労働実務事例
[ 質問 ]
再雇用の従業員同士が談笑中、1人が「賃金が上がれば高年齢雇用継続給付はダウンする」という話をしました。ところが、別の1人は「自分は両方上がった」と主張します。継続給付の仕組みからいって、あり得るのでしょうか。
高知・H社
[ お答え ]
再雇用時には、定年前と比べ賃金が大幅にダウンするのが一般的です。就労意欲の減退を招きかねないので、雇用保険では高年齢雇用継続給付という仕組みを設けています。
高年齢雇用継続給付は、60歳時点(または離職時点)と比べ、賃金が75%未満に低下すれば支給されます。支給額は、原則として各月に支払われた賃金に15%を乗じた額です。ただし、低下後の賃金水準が60歳時点の75%未満61%以上の場合には、「15%から一定の割合で逓減する率」を計算に用います。
たとえば、低下後の賃金水準が70%のとき、乗率は4.67%、65%のときは10.64%となり、結果的に、65%時の雇用継続給付の額は70%時の額を大きく上回ります。
しかし、61%未満の場合、乗率は15%に固定されます。ですから、計算ベースとなる賃金が高いほど、雇用継続給付も高くなります。
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