労働実務事例
[ 質問 ]
女性パートの離職率が高いため、優秀な人材には長く働いてもらえるように「短時間正社員」制度の導入を検討中です。労働時間が短いので健康保険に加入させる必要はないのでしょうか。
【香川・T社】
[ お答え ]
パート従業員が被保険者となるか判断するうえで、1つの目安となるのが常用的使用関係の有無です。
1日または1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が同種の業務に従事する一般社員の概ね「4分の3以上」であれば、被保険者として取り扱うとされています(平成28年10月1日から一部範囲拡大)。目安ですから、就労の形態や内容をみて被保険者となる可能性はあります。
ご質問の「短時間正社員」については、通達(平21・6・30保保発第0630001号)が出されています。
① 期間の定めのない労働契約を締結しているものであり、かつ、時間当たりの基本給等の算定方法等が同一事業所に雇用される同種フルタイムの正規型の労働者と同等であること
② 労働契約、就業規則および給与規程等に、①の内容を踏まえた規定があること
上記①と②の要件を満たす場合、原則、被保険者として取り扱うとしています。「4分の3ルール」は適用されません。
短時間正社員に該当すれば健康保険に加入しなければならず、事業主や労働者が任意に選択することはできません。
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