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小規模企業共済

【経営者の退職金】小規模企業共済制度のメリットとデメリットを解説!iDeCoとの違いも

2021.09.27

経営者のなかには、老後の備えに不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

大企業であれば企業年金や退職金を受給できるケースが多いですが、中小企業などでは退職金を用意していない場合も少なくありません。

そこで、今回ご紹介したいのが、経営者や役員などが加入できる積み立て式の退職金制度である『小規模企業共済』。本記事では、加入のメリットとデメリットについて分かりやすく解説します。節税などのメリットもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

※最終更新:2021年9月

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「小規模企業共済」とは

『小規模企業共済』は、個人事業主や小規模事業所の経営者や役員などが加入できる積み立て式の退職金制度です。退職や事業の廃止などによって解約した場合、それまで積み立てておいた金額に応じた共済金を受け取ることができます。

受け取ることができる基本共済金(固定額)は、掛金の納付月数および共済事由ごとに規定されています。基本共済金の受け取りの一例を挙げると、掛金月額10,000円を20年間納付して掛金合計2,400,000円の場合、個人事業の廃業や法人の解散時の受け取り時には、2,786,400円となります。

なお、本制度は国の機関である独立行政法人『中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)』によって1965年より運営されており、小規模企業共済制度の現在の在籍人数は約153万人、資産運用残高は約10兆5,018億円です。令和2年度の受給状況は、共済金受給額が約5,131億円、共済金受給額の平均は1,130万円、共済金受給者の平均在籍年数は約19年となっています*。

* 令和3年3月時点

小規模企業共済の加入のメリット

(1)掛金分を節税できる

最大のメリットと言えるのが、その高い節税効果です。小規模共済の掛金は、全額が経費(個人事業主の場合は所得控除)となり、支払った分だけ節税することができます。確定申告の際に課税対象所得から全額控除(最大84万円)とすることが可能です。

なお、確定申告書の欄には、小規模企業共済等掛金控除の欄が設けられているので、節税効果がわかりやすいです。月々資金を積み立てながら、節税になるという点が利点です。

(2)受け取り時の税負担の軽減できる

小規模企業共済は、解約時に共済金(解約手当金)を受け取る際には、基本的に受取金額に税金がかかります。しかし、受給する共済金が個人事業主であれば、下記の式により退職所得になるため、事業所得などに比べて税負担が、かなり軽減されるのです。

「事業所得の場合」:収益―費用=所得

「退職所得の場合」:(退職金―退職所得控除額)×1/2

共済金(一括)で受け取ると、退職所得控除が使え、課税対象額の計算前に2分の1を掛けるので、節税効果が大きいと言えます。上記は、個人事業主の経理処理です。

なお、法人の場合、『小規模企業共済』などの退職金積み立てがなく、一括で支払いをすると、その期の法人としての支出が大きくなります。想定していない支出を減らし、経営を安定させるという点も、本制度のような退職金積み立てのメリットと言えるでしょう。

(3)掛金の最大120%相当額が返戻される

『小規模企業共済』の加入シミュレーションで計算すると、掛金70,000円を40年間支払った場合、受け取る共済金の単純返戻率が120%を超えます。単純返戻率とは、共済金額を掛金合計で割った計算値であり、節税総額などを加味した実質返戻率とは異なります。掛金の減額や掛止めをすると運用されないので、長く継続することが返戻率を高めるポイントです。

共済金や解約金の給付額に関しては、“法人の解散”などの必然性の高い理由によるものは高めに、“掛金の滞納”や“自己都合の退任”など任意性の高い理由によるものは低めに設定されています。共済金の額の算定方法は、基本共済金と付加共済金の合計になっています。

現在では、『小規模企業共済』の予定利率は、1.0%となっています。ただし、納付期間が一定期間以下だと元本割れのリスクもあります。

(4)掛金金額を増減できる

『小規模企業共済』の掛金は、月1,000円~70,000円の範囲(500円単位)で自由に設定することができます。少ない金額から初めて、余裕ができたら、増額することもできます。経営状況などの悪化した場合は、減額や停止する掛け止めもできます。

(5)低金利の貸付制度が利用できる

加入者は、掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)、かつ、10万円以上2,000万円以内で事業資金の貸付制度を低金利で利用することができます。即日貸付も可能で、さまざまな種類があります。

一般貸付制度は、もしもの時に迅速に事業資金を借り入れできる制度で、金利は年利1.5%になっています。傷病災害時貸付*などは、年利0.9%になっています。

*疾病・負傷による入院や災害等により被害を受けた際に利用する貸付

(6)内縁関係者に財産が残すことができる

『小規模企業共済』では、内縁関係者に財産を残すことができます。共済契約者が死亡したことにより支給される共済金を請求できる人の続柄の範囲や順位も決まっています。受給者権の順位は、配偶者(内縁関係者も含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹……(続く)です。

これは、民法上の相続の一般原則と異なり、小規模共済法に規定されています。他の公的保険の遺族厚生年金や労災の遺族補償年金より範囲が広いと言えます。

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「小規模企業共済」の加入のデメリット

(1)加入期間20年未満の場合は元本割れになる

掛金納付月数が240月(20年)未満で任意解約した場合は掛金合計を下回ります。加入期間が240月以上でも途中で掛金を増額・減額で掛金納付月数が240月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計を下回ることがあります。

(2)12か月未満は掛け捨てになる

掛金納付月数6か月未満で解約した場合、共済金を受け取ることはできません。また、12か月未満で解約した場合には、準共済金(法人の解散や病気や怪我など)や解約手当金(任意解約など)の場合には、掛金を受け取ることができないため、掛け捨てになります。

(3)規模が大きくなると加入できない

『小規模企業共済』は、その名の通り、小規模事業者を対象としています。業種によって人数は違いますが、従業員が一定数以下であることが加入資格となっています。目安としては、おおむね20名以下、場合によっては5名以下です。規模が小さいうちに加入すれば、その後、人数が増えても加入を継続できるため、早い段階で加入を検討することをおすすめします。

加入手続き

『小規模企業共済』の加入手続きは、必要書類を記入して、中小機構が委託している団体もしくは金融機関の窓口に提出するだけです。加入手続きに必要な書類が“個人事業主”と“法人の役員”と“共同経営者”の場合で違うので、確認して間違いのない書類を準備することも必要です。加入に際しては、お近くの税理士や社会保険労務士に一度、ご相談することをおすすめします。

iDeCoとの比較

最後にiDeCoとの違いについて、お話ししましょう。iDeCoは、個人型確定拠出年金といわれ、『小規模企業共済』と同じく小規模企業共済控除が課税対象所得から控除できる老後のための積み立て制度です。大きな違いは、『小規模企業共済』は、個人事業主や小規模事業者だけを対象としているのに対して、iDeCoは、全国民を対象としています。簡単に比較表を紹介いたしますので参考にしてみてください。

退職金は用意せず、老後資金を定期預金など現金資産から支払うという経営者も少なからずいらっしゃると考えます。その場合、積立時の節税メリットを受けることができないうえ、長期積立による金利の効果を受けることもできません。

より豊かな老後のためメリットとデメリットを踏まえ、『小規模企業共済』利用の検討してみてはいかがでしょうか。

【参考】
小規模企業共済』 / 中小企業基盤整備機構

* Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

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