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法定外休日に年次有給休暇を取ったら休日割増賃金は必要なのか







2021年11月4日号 (no. 1219)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【法定外休日に時間単位の年次有給休暇を取ったら休日割増賃金は必要なのか】
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■「休日割増賃金が必要な休日出勤」と「休日割増賃金が必要ない休日出勤」の違い

休日に働いたら休日割増賃金なり休日手当が付く、と考えてる方もいらっしゃるでしょうけれども、一口に休日労働と言っても大きく分けて2つあります。休日割増が付く休日労働とその割増が付かない休日労働です。

例えば、毎週、土曜と日曜が休みの会社があるとして、月曜から金曜までは通常通り出勤し、本来ならば土曜と日曜は休みになるところ、土曜だけ休みで、日曜日に何らかの事情で出勤してもらうとなったら。

法定休日は1週間に1日必要ですので、土曜日が休みで日曜日に出勤したとなると、土曜日が法定休日になり、日曜日は法定外休日所定休日と表現することも)となります。

就業規則法定休日の曜日を固定しているならば、そちらに従うことになりますけれども、今回は法定曜日を固定していないという前提にすると、日曜日は法定外休日となります。

その日曜日に、何らかの業務上の理由によって出勤してもらうことになったとしたら、どういう問題が生じるか。

休日割増賃金が付くのは法定休日に出勤した時です。一方で、法定外休日もしくは所定休日に出勤したときも休日労働ではありますけれども、労働基準法での休日割増賃金は付きません。



所定休日に出勤した時に3時間分の年次有給休暇を取ったら

日曜日に時間単位の年次有給休暇、例えば3時間だけ年次有給休暇を取って、日曜日は働いたとなると、その3時間分の年次有給休暇に対して休日割増賃金をつける必要があるのかどうか。

休日割増賃金法定休日にだけ付きます。つまり、1週間に1日の法定休日を作らなければいけないのですけれども、その日に出勤した場合は休日割増賃金、つまり25%以上の割増賃金が必要です。

ですが、今回は、土曜日に休みを取れていますから、日曜日は法定休日になりません。

となると、日曜日に働いた部分に対しては、休日割増は付かず、通常の賃金で足ります。

ただし、会社の就業規則賃金規定で、法定休日だけでなく所定休日に対しても休日割増を付けると決めていたならば、今回の場合の日曜日に対しても割増賃金を付ける必要があります。先程も書きましたが、ここでの所定休日というのは法定外休日と読み換えて頂いても構いません。

しかし、そういう決まりがなかったとしたら、この日曜日に休日割増は付きませんし、時間単位の年次有給休暇を3時間分取ったところで、その有給休暇賃金に対しても休日割増賃金は付きません。



休日出勤すると1週40時間法定労働時間を超える可能性があるので注意

日曜日に出勤したとなると、月曜日から金曜日まで出勤して、さらにその上、日曜日の勤務時間も5時間加わると考えると(1日の所定労働時間を8時間と仮定)、1週40時間法定労働時間を超えてしまうことがあります。

1日8時間勤務で、月曜から金曜まで働けば、この時点で40時間になりますし、そこでさらに日曜日に5時間働いたとすると、週45時間になりますので、5時間分の時間外労働割増賃金が必要です。



所定休日つまり法定外休日年次有給休暇を取ることはできるのかどうか

日曜日は所定休日になっているんだから、その日に年次有給休暇を取ることはできないんじゃないかと思うところですよね。

確かに、そういう指摘もできますけれども、日曜日がすべて休日になったわけじゃなく、業務上の理由で日曜日は出勤する日になったわけですから、労働義務のある日に転換したと考えることができます。ならば日曜日に時間単位の年次有給休暇を取ることは可能となります。

本来だと日曜日は所定休日ですから、労働義務は無いですけれども、会社が休日出勤を要求した時点で、日曜日に労働義務が発生していますから、その日に時間単位の年次有給休暇を取ることも可能なわけです。

日曜日はまるまる1日休みになっていたとしても、法定休日年次有給休暇で潰さない限り、年次有給休暇を日曜日に取る余地はあります。

法定休日年次有給休暇を取ってしまうと、労働基準法で要求される休日労働基準法35条)が潰れてしまい、なくなりますので、労働基準法に違反します。

しかし、所定休日年次有給休暇を取ったとしても、法定休日は別途で確保されていますので、当事者間の契約なり合意によって、有給休暇を取れるかどうかが決まります。

労働義務のない日に年次有給休暇とる余地はない、という判断もありますけれども、法定休日ではなく所定休日年次有給休暇を入れるかどうか、入れてもいいのかどうかは、使用者労働者との間で話し合って決めても構わないことです。

所定休日年次有給休暇を取ったところで労働者側には不利益はありませんし、使用者にとっても年次有給休暇の消化が早まります。当事者間に利益があると判断し、合意したならば、それを止める理由はありません。



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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu_cm_common_20211104_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡





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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_source=soumu_cm_common_20211104_3




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu_cm_common_20211104_4





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu_cm_common_20211104_5



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