マンガを起点に企業の課題解決を行なう唯一無二の企業!株式会社トレンド・プロ代表取締役社長・岡崎寛之氏にインタビュー
時代の最先端をひた走る経営者にインタビューし、その成功の秘訣を探る本連載「成功を掴んだターニングポイント」。
今回は、株式会社トレンド・プロ代表取締役社長・岡崎寛之氏にお話を伺いました。
マンガ企画を起点にトータルプロデュースをする株式会社トレンド・プロは、広告や社内向けのイントラサイト、ビジネス書籍などで、マンガというコンテンツを活用して、企業が抱える課題の解決を行っています。これまでに約2,000社、10,000件以上の制作実績があります。現在は「マンガ+αで世界中の『伝えたい』に革命を」というパーパスのもと、マンガを通じて顧客のニーズに応えるプロデュース業に乗り出し、サービスの付加価値を高めています。
今回は、株式会社トレンド・プロの直近のオフィス移転から今後の展望に関して、経営の本質に直結する“問い”を投げかけてみました。
株式会社トレンド・プロ
代表取締役社長
岡崎 寛之
神奈川県茅ケ崎市出身。2014年に株式会社クロス・マーケティンググループに入社し、コンサルティング業務や新規開拓などを経験。2018年に株式会社トレンド・プロに入社し、人財開発部部長を経て代表取締役社長に就任。事業の屋台骨だった漫画制作業務にとどまらず、漫画を通じて顧客ニーズに応えるプロデュース業に乗り出し、サービスの付加価値を高めている。
オフィス移転を社内変革のきっかけとし、新しい風を吹かせたい
――今回のオフィス移転の背景を教えてください
岡崎寛之(以下、岡崎):弊社は35年間新橋・虎ノ門近辺にありました。居心地は良かったのですが、会社の成長段階としては落ち着きすぎており、このままではいけないと感じていました。そんな矢先にビルの取り壊しが決定し、これを社内変革のきっかけにしようと、新橋・虎ノ門を離れる決断をしました。
――移転後によい変化は起こりましたか
岡崎:弊社では基本的に出社の義務付けはないのですが、移転後明らかに出社率が増えました。社内に人が増え、オフィスのレイアウトも話しやすい距離感で設計されているため、自然と会話が生まれるようになりました。
岡崎:また、社員同士で話し合いコアバリューを設定し、オフィスの空間ごとに定義づけを行いました。今後は、漫画家さんに書いていただいた絵を飾ったり、会議室の壁にバリューを書いたりと、さまざまなアップデートを計画中です。
マンガを使って社内の共通認識を育成
――御社はビジネス書を手掛けられているイメージを持っていましたが、多岐にわたる事業を手掛けられているんですね
岡崎:ビジネス書が目立ちますが、実は企業の課題解決に向けた施策が圧倒的に多いです。例えば、社内向けのイントラサイト(社内用ウェブサイト)で連載を行い、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透を目的とした施策などを実施しています。多くの企業が人材に投資を進めるなかで、仕事内容や理念に対して共通認識を持つことが難しいという課題を感じています。
マンガを通じてまず概要を理解していただき、その後の行動変容を促すため、ワークショップを開催します。ワークショップでは、自分の言葉と他の人の言葉を共有することで共通認識を深めていきます。このような、マンガ+αの施策で、企業の課題解決をサポートしています。一人ひとりの価値を存分に発揮するという認識が社会的にも高まり、それに伴いニーズも増加しています。
時代の変化に合わせて、ブラッシュアップしてきた評価制度
――最も印象に残っているターニングポイントを教えてください
岡崎:創業者は私の父で、中小企業の典型的なワンマン社長で、0から1を生み出すことが得意な人でした。社員が増えるにつれ、従来のやり方ではうまくいかなくなり、そのタイミングで私が参画しました。
当時は編集者として個人の数字を追っていたため、数字の奪い合いが生じていました。全て一人でこなすため、生産性も低く最適化されていませんでした。そこで、働きやすさにフォーカスして、個人ではなくチームとしての評価制度へと変更しました。苦手なことは得意な人に任せ、逆に自分が得意なことは他の人の業務も巻き取るという形で交流が生まれ、進捗が130%程度向上しました。
岡崎:働きやすさ重視のスタイルがうまくいった一方、しっかり働いて結果を出すというより、働きやすさに固執してしまう社員も出てきたため、3年後に評価制度を変更しました。その時代の変化に合わせて、制度もブラッシュアップしていく必要があるというのが私の学びです。
――評価制度の変更以外でよかった判断はありますか
岡崎:当時、会社が社長の器を超えるためには、権限委譲が必要であると認識をしていたので、トップダウンではなく、一人ひとりの自由な意思決定を支援する方針をとりました。
個人的には“言われたことをやるだけ”ではとてもつまらないと思っています。出来れば自分で決めたことを実践して失敗もしつつ改善をしていくという働き方をして欲しいです。自分が幸せになるためにも自分に価値を持つうえでも、“自分で決定する”ことが、今後の社会を生きていくうえでとても必要になると思っています。
自分の正しさの確立と相手の正しさの受容
――採用時に重視していることを教えてください
岡崎:向上心があるのか、人と違う意見を持ちながらも一緒に前に進めるのかという点を重視しています。
人にはそれぞれ個性があり、“正しさ”も異なります。自分の正しさばかりを主張したり、逆に相手の正しさに飲まれてしまったりせず、自分と相手を俯瞰して一緒に前に進むのは意外と難しいことです。これが出来ると、組織としてなにをやってもうまくいくと考えています。
マンガの持つクリエイティブの力で爆発的な効果を生み出す
――今後の展望を教えてください
岡崎:マンガのクリエイティブは「何が当たるか分からない」「当たり外れがある」といわれることが多いですが、クリエイティブには爆発的な効果があります。弊社ではクライアント企業のゴールイメージ、課題、ターゲットを明確に持って取り組んでいるため、失敗する確率を減らすことができます。うまく作用すれば想像以上の効果を発揮します。
クリエイティブの持つ水物感と、弊社の合理的な成功法則の両面を活かすことで、人々の心理とビジネスを掛け合わせて精度を高めています。マンガを通して、“興味がなかったけど、心地よい意思決定ができた”という状態を作り出します。また、他業種のパートナーとも組んでさらなる企業の課題解決に取り組んでいきます。
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マンガは日本を代表する文化の一つです。人の心を動かす力を秘めたクリエイティブの力。MVVの浸透や社内の共通認識を持ち、結束を高めるためのツールとして最適だというのも納得です。
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