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契約解除合意書は必要?書き方や作成時のポイントを解説【エクセルテンプレート付き】

2025.01.21

年度末に向けて、いまある契約の見直しを行う機会も多いのではないでしょうか。経営環境の変化や社内人事の見直し、ビジネスパートナーとの関係性の変化など、さまざまな理由から契約の見直しや解除が必要となる場合があります。しかし、契約は当事者双方の合意に基づいて取り交わされるものであり、一方的に破棄することはできません。また、口頭で契約解除を行うと、事実関係の発生が曖昧になり、後々のトラブルにつながるため、「契約解除合意書」を作成しておくことが重要です。本記事では、契約解除合意書の必要性や書き方、作成時のポイントについて解説します。

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契約解除合意書の必要性

契約解除合意書とは、契約の当事者双方が契約解除に合意をし、その合意内容を文書にしたものです。契約の解除自体は、当事者双方の合意がなされていれば口頭で行うことも可能です。

しかし、書面を作成しなかった場合、契約解除が本当に行われたのか、解除するにあたりどのような内容で合意がなされたのかについて曖昧になり、合意内容について後々双方の言い分に食い違いが生じ、トラブルになるリスクが高くなります。よって、そのような事態が発生しないように、契約解除合意書を作成し、書面で合意内容を残しておくことが重要です。

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契約の合意解除の流れ

契約解除合意書の書き方に触れる前に、契約解除の合意に至るまでの流れを確認しておきましょう。

現在の契約内容の確認を行う

まずは現在の契約内容を改めて確認しておきます。相手方に対して契約解除の理由を説明するうえでも、契約内容のどの点の継続が難しいのかを確認しておくことが必要です。場合によっては、解除しなくても対応ができたり、相手方との相談により、契約内容の変更で対応できたりする場合もあるかもしれません。

契約の相手方に契約解除の意向を伝える

契約を解除する意向が固まったら、できるだけ速やかに相手方に契約解除の意向を伝えます。相手方も契約内容が履行されることを前提に日々動いているため、契約が解除されるとなると、相手方も次の動きを検討しなければなりません。相手方に必要以上に負担を掛けないように、できるだけ速やかに、できれば契約解除の2~3カ月前までには伝えておいた方がよいでしょう。

合意内容に従い、契約解除合意書を作成する

契約解除の申し出に相手方からの合意が得られたら、その合意内容を明記した契約解除合意書を作成します。繰り返しになりますが、後々のトラブルに発展させないように、しっかりと書面を作成し、合意内容を残しておきましょう。

契約解除合意書の書き方とポイント

それでは、契約解除合意書の書き方について見ていきましょう。まず、書面に記載しておくべき項目について確認します。

① 解除する契約の特定

合意解除する契約の特定を行います。通常は該当する契約の契約名や締結日の記載を行うことで特定します。併せて、ここで当事者の明示をし、契約解除の当事者の名称、住所を明確にします。

(記載例)
●●●(以下、「甲」という。)と▲▲▲▲(以下、「乙」という。)は、甲乙間で締結した○○年○○月○○日付「○○○○契約」(以下、「原契約」という。)に関して、解除することに合意したため、以下のとおり合意書(以下、「本合意書」という。)を締結する。

② 契約の解除日

いつから契約が正式に解除されるのか、その日付を明記することが必要です。

③ 契約解除に際して当事者が履行すべき事項

契約解除を行うにあたり、お互いがすべきことについて記載をしておきます。たとえば、貸与物がある場合や、報酬を前払いで受領している場合などは返還が必要になります。このような場合は、「何を」「いつまでに」「どのような方法で」返還するのかということを明確にしておく必要があります。

その他にも、たとえば未処理の案件がある場合は、どこまでを履行するのかなど、お互いに「いつまでに」「何をすべきか」を明確にしておくことでトラブルを防ぐことができます。特に履行すべきことがないのであれば、無記載ではなく、すべきことがないことを明記しておきましょう。

④ 清算条項の記載

上記③の内容についてお互い履行することが前提ですが、それ以外にお互いに請求するものはないことを確認しておきます。

(記載例)
第○○条(清算条項)
甲及び乙は、本合意書に定めるほか、何らの債権債務が無いことを相互に確認する。

⑤ 以降の担当者、連絡先について

契約解除に担当者や連絡先が変わる場合などがあれば、その内容を記載しておきましょう。

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作成時の注意点

最後に、契約解除合意書の書き方の注意点について確認しましょう。

内容を明確にすることを意識する

上記の書き方でも記載していますが、内容については明確にして記載しましょう。「誰が」「何を」「いつ」「どのような条件のもとで」「解除することに合意した」のかを明確にしておかないと、後になってトラブルにつながります。「このようにも解釈できる」といった、複数の意味合いで取れるような表現もしないように注意しましょう。

特に契約の一部のみを解除するといった場合には、どこの部分を解除するのかを明確にしておかないと、有効に存続している契約内容にも影響が及びます。

一方的に合意書を作成しない

契約解除を急ぎたい場合であっても、一方的に書面を作成し、相手方に送り付けるようなことがあってはいけません。相手方からの不信につながりますし、ひいてはご自身の信用にも影響します。まずは、相手方に契約解除の意向を伝え、どのような条件のもとで解除を行うか話し合ったうえで、その合意内容を書面に取りまとめるようにしましょう。

解約合意書の内容はよく確認したうえで署名する

合意書を作成・提示する側である場合は、内容についてよく把握していると思いますが、合意書を提示される側になることもあり得ます。その場合は、合意書の内容を注意深く確認してから署名しましょう。話し合いをした内容がきちんと反映されていなかったり、思わぬ内容が記載されていたりということもあるかもしれません。一方的に不利になるようなことがないように、内容はきちんと確認しましょう。提示する側の場合は、そのような点を相手にチェックされているということを念頭に作成を行うと、スムーズに書面作成が進むかと思います。

まとめ

さて、ここまで契約解除合意書の必要性、作成時のポイント・注意点について触れました。お互いにトラブルが生じないようにすっきりと契約を終了させるためにも、上記内容を押さえていただければと思います。

*  H_Ko/ shutterstock

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