以下、参考になるかどうか分かりませんが。。。
当社でも割増賃金の計算基礎から除外するために住宅手当の支給方法の変更を検討していますが、支給方法を変更するうえで問題となるのは、住宅にかかる費用に応じて比例的に支給額を設定すると、現状では、新しい条件に該当せず、住宅手当が支給されない(実質給料カットになる)従業員がでてしまうという点です。
目的はあくまでも割増賃金の計算基礎から除外することですから、実質給料カットとなる変更は、到底受け容れられるものではありません。そこで、最低でも現状維持を大前提とした支給方法を次のように設定してみました。
ポイントは「管理費」です。
なお、家賃等の支払いが本人による区分と本人以外の区分の設定もありますがここでは割愛します。
【持家区分】
管理費 1万以上 1万未満
支給額 1万円 5千円
ローン支払額 5万以上 5万未満 0円
支給額 1万円 5千円 0円
※その他社員が現に支払いの負担をしているか否かによる区分と、その支払いに関する証明書類の提出によって支給額を決定しますが、管理費については、証明書類の提出なし、内容不問の自己申告制とします。
【賃貸区分】
家賃支払額 5万以上 5万未満
支給額 2万円 1万円
※その他社員が現に支払いの負担をしているか否かによる区分と、その支払いに関する証明書類の提出によって支給額を決定します。賃貸区分では、管理費は、家賃支払額にすでに含まれているものとみなし設定しません。
持家区分で、「管理費1万以上」(自己申告)、「ローン支払額5万以上」(証明書類)で
1万円+1万円=2万円(支給額)という計算です。
この表から支給額の最高額は2万円、最低額は5千円(仮に管理費を虚偽申告しても1万円)となります。
当社の現状維持の最低額は1万円なので、虚偽申告を想定してこのような表となりました。
--------------------------------
さて、この管理費ですが、労働基準法においても曖昧になっているようです。
http://labor.tank.jp/rouki/rouki_kaisetu16.html
(2)具体的範囲
ロ 住宅に要する費用とは、賃貸住宅については、居住に必要な住宅(これに付随する設備等を含む。以下同じ。)の賃貸のために必要な費用、持家については、居住に必要な住宅の購入、管理等のために必要な費用をいうものであること。
上記、ロの「持家については、居住に必要な住宅の購入、管理等のために必要な費用をいうものであること。」という文中にある「管理等のために必要な費用」に着目し、管轄の労働基準監督署に具体的にどの範囲を「管理等のために必要な費用」というのか問い合わせました。回答では、通達、判例等においても具体的な内容の表記はなく、文言そのまま、「管理等のために必要な費用」としか表現できないとのことでした。(当社の管轄労働基準監督署の回答ですので、他の監督署や労働局の見解は分かりません。)
会社規則においても、「住宅の管理等のために必要な費用」として記載し、具体的な内容について不問とすることによって、現状を維持し、かつ、住宅手当を割増賃金の計算から除外できる支給条件(費用に比例して支給額を設定)の設定ができたと思います。
当社では、あくまでも現状維持が前提ですので、管理費については内容不問、自己申告制としています。
労働基準監督署も「虚偽申告されますよ。」というような助言をくださいましたが、現状維持と計算除外が目的なので、当初の目的が達成できたのではないかと思っています。
なお、費用の段階や支給額などは会社任意の規定ですので、管理費の支給条件も会社規則でいかようにもできるのではないかと思いますがいかがでしょうか。