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一人で悩んでいる経営者必見!信頼できる相談相手の見つけ方

2024.11.12

一般的に“社長”や“経営者”と呼ばれる人は特別な才能を持ち、何でも一人で決断できる人物というイメージがあるかもしれません。メディアに紹介されるような有名な経営者諸氏の自信に満ちた革新的なスピーチやインタビューを見ていると、そう感じてしまうのも無理はありません。しかし、実際の経営者たちは多くの悩みを抱えています。組織の最終責任者として、周囲に相談できる相手を見つけにくく、孤独を感じながら課題に向き合うことも少なくありません。

本稿では、経営コンサルタントである筆者の立場から、経営相談の必要性、適切な相談相手の選び方、そして探し方について解説します。

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経営コンサルタントが垣間見る経営者の抱える課題とは

中小企業の経営者は、大企業に劣らない深刻な課題に直面します。経営陣が少ない中で、人材の確保や育成、資金繰り、マーケティング、営業・販売強化、ビジネスモデルの刷新など、多岐にわたる課題を抱えています。そのため、相談するべき相手を常に求めている経営者が多いのではないかというのが経営コンサルタントとしての筆者の感覚です。

最近、筆者が特に多く受ける相談は、いかにして事業に必要な人材確保をしていくかという人材採用に関するものです。これは大きな問題で、どんなに離職への対策を行ったとしても求人に応募がないのをどうしたらよいかという相談は常にあります。また、集客や営業戦略の強化、資金繰りの問題も経営の大きな足かせとなっています。こうした複雑な課題に一人で向き合うのは重すぎる負担です。

解決策を見出すには、経営者が専門家や同業の経営者からアドバイスを得ることが不可欠です。信頼できる相談相手を見つけ、適切な支援を受けることは、課題解決に向けた最初のステップであり、効果的な経営判断を支える大きな助けとなります。

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相談相手のいない経営者の実態

中小企業庁の調査によれば、中小企業の経営者の4割が、社外の相談相手からのアドバイスといった「外部支援」を活用していないことが明らかになっています。現状把握、計画策定、運用といった経営の基本的なプロセスにおいても、一人で経営判断をしているケースが多いのです。

外部支援を受けている企業と、受けていない企業を比較すると、支援を受けていない企業は相対的に、市場環境の把握や自社の強み・弱みの理解が浅く、自己評価も低い傾向にあります。その結果、経常利益や雇用の面でも安定した成果を出せていません。また、小規模企業ほど外部支援を受ける割合が低く、経営者が孤立しやすい状況が浮き彫りになっています。特に小規模企業では、社内で相談できる役職者が限られているため、厳しい経営環境の中で信頼できる社外の相談先を積極的に探す必要があります。

多くの経営者は事業を切り開く強い意志と独自の視点を持っていますが、事業が成長するにつれて多様な視点や経験が求められます。外部の相談相手を持つことで視野を広げ、意思決定の精度を高めることが可能になります。これにより、経営の安定化とビジネスのさらなる発展が期待できるのです。
【参考】中小企業白書2020年/中小企業庁

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相談相手を選ぶポイント

適切な相談相手を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。大きく2つのタイプで相談相手を求めると効果的です。ひとつは直接の経営経験がなくとも、経営者支援において実績があり、かつ深い専門性を持ったスペシャリストタイプ。対して、直接の経営経験もしっかりあり共感しながら助言をくれる経営者タイプです。ただし、自身の経営者としての状況を深く理解し、自らの事業について対症療法的な目線ではなく長期的な視野を踏まえて親身になってくれる相談相手を探すことが重要です。そのうえでいくつかの選定ポイントについて説明します。

専門的な理解

相談相手が自分の業界やビジネスモデルを深く理解していることは、的確な助言を得るために欠かせません。課題の解決策が効果を上げるかどうかは、その分野に精通しているかに大きく左右されます。ただし、総務や会計などの一般的な業務に関する助言では、専門分野に特化していなくても問題ありません。

支援実績

過去に中小企業向けの支援実績があるかどうかも重要です。信頼できる相談相手ほど、具体的な成功例や実績を持っています。

筆者の経験では、営業支援やマーケティング支援、ITコンサルティングなどの分野で、異なる業界の事例を無理に適用して失敗したケースも見受けられます。そのため、支援実績をよく確認することが大切です。また、実際に相談を受けた他の経営者からの評価や評判を参考にするのも有効です。

