり見られない期間ができてしまいました。また、MBO後すぐに新型コロナによる緊急事態宣言なども重なり業績も悪化しました。

そこで、自分が過去の成功体験をベースにしてこだわっていた意思決定や判断指針を一旦すべてリセットしました。事業が成長し、社会的にインパクトが出せるサービスになるよう方針を変えた格好です。たとえば、ユーザーや市場が求めていることであれば、過去の慣例にとらわれず取り入れていこうとなり、キャリアアドバイザーのいる人材紹介部門を立ち上げました。数名程度の営業部門も、50名を超える組織へ拡大しました。

さまざまな方針転換のせいで、過去の自分の発言との整合性が取れなくなり、社内では混乱が起き、会社を去ってしまった人もいました。しかし、社会課題を解決するためには、居心地が良い環境に身を置いているだけでは大きな影響力を持つことはできません。「高い目標を掲げ、死にものぐるいでやりきること。生き残るために不可能なことを可能にすること」と覚悟を決めて取り組んだことで、再成長できました。

Q2. 自社のパーパス、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についてお伺いします

コンセプトである“異能をのばせ。”は、MBOのタイミングで刷新しました。また、2024年に入ってからは、“人類の可能性を最大化する”という言葉を北極星的な立ち位置としました。

“異能をのばせ。”には切磋琢磨し続け、時代の変化に合わせて自分の役割を見つけていくという意味合いを込めています。また、個人個人の力を引き出したいという思いも強く、それは人類の可能性を最大化するということにつながります。

人類は産業革命以降、さまざまなテクノロジーによって可能性を広げてきました。現代ではITがその可能性を担っており、それを支えているのがITエンジニアです。弊社はITエンジニアを増やし、彼らがより活躍できるようにしたいと考えています。

その実現のため、“ITエンジニアといえばpaiza”といわれるような存在になる必要があります。ただ現状ではまだまだ乖離があり、一つひとつ挑戦を続けている最中です。経営サイドもドラスティックに何かを変えていくような決断が求められるときは、コンセプトに基づいて意思決定をしています。

Q3. 採用や組織づくりにおいて重視されている点について教えてください

私自身が選考に関わるハイレイヤーの採用では、地頭の良さや人としてのエネルギーがあるか、最後までやり続ける胆力があるか、素直で誠実性があるか、という視点を大切にしています。面接では、人生で最も困難だった事柄に関して質問をしています。仕事に限りませんが、困難を乗り越えた経験がある人は胆力がつくので、その点は重視しています。

採用は本当に難しいです。採用をすればするほど人って難しいと痛感しますし、人を見極めることは不可能だとすら感じます。持っているエネルギーは個々人で異なるので、入念に確認するようにしています。

入社後は、約1か月かけてオリエンテーションや研修を行います。また、全体で話す場を隔週で設けて、私の言葉で伝えるようにしています。

Q4. オフィス移転の背景と目的、移転後の社内の変化について教えてください

オフィス移転のきっかけは、ビルの取り壊しによるものと、人員増加により手狭となったことの複合要因です。

移転に際し、オフィスの役割について考え“社交場”をコンセプトとしました。弊社はハイブリッド勤務ですが、出社によってコミュニケーションが生まれる場所としてデザインをしました。

また、弊社のコンセプトである「“異能”が好むオフィスとはなんだろう」ということを考えました。そして、「ストレートな発想ではなくて、さまざまなやり方が生まれる場所なのでは?」との考えに至り、整然とさせるのではなく、迷路のような通路にしたり、エリアごとに多彩な使い方ができる工夫などを行いました。

さまざまな通路があるので、社内を歩くことにより普段交流をしない人と目が合い、会話が生まれるようになりました。私自身も社員に話しかけやすくなったな、と効果を感じています。

Q5. 企業の成長についてお考えをお聞かせください

日本では人口減少が続いており、それに比例しGDPや国力も低下が続いています。その中で日本が生き残り、未来に希望を持てる国にしていくためには、一人ひとりの生産性を上げていく必要があります。そして、それはITによって成し遂げることができると私たちは考えています。

まずは、今IT業界にいる人たち が輝いている状態をつくる必要があります。そのために弊社は、個人個人の生産性が上がり、自分がやりたい仕事に情熱を持って取り組める環境をつくるべく、転職や就職の事業に取り組んでいます。また、それを見てITエンジニアになりたい!と思った方がスムーズにエンジニアを目指せるような教育のエコシステムをつくろうと学習事業にも取り組んでいます。この両輪を回しながら、日々挑戦を続けていきたいです。

***

たとえばeスポーツのように昔は遊んでいると思われていましたが、今は異能として認められたものも多くあります。また、フィールドによって“異能”は異なるもので、それを探求し続けたいという片山氏。フィールドや時代の変化に合わせて、主体的に成長しようと自分の役割を探し続けるバイタリティー自体が、現代に求められる“異能”といえるのかもしれません。

ぜひ、参考にしてみてください。

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