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男女3人が話している様子

中小企業でも長期インターン生を受けるメリットは?採用に向けて意識したいポイントも解説

4月・5月を経て、さまざまな企業が新卒メンバーを迎えたとことでしょう。そんな中、「今期の採用についてもう考えないと」と採用活動をすでに始めている企業もあるのではないでしょうか。この記事では、長期インターンシップについてさまざまな観点から解説します。

長期インターンシップとは

長期インターンシップとは何か、決まった定義があるわけではありません。おおむね「一緒に働く機会を提供し素養を見て、そのうえで本採用とするかを検討する」という考えのもと運用をしている企業が多いのではないでしょうか。

筆者は大学時代アメリカにいましたが、アメリカでは日本のような新卒採用はあまり一般的ではありません。各企業が学生や卒業生をインターンとして雇い、しばらく一緒に働いてみて、よければ正社員として採用するという、先に述べたような形式が一般的です。

日本においても、学生インターンを長期で雇い採用につなげる長期インターンシップについては、技術系の企業やベンチャー企業ではポピュラーな採用方法となってきたと感じます。

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中小企業が長期インターンシップを行うメリットとデメリット

長期のインターンシップを中小企業として取り組むかは、メリットとデメリットの両面を見たうえで冷静に考えるべきです。

長期インターンシップのメリット

企業目線でのメリットとしては、優秀な学生に対して自社の印象を強く残す手段として活用できる点が挙げられるでしょう。

就活フェアに出展することで会社理解を促すことはできますが、売り手市場である昨今、学生からすると「会社側のPRだけを聞かされている気がしてあまり素直に受け取れない」という意見もよく聞かれます。会社のよいところだけでなく悪いところも見てもらい、肌感をもって会社の特徴を伝える機会としてインターンは有益でしょう。

また、企業目線でのメリットは、そのまま学生にとってのメリットにもなります。学生目線で考えると、本採用前から仕事場の雰囲気や実際の業務を知ることにつながります。

採用後のミスマッチにつながる大きな原因は、必ずしも魅力的ではない会社の側面を入社後に知ってしまうことにあるでしょう。長期インターンシップにより企業の内情に触れてもらうことで、双方ともにミスマッチを防げるのです。

長期インターンシップのデメリット

まず考えられるデメリットは、企業で“ちょっと”働く経験を提供することは、かえってネガティブに働くかもしれないという点です。

多くのインターンシップでは、内定前の学生であることもあり、部分的に切り分けた仕事や簡単な仕事を任せるケースが多く見られます。そうなると、学生にとってはその企業で働くありのままの体験をすることができず、場合によっては物足りなさを感じることもあるでしょう。そうならないためには、インターン開始前に、学生と期待値やコミットメントの度合いをすり合わせて明確にする必要があります。

また、対応工数もデメリットになりうる点です。いかに学生が優秀だとしても、新人が突然チームに加わることとなるので、一緒に仕事を進めていくメンバーにとってはかなりの負担が発生します。ただでさえ忙しい中で、インターン生の扱いがおざなりとなってしまうことが多くあるでしょう。こういった状況で現場にさらなるコミットメントを要求するのは、業務的かつ心理的な負担にもなりかねません。

筆者としては、社長や取締役員がインターンプログラムに対するコミットを見せることで、周りを巻き込んでいくのがよいと感じます。

インターン生を正社員として採用するために意識したいポイント

では、インターン生に対して具体的にどういうコンテンツを提供していくのが良いのでしょうか。

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実務に取り組ませながら教育する

企業に合う・よい人を採用するという観点からは、特別なコンテンツを提供するのではなく、社員が行う業務を普段通りに行ってもらう、ということがおすすめです。

筆者が以前在籍していたとある企業では、新卒採用業務には正社員はほとんど入らず、内定者であるインターン生が考え、企画し運用していました。自社のよさを説明するためには、自身が理解し言語化しなければいけないことから、インターン生にとっては営業の実習としても機能していたように思います。

このように、本来は社員が担うべき業務をインターン生に任せることで、お客様感覚ではない業務体験の機会になるわけです。

マインドが自社と合うかを見る

インターンプログラムの運用には、スキルではなくその学生のマインドに向き合う方が重要です。

長期インターンといっても正社員ではないので、社員と同じような働き方を期待することは無理筋でしょう。従って、適切な期待値の合意が必要になるわけですが、この期待値についても相手が学生であることを認識し、スキルセットではなくマインドセットとして企業に合うかどうかを見る方が現実的です。

学生に寄り添いすぎる必要はない

インターンを受け入れる企業の多くが、あまり責任やプレッシャーのかからない仕事を任せてしまうのではないでしょうか。“なんとなく”仕事場で働いた経験を持たせてしまうことで、責任感が求められる環境とのギャップに悩む人や、入社後に新しい仕事を覚えなければならないという意識が希薄になる人が出てきがちです。

難易度が低く成功しやすいタスクのみアサインするなど、学生側に寄り添い過ぎるプログラムを用意するのは控えましょう。仕事に責任を持たせ対応させることは、どのインターンプログラムでも意識すべき点です。

まとめ

インターンプログラムとなると身構えてしまう企業も多いかと思いますが、できるだけありのままを伝え、体験してもらうことが、最もその企業に合った採用につながるでしょう。同時に、学生にとって気付きの場となり成長を促せるプログラムを提供できれば、満足度の向上につながるはずです。

社会人としての責任に応えて仕事をしていく楽しさの一端を見せ、自社がよいとする価値観に触れてもらう機会を作ることが、インターンプログラムとしてあるべき姿ではないでしょうか。

*maroke, metamorworks, takayuki, imtmphoto / shutterstock

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