
顧客との関係構築が売上につながる!電話や訪問に替わる「メール営業」とは?
知らない番号から電話がかかってきたら、あなたはどうしますか? すぐには出ず「どうしようかな……」と躊躇する方も多いはずです。
電話が鳴り終わるのを待って、すかさず電話番号をネットで検索。その結果を見て「なんだぁ、セールスの電話かぁ、出なくてよかった」と安心する方もいるのではないでしょうか。
電話番号も検索すれば発信元や口コミが調べられる今、消費者にとってはよいですが、営業する側にとっては本当に難しい時代になりました。
さて、本記事では、筆者が推奨するメールなどの文字情報を使ってお客様との信頼を築く営業スタイル、“営業レター”について紹介します。
強引なやり方はNG!避けたい営業スタイル3つ
冒頭で紹介した例をはじめ、今は少しでも強引なやり方をすれば、すぐにネットで批判される時代になりました。
今は誰もが情報を発信できる時代ですから、消費者が嫌な思いをすれば「○○社からの電話は最悪。注意したほうがいい」、「この電話番号は△△会社のテレアポ。出るとしつこいので注意して」などと書き込みされます。
そのため、電話や訪問での営業スタイルは慎重に行う必要があります。特に、次に紹介するように強引な手法は一昔前はよく見かけられていましたが、今の時代、悪い評判につながる可能性があるので避けた方がよいでしょう。
(1)見込み客にやみくもに電話をするスタイル
リフォーム会社を経営している知人の話です。新規のお客様を取得するために、かなりのお金を払いネット広告を出しています。そこから見込み客に資料請求してもらい、”メールアドレス、電話番号”などを入手。その情報を営業スタッフに分配しているのです。
ここまではいいのですが、問題はその先です。営業スタッフたちは今のお客様が求めているアプローチを知りません。そこでやみくもに見込み客へ電話をかけ、獲得の可能性をつぶしてしまいます。そのうえ、営業を受けたお客様から、営業についてネットに悪い口コミを書かれてしまったのです。
これではお金をかけて広告を出したのに、悪い口コミを増やすことになってしまい本末転倒です。
(2)何度も電話をする営業スタイル
一昔前であれば、“資料請求のお客様に数回電話する”といった営業方法を強制していた会社もよくありました。そういった職場では、「1度や2度で諦めてどうする。最低でも3回はかけるべきだ」といったような発言がよく飛び交っています。
筆者自身も何度もやった経験がありますが、一度断られたお客様のところに再度電話するのは本当にキツイものです。そもそも電話に出てくれませんが、たまに出たとしても「もう電話してくるなって言っただろう!」と怒鳴り飛ばされることになります。
とてもじゃありませんが、メンタルがもちません。それでも上司の命令で渋々やっていましたが、ほんとうに嫌だったものです。
このような何度も電話をかける営業スタイルも迷惑だと感じるお客様は多く、悪い評判につながってしまいがちです。
(2)アポなし訪問営業
アポなし訪問となればもっと悪い評判につながりやすいです。筆者自身、夜の21時過ぎまで普通に毎日アポなし訪問をしていたことがありますが、冷静に考えればかなりおかしなことをしていました。今この時代にそんな時間帯にアポなし訪問などしていれば、消費者センターに訴えられることも。
もちろん、こんな訪問営業を受けたお客様が喜ぶはずもなく、悪い印象だけが残ることも。戦略がないまま営業スタッフに行動させれば悪評を広めてしまうことになるのです。
なぜ強引なやり方がよくないのか?
“テレアポで強引にねじ込む”、“突撃訪問して買わせる”といった営業スタイルでは、結果が出ないのでしょうか?
100件、1,000件と大量に数こなせば、結果が出ることもあるでしょう。しかし、半ばむりやり買わせたお客様の満足度は低くなります。クレームやキャンセルも多くなるでしょう。
また、実際に強引な営業を経験した筆者だからこそいえることですが、このような方法では営業スタッフのメンタルがもちません。営業スタッフが頻繁に辞めたり、結果が出せないようになれば、会社の体力も続かなくなるでしょう。
さらに、前述したとおり、ネットで会社の悪い口コミが広まることもあるのです。
では、いったいどのような営業スタイルがよいのか? 筆者は中長期のお客様に対して“役立つ行動”地味に繰り返していく方法が勧めています。下記で詳しくご説明します。
メールを活用した「営業レター」という手法
筆者が推奨しているのは”営業レター”という手法です。”営業レター”とは主にメールなど文字情報を通して、お客様に“本当の意味で役立つ情報”を届けるという手方です。具体的には、メールだけではなく、ハガキや手紙、SNSなども活用します。
イメージが湧くように実際の住宅営業の例でご説明しましょう。「将来的に家が欲しいな」という検討度の低いお客様に対して、すでに購入した家に住んでいるお客様に聞いた“後悔していること”や“失敗したこと”を解決策とともに送ります。
具体的には下記のような内容です。こういった情報が本当の意味でお客様の役に立つのです。
・図面で見るよりトイレが狭かった
・駐車場が狭くて使いにくい
・収納が思ったより少なかった
多くの会社が“商品のメリット”や“キャンペーン情報”を送っているなか、こういった内容は目立ちますし、お客様にとっても有益です。
実際にこの営業レターで見込みの低いお客様へアプローチしていたところ、お客様から徐々に反響が出るようになりました。
メールを活用した「営業レター」のメリットは?
営業レターを使った営業スタイルに切り替えることで、次のようなメリットが期待できます。
(1)契約数が増える
筆者の経験談ですが、実際にこの方法に変えたことで、今までの4倍以上の契約を取ることができています。
(2)商談がスムーズ
お客様と信頼関係がすでに構築できているため、競合も少なく無理な値引きもなく、商談が非常にスムーズです。
(3)お客様の満足度が高い
ご契約にいたったお客様の満足度が高く、ほかのお客様をご紹介いただくケースも多くあります。
コロナの時代、強引な訪問もできません。また、前述したようにやみくもにテレアポは逆効果になりがちです。これからはハードな営業ではなく、文字情報でソフトに伝えるスキルが必要になってきます。
急がば回れということわざがあるように、強引に数字を上げようとするのではなく、じわじわと信頼関係を構築する現代にあった営業スタイルに切り替えてみるのはいかがでしょうか?
時代も変わり、お客様も変わりました。ということは、営業スタイルも進化させなくてはなりません。今のニーズにあったやり方に進化できる会社のみ生き残れるのです。
* kouta / PIXTA(ピクスタ)