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労働実務事例

提供:労働新聞社

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派遣社員の出張に自社社員と同じく日当を支給扱い必要か

「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、社員が出張した場合、日当を支給しています。派遣社員を出張に同行させたところ、後日、「私には、日当が出ないんですか」と質問を受けました。出張の道すがら、当社社員から「時間外割増は出ないけど、日当が付く」という説明を受けたというのです。当社規定に基づき、支給する義務があるのでしょうか。

山形・I社

[ お答え ]

 派遣社員の労働条件は、雇入れ時に労働条件通知書(労基法第15条)により、明示されているはずです。登録型の派遣社員の場合、就業条件の明示(派遣法第34条)も同時に行いますが、「明示する事項が一致する範囲内で両方の明示を兼ねて行って差し支えない」(派遣業務取扱要領)という扱いとなっています。
 派遣労働者が、出張時にどのような賃金を受けるかは、派遣元事業主と派遣労働者間で決定します。雇入れ時に細部の合意がなかった場合には、就業規則の規定を適用します(労働契約法第7条)。
 貴社の直用社員が出張した場合、「時間外を支給しない=事業場外みなし労働制(労基法第38条の2)を適用する」、「日当を支給する」のは、貴社の就業規則等を根拠とします。法律上は、出張者に日当を支給する義務はありません。
 派遣社員が出張業務に従事したとき、派遣料金に上乗せを行うか否かは、派遣先会社と派遣元会社の間で決定します。貴社の出張時の日当を、自動的にオンする必然性はありません。
 派遣元では、複数の事業場に派遣社員を送り出しているので、出張時の手当等についても統一的・画一的に処理する必要があります。ですから、貴社の日当より少ない金額設定がなされている(あるいは、まったく日当を支給しない)可能性が高いでしょう。だからこそ、派遣社員が「貴社に直接日当の支払いを求める」という事態も生じたわけです。
 しかし、派遣元の社員と派遣社員の労働条件が異なるのは珍しくありません。たとえば、派遣先で「所定外労働(法内残業)にも一律割増を払う」定めとなっていても、派遣社員に割増が付かないケースもあり得ます。
 貴社としては、出張業務に従事した旨を派遣元に通知しますが、後は派遣元の規定に沿って処理されます。なお、貴社の同行社員が時間管理する立場にあれば、把握した時間を通知すればよく、この場合、「事業場外みなし」の問題は生じません(昭63・1・1基発第1号)。



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