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労働実務事例

提供:労働新聞社

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恒常的な土曜出勤命令は休日労働の協定に違反?

「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社は、1日の所定労働時間を8時間に設定し、土曜日と日曜日を休日とする完全週休2日制を採っています。繁忙期のため、土曜日の出勤が必要となり、1カ月に3回連続で土曜出勤を命じました。時間外・休日労働協定(36協定)では、休日労働は月2回と設定していますので、違法となるのでしょうか。

岩手・M社

[ お答え ]

 労基法第32条は法定労働時間を1週40時間、1日8時間と定めています。また、毎週少なくとも1日の休日(または4週4日の休日)を与えなければなりません(労基法第35条)。
 労基法上における、1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいうものであること(昭63・1・1基発第1号)とされています。
 36協定を締結し、労基署に届け出た場合は、その協定の範囲内で法定労働時間を超え、あるいは法定休日に労働させることができます。
 36協定を締結しなければならない休日労働とは、法定休日労働(労基法第35条)のことです。36協定の届出様式の所定休日欄には、個別的に特定して協定してもよいですし、一定期間における休日の日数を協定しても差し支えありません。
 週1日の休日のほかに祝日等の休日に労働させたり、あるいは完全週休2日制で週2日の休日のいずれかの日に労働させる場合は、他の1日の休日が確保されている限り、休日労働協定は必要ありません。
 労基法では、週に1日の休日もなくなるように労働させた場合に、1回の法定休日労働があったことになるわけです。
 ご質問の場合、休日出勤させた土曜日と同じ週の日曜日を休日として休ませていれば、すでに週1回の休日が与えられていますので、3週連続で土曜日に出勤させたとしても、法定休日労働は発生しないことになります。
 36協定上の休日労働でないため、「休日労働は月2回まで」とは関係がないことになります。
 ただし、土曜日の労働によってその週の労働時間が40時間を超える場合には、その超えた時間が時間外労働となります。1日8時間、週40時間の場合、月曜日から金曜日までで週40時間となりますから、土曜日に労働した8時間分を加算すると、週48時間働くことになり、8時間が時間外労働となります。
 この8時間は、36協定の時間外労働時間数にカウントしなければなりませんから、他の日の時間外労働と合わせて36協定で協定した時間外労働の上限時間を超えないようにうまく調整する必要があるでしょう。



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