人柄

長期的な関係を築くには、信頼できる人柄が不可欠です。相談相手との相性も重要な要素です。筆者の印象では、「先生」といった上から目線の態度では、効果的なサポートが難しいことが多いです。理想的な相談相手は、経営者の悩みや目標を丁寧に聞き取り、深く理解してくれるようなコミュニケーションスタイルを持っています。親身に寄り添いながらも、時に耳の痛い指摘を的確に伝え、相談者が受け入れやすくすることも大切です。

料金

料金体系も重要な判断基準です。筆者がご紹介する場合もこの点はいつも悩ましく感じています。人気のある優秀な相談相手ほど料金が高くなる傾向がありますが、費用を抑えすぎると、かえって判断ミスにつながるリスクもはらんでいます。自社の予算に合った料金設定かどうかを事前に確認し、本当に必要なタイミングで効果的に活用するよう工夫しましょう。

相談相手の探し方

どのようにして適切な相談相手を見つければよいのでしょうか。いくつかの方法をご紹介します。

経営勉強会、セミナーに参加

経営者向けの勉強会やセミナーは、同じ課題を抱える経営者や専門家とつながる良い機会です。こうした場で出会った相手が、後に信頼できる相談相手になることも少なくありません。また、同じ経営課題について解決策を求めている経営者とも出会うことができ、情報交換も大いに役立ちます。

異業種交流会、ビジネス交流会に参加

異業種交流会やビジネス交流会への参加は、新たな視点やアプローチを得る絶好の機会です。こうした交流の場では、自分の業界だけでなく、他業種の交流会にも積極的に参加することが効果的です。とりわけ、異業種の相手を無作為に選ぶのではなく、自社の事業に関連性がある業界の交流会に参加することが望ましいでしょう。

こうした場に参加することで、自らの事業をより多角的な視点から見直し、その業界の経営者から実務的で有益な意見を得ることができます。商流や取引関係がある業界の経営者からのフィードバックは、自社の強みや課題を明確にするうえで重要な示唆をもたらします。また、異なる商材やサービスを扱っていても、自社と同じような市場ポジションにいる業界と比較することで、具体的な改善策やヒントが見つかる可能性が高まります。

このように、異業種との交流は単なる情報交換にとどまらず、事業の成長を支える貴重な学びの場となります。経営者として広い視野を持ち、外部からの意見を取り入れることで、新たな発見と発展のチャンスをつかむことができるでしょう。

商工会議所や中小企業支援機関など公的機関に相談

商工会議所や中小企業支援機関は、公的なサポートを提供しており、無料または低価格で相談に応じてもらえる貴重な窓口です。こうした機関を活用することで、専門家の助言を得やすくなります。筆者がよく耳にするのは、「いざ相談に行っても、一般的な回答しか得られず、あまり意義を感じられない」という不満です。こうしたケースは、相談内容が漠然としている場合に起こりやすく、広範な相談に対しては一般的なアドバイスしか得られないことが多いのです。そのため、公的機関を効果的に活用するには、具体的で明確な目的を持って相談に臨むことが重要です。

たとえば、「特定の補助金を申請したい」「特定の業界に紹介してほしい」といった、相手が具体的な行動をイメージできるような相談をすることで、より実務的で有益な対応が期待できます。目的がはっきりしていると、相談を受ける側も的確なサポートを提供しやすくなり、経営者が求める解決策に近づくことができます。

まとめ

中小企業の経営者が抱える悩みは多岐にわたりますが、信頼できる相談相手を見つけることで、これらの課題に対する解決策が広がります。経営判断に必要な情報の収集や現状の把握、意思決定をすべて一人で担うのは、経営者にとって大きな負担となります。さらに、事業が成長するにつれて、その責任範囲や考慮すべき要素も増えていくため、適切なサポートが不可欠です。本稿で紹介したさまざまな方法を活用して、自分に合った相談相手を探し、経営の安定化と成長を目指しましょう。

*imtmphoto,wichayada suwanachun,insta_photos / shutterstock

